お彼岸の心
今日はお彼岸の入り、今日から一週間が秋のお彼岸です。
以前に「彼岸に至る６つの道」を説明しました。今日は「お彼岸の心」、幸せに至るための大切な心持ちについてお話したいと思います。
そもそもお彼岸はこの世界（此岸）から仏様の世界（彼岸）を見つめる期間。要するにちゃんと良い方向に向かって進んでいるかどうかを確かめる期間という事です。
では良い方向とは何なのでしょうか？
仏教ではシンプルに悪い方向とは「苦しみの道」です。逆に良い方向は苦しみから離れた「幸せな道」です。「苦しみの道」を理解すると自ずと「幸せな道」が見えてきます。
「苦しみの道」に進む原因は「思い違い」です。
私達は何もない状態、普通に暮らせてる状態を当たり前だと「思い違い」を起こします。例えば健康であるのが当たり前だと。でも病気をすることは普通にありますよね？
要するに考え方の「スタート地点」を「思い違い」します。
私達は縁があって生まれて来ることが出来ました。もし生まれてこなかったら、今の人生の中の体験は「０」な訳です。
もちろん人生の中で辛いことも沢山あります。でも嬉しかったこと、幸せだったこともありましたよね。
自分の人生で良いこと、悪いことが「５０対５０」だと思っていると、悪いことが多いとなんて不幸なんだろうと感じます。でも考え方のスタート地点を置き直して、元が「０」だったと考えたとしたら。「２０」でも「３０」でも良いことがあったら幸せですよね。
もし人生で良いことが何ひとつもない、「０」だと感じたとしても、仏教では人生の悪いことが起きると過去世から引き継いだ業が一つ消えた、今の悪い事が過去の悪い行いを帳消しにしてくれた。だからその分、来世は今より良くなるはずだと考えています。
案外、仏教はポジティブシンキングなのです。
明石家さんまさんが娘さんに「いまる」という名前をつけた理由は、「イきてるだけでマル儲け」と思って生きてほしいからだったそうです。素敵なお話ですよね。
生まれてこれたから、「１」でも「２」でも幸せな体験を得られたわけです。自分の親が良い親であっても、そうでなかったとしても、親だけでない先祖がいたからこそ、縁が繋がって、今の自分の生があります。
だからこそお彼岸には命を繋いでくれたご先祖に「感謝」をして、感謝を供養という形に表したりします。
そして今の人生で幸せなことがあったという事はそれは自分の周りとの関係性の中で生まれたものです。だからこそ家族や大切な人に感謝をして、感謝を言葉に表せれば、とっても素敵だと思います。
だんだんと「苦しみの道」の反対の「幸せの道」が見えてきましたね。それは今有るものにちゃんと「感謝」をする事。今無いものに目を向けて落ち込んだり、失ったものを悲しんだりするのではなく。
「足る事を知る心こそ宝船、宝の数々積み乗せじとも。」
今日から始まるお彼岸の一週間が、皆様を幸せに導く人生の振り返り期間になりますように。彼岸に至る宝船をその心に持てますように。
私ももちろん仏様ではなくただの凡夫、凡僧ですので、皆様と一緒にこの一週間色々なことを見つめ直して大切に過ごしたいと思います。
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