見出し画像

成功企業のブランディング事例 Vol.3「無印良品」

成功企業のブランディング事例シリーズのVol.3へようこそ。
(Vol.2を見逃した方は、こちらからお読みください!)

本シリーズでは、様々な企業をピックアップし、その企業のブランディング手法や、それによって得られた効果についてご紹介します。

ニューヨークでサービスをローンチし、一年で約55,000ユーザーを獲得したZeBrandが、ブランディング初心者にもわかりやすい解説を目指します。グローバルで展開するブランディングサービスで提案している3つのステージに基づいて、体系的に企業を分析し紹介していきます。このシリーズを読みながら、ブランディング知識を蓄えていきましょう。

ブランディングに興味はあるものの、

・ブランディングが実際どんなメリットを企業にもたらすのか知りたい方
・ブランディング知識を蓄積したい方

に役に立ちます。

ブランディングの概要に関しては、こちらの記事をご参照ください。

Define:ブランドの核となる方向性を整理し、定義する
・ブランドDNA
Design:ビジュアルアイデンティティをデザインする
・ブランドストラテジー
・ビジュアルアイデンティティ
Deliver:ブランドを世界中に届ける
・ブランドアセット

Refine: ブランドを見つめ直す
・フィードバック

ZeBrandによって定められたブランディングのステージの概略
Define、Design、Deliverのサイクルでブランディングを進めましょう


無印良品について

無印良品といえば、今では日本を代表するグローバルブランドです。1980年に小売チェーン「西友」のプライベートブランドとして販売することからスタートしました。現在は株式会社良品計画のもと、全世界で700を超える店舗で食品や衣類品、家庭用品などさまざまなものを販売しています。

今回無印良品を取り上げた理由は2つあります。1つ目は、無印良品が世界に名を馳せる有名ブランドであること、2つ目は、プライベートブランドから生まれたという点です。新規事業立ち上げの際のブランディング構築にお悩みの方に役立つことができれば幸いです。

無印良品のブランディングのポイントは完璧なポジショニングと理念に沿ったアウトプットです。ぜひこの点に着目して読んでみてください!


無印良品のDefine~ブランドの核となる方向性を整理し、定義する~

無印良品はどのようにして出来上がったのでしょうか。「無印良品」立ち上げに携わった相澤裕子さんはブランド立ち上げに際して「コンセプト9割、アクション1割」ということを大切にしていたと述べています。いかに、コンセプトを大事にされていたのかということがわかるでしょう。では実際、無印良品のコンセプトはどのようなものなのでしょう。


無印良品のコンセプト

無印良品とは「しるしの無い良い品」であると定義されています。
簡潔で気持ちのいい低価格商品を生み出すために、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの原則を設立当初から今までずっと重視してきました。
無印良品の面白さであり、愛される所以とも言えるのは「これがいい」ではなく「これでいい」と思える商品作りを目指している点です。なぜ、無印良品は「これがいい」と思わせる商品作りを目指さないのか、以下のように述べています。

「これいい」→微かなエゴイズムや不協和が含まれる
「これいい」→抑制や譲歩を含んだ理性による決断

無印良品は「これでいい」を目指す。
諦めや小さな不満のある「これいい」

明晰で自信に満ちた「これでいい」

これでいいの中にある不満要素を最小にし、
明晰で自信に満ちた「これでいい」という決断をしてもらうことを目指す。

無印良品の「これでいい」の理論

「これがいい」と思わせる、他と少し違った商品を目指すのではなくて、「これでいい」と思わせる商品の中の最高傑作を目指しているのが無印良品と言えるのでしょう。

さらに、このコンセプトは現代の市場におけるベストなポジショニングにつながりました。

無印良品のポジショニング

現代の社会では安い商品を大量に作る技術が生み出され、質は少々劣るものの、安い商品を売り出す企業や、高い技術力や芸術性の高さを持つ高級ブランドとして生き残る企業が多い中で、その中間を良い塩梅で目指す無印良品は、他に類を見ないポジションを確立させ、成功しているのです。


