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【DAO】「会社のため」から「人類のため」「自分のため」へ

この記事の内容をYouTubeでも話してみました。
https://www.youtube.com/watch?v=YMxbx0K7uRU

《はじめにことわり》
DAOがBitcoin生まれEthereum育ちの考え方(のはず)とはいえ
Decentralized(分散的)で、Autonomous(自律的)な、Organization(組織)という言葉だけみると、ブロックチェーンを使わないかたちのDAOというものも存在しえるはずではある。
ただ、以下では、ひとまずブロックチェーンを使ったかたちのDAOをイメージしながら考えてみる。

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①DAC

日本語で「組織」というとスタティックな集まりを思い浮かべてしまう気がするので
「コミュニティ」と呼んだほうがダイナミックな集まりを思い浮かべやすい気がする。
DAOではなくDAC(Decentralized Autonomous Community)と呼ぶのもいいのでは。

追記:後日気づいたが、EthereumのホワイトペーパーにもDACom(decentralizd autonomous community)、DACorp (decentralized autonomous corporation) というコンセプトが紹介されている。
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②オープンソースプロジェクトの延長

DAOはまったく新しい概念というよりはオープンソースプロジェクトの延長と捉えることもできる。

【共通点】
両者とも、資産・アイディアを個人・企業で独り占めすることなく、世界に公開することでアイディアを最大限に活用しているところが共通しているように思う。

【相違点①?】
オープン"ソース"という言葉だけあって、オープンソースプロジェクトはソフトウェアの開発を指すことが多いと思うが
DAOになると、ソフトウェア開発にとどまらず、投資・事業・政治・教育といった幅広い領域にオープンソースの考え方を適用することができる。

【相違点②?】
すべてのDAOに当てはまるわけではないが
ブロックチェーンを活用することでトークンエコノミーを形成することができるため、参加者に対して報酬を支払うことがやりやすくなっている。
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③「会社のため」から「人類のため」「自分のため」へ

たとえば、現在語られているDAOのイメージにはそぐわないかもしれないが
トヨタ自動車株式会社と日産自動車株式会社が
ToyotaDAOとNissanDAOになったとする。

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■「人類のため」
株式会社のときは
トヨタ自動車と日産自動車はお互いライバルということになるので
超高性能エンジンを開発したら、その情報は絶対に相手に漏らさない。

それがDAOになると
ToyotaDAOが超高性能エンジンを開発したときに↓↓のようになるかもしれない。

ToyotaDAO
「こんなエンジン作ってみたんで、みなさん改良したり、活用してみてください」
NissanDAO
「そのエンジンええですなぁ。ここのところをちょっと変えたらもっと良くなる気がするから(チェーンのフォーク的な感じで)ちょっと改良版つくってみますわ」

もちろん高性能エンジンを開発したチームにはそれに見合った報酬が払われるべきだと思うので、ただただボランティア精神で世界に共有するというよりは、特許管理の仕組みはしっかり整える必要がある。

↑↑のようになると、人類の進歩はもっと速く進むようになるかもしれない。
将来の子どもたちが教科書で20・21世紀のことを学んだときに
「昔は会社というもの同士で戦争してたんでしょ?人類のために共有しあえばいいのにヘンだよねぇ」と言う時代がくるかもしれない。

Hayden AdamsはAMMを独り占めしていない。
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■「自分のため」
株式会社のときは
トヨタ自動車と日産自動車はお互い自社社員を抱えている。
両社の社員が会社の垣根を超えてガッツリ組むことはレアケースのはず。

それがDAOになると
山田太郎さんは、ToyotaDAOとNissanDAOの両方に参加できる。
ToyotaDAOに参加していて無茶なノルマを課されたら
ToyotaDAOのガバナンストークンは一応もったまま
NissanDAOに専念することもできるし
新たにTeslaDAOに参加することもできる。

こうなると、人々はより自己実現をしやすくなっていくかもしれない。
将来の子どもたちが教科書で20・21世紀のことを学んだときに
「昔はサラリーマンが傭兵として会社に雇われてたんでしょ?もっと自由に生きたらいいのにヘンだよねぇ」と言う時代がくるかもしれない。
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