新体制 小田切カターレの初陣

1年半以上続いた石崎体制に終止符を打ち、新しい指揮官の元での昇格を目指すカターレ富山は讃岐と対戦。

新体制になって何が変わったのか?まずフォーメーションはこのようになった。

前節の富山のフォーメーション


今節のフォーメーション

チームの核である川西を変え、ボランチも今シーズン試したことの無い陽次、柴田のコンビ、左WBの安藤をトップ下に置いてきた。
なんと言っても4バックへの変更は驚いた。
正直次シーズンまでの繋ぎと思っていた小田切監督はいきなり自分の色を出してきた。

基本ベースは石崎サッカー

ボール保持に重点を置かず縦に速く、裏を狙う。相手ボールになればプレスをかける。
これは今までのと変わらない。
しかし4バックにし2ボランチにしたことでより前に重心をかけてボールにアタックできるようになり弱点であったアンカー脇も克服した。
なにより攻撃時の課題

・サイドのパンチ力のなさ
・ポゼッション時の組み立て

この2つはフォーメーションのマネジメントで少し改善が見られた。

小田切監督が手を加えたのは

①サイドでの松岡、マテウス起用によりサイド攻撃を充実させた。
②爆発的なスプリント力の安藤をトップ下(シャドー)のように起用し機動力を上げた。
③陽次をボランチ起用し、ポゼッション時の改善

①に関しては中央だとロストが多かったマテウスを本来の適正ポジションで起用したことで良さがより発揮された。
松岡は中央、サイドの張った状態両方でのプレーがインサイドハーフの時より自由に行えるようになり持ち味が発揮できた。
ということだと思う。

マテウスがサイドでボールをキープし起点となるシーン。
サイドから中へドリブルし

サイドチェンジ。

サポートにきた柳下が中に入り、大外を松岡がとる。
ここから1点目は決まった。マテウスが中へドリブルした時に逆サイドの松岡が大外へ貼っていたのがポイントで、その後サイドチェンジを出したマテウスは中へ入りクロスを頭で合わせた。サイドの役割がしっかりハマったシーンだったと思う。

縦パスを入れれる陽次

陽次がフリーでボールを持っているシーン。
陽次の体の向きはサイドに出す向き。

外に体を開いておいて中へ縦パス。(ヤットさんかな?)

先程ワイドに張っていた松岡もこのシーンではハーフスペースでボールを受ける

前を向ければ一番危険な背後のスペースが大好物な裏抜け職人の高橋が裏抜け。

キーパーとの1体1!惜しかった。

このシーンでは松岡が先程のシーンと違い、ハーフスペースで受けておりこのターンとスルーパス。
ハーフスペースでもサイドの大外でもプレーできる松岡の強みが光ったシーン。
それと陽次の急所を着く縦パスもえぐかった。

このシーンでもサイドに体を向けながらも

中へ縦パス

所々に年齢とともに熟練味を増した陽次のテクニックが光っていた。


サイドのビルドアップ

4バックのチームにありがちなのはサイドバックが低い位置で張ってそこにボールが出るとハマってしまうこと。
前の長野戦の記事でベンホワイト、冨安の話で説明したが4バックのサイドバックは低い位置で張ってはいけない。
うちの松本はそれを理解しているシーンがあった。

右に寄ってた林堂、大畑が真ん中でボールを貰う。

松本が少し中でボールを貰うことで外で張っているマテウスへのパスコースが空く。
張りすぎているとサイドの大外レーンに人が被ってしまいパスコースが減ってしまう。

逆サイドの柳下はこれがあまり見られなかった。

このように張るのではなく、もう少し中に入って可変のスリーバックのように振舞って欲しいのだ。

円のようなポジショニングをしてくれれば相手は2バックなので1枚余って持ち上がったり、外に張っている松岡へのコースも空いてくるのでサイドバックは低い位置で張らず
中へ入ってほしい。

今節の結果をみて

初陣としては大成功だったと思うが、後半は攻められ続けてたこと。
カウンター時のパスミスでボールを手放してしまっていたこと。
など課題はまだあるが、DFラインが下がりすぎず出来ていたことは悪くないと思う。
守備時は4-4-2
Twitterでは5バックになると言っていた人もいたがそれはおそらく松岡がマンツーマン気味に相手のWBについて行き過ぎたせいでそう見えただけで本当はゾーンで柳下に受け渡せば良かったと思う。
それでも前よりDFラインは下がりすぎてないのでこれを維持しつつ
このチームで先に先制できないシチュエーションの時、ボールをより保持しなければ行けなくなったときにこそチームの真価が問われると思う。
今でてないメンバーといい競争が生まれ、より見ていて楽しいサッカーが見られることを期待したい。

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