無印良品のDesign 〜ビジュアルアイデンティティをデザインする〜

では、コンセプトにとことんこだわる無印良品は、コンセプトをもとに、どのようなアウトプットをしているのか、見ていきましょう。

理念に沿ったアウトプット

無印良品は「普遍」と「必然」を集めることをコンセプトとしているために、製品は誰かの著作ではないと考えます。そのため、製品デザインに関わったデザイナーを基本的には公表しません。実際、ホームページや店舗でもデザイナーの紹介などは一切行われていません。

unsplash by charlesdeluvio

目立った主張がないのに、一目で無印良品だとわかる理由

また、ブランドイメージを保つために、徹底した開発プロセスを踏んでいます。無印商品らしさを維持するために外部デザイナーで構成された「アドバイザリーボード」が存在し、開発段階で何度も「無印らしさ」が保たれているかチェックする仕組みが存在します。彼らは月一でミーティングするのですが、そこでは具体的な意思決定などが行われるのではなく、暮らしの中で感じたことや、世の中の風潮、問題意識を共有し、製品が目指すべき方向性などが決められるそうです。

このような、理念に基づいたアウトプットにより、時代に左右されない普遍的なプロダクトを開発しているのです。

無印良品のDeliver ~ブランドを世界中に届ける~

無印良品の絶対的な価値となるコンセプトを定め、徹底してそのコンセプトに基づいてデザインされた製品やサービスはしっかりと顧客に届いているのでしょうか。

感情に訴える

無印良品の広告で一貫して行われているのは、共感性を土台としたメッセージの発信です。商品の機能性の高さや値段の安さを強調するのではなく、「なぜこの商品を開発したのか」「なぜこのような素材を使うことにしたのか」といった、商品誕生の「理由」や「ストーリー」を説明するような方法で宣伝を行っています。これにより、顧客は無印良品の理念やコンセプトを理解し、それに共感することで、商品を購入するという流れを作っています。この流れによって、無印良品はロイヤルティの高い顧客を獲得しているのです。


生活者と「会話」する仕組み

無印良品は生活者の日々の課題に寄り添うことを重要視しているため、たくさんの顧客の意見を取り入れようと努めています。例えば、無印良品のファンから作って欲しい商品や既に販売している商品の改良の意見などができる「IDEA PARK」というプラットフォームが用意されています。ここでは、2年間で1万件の意見が入り、200もの改善や商品化につながった。常に顧客とのやり取りが行われているそうです。


人と人とのつながりを持つ

無印良品には「MUJIpassport」というアプリケーションサービスがあります。このアプリは顧客をもっと理解したいという思いから作成されました。MUJIpassportの面白い点は、商品を買った金額だけでなく、無印良品のお店に訪れたり、Web上にレビューを投稿したりするだけでもMUJIマイル(ポイント)が貯まる仕組みになっている点です。このアプリにより、無印良品は顧客のニーズをより引き出すことに成功しました。競合他社と比べてもダウンロード率やMAU率(アプリを1ヶ月に1回でも利用したことがあるユーザーの割合)が高くなっていることからも、このアプリサービスが成功していることが伺えます。

https://www.muji.com/jp/passport/

まとめ

無印良品が愛される理由は、しっかりとした理念やコンセプトをもち、ブランディングを一貫して保ち続けている点にあるのだということがわかったのではないでしょうか。

成功企業のブランディング事例シリーズでたくさんの事例を知ることで、ブランディングに関する知識やアイディアを蓄えることにつながります。本シリーズの他記事にも興味がある方は、こちらからご覧ください。

ZeBrandはブランディングに関して、戦略構築からアセット作成まで一括で管理することのできるブランディングプラットフォームとなっております。ブランドガイドラインの作成や各種SNS用テンプレートの作成なども可能です。ご興味ありましたら、お問合せください。

参考:
https://www.muji.com/jp/about/
https://www.muji.net/message/future.html
https://cbo-media.com/lab/muji-concept
https://manamina.valuesccg.com/articles/1733
https://client.freeconsultant.jp/blog/b29_brand_tachiage_pro
https://business.nikkei.com/atcl/report/16/111600084/112900004/?P=2
https://catch-a-wave.com/catch-a-blog/mujirushi-branding/#:~:text=%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E3%81%A7%E3%82%82%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB%E3%80%8D%E3%80%8C%E3%83%8E%E3%83%BC,%E3%82%92%E8%A8%B4%E6%B1%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://yapp.li/magazine/1051/
https://shopforce.jp/blog/1931/
https://manamina.valuesccg.com/articles/1733
https://www.shopowner-support.net/glossary/framework/muji/