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イタリアの空を軽やかに纏って

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私が人生の中で一度は所有したいと思っているクルマは、今のところ2つあって、その1つは2シーターのオープンカーだ。

年間で何日あるかわからない、オープンカーが気持ちいい気候の日のために他の何もかもを捨て、しかも2人しか(荷物を積もうと思ったら1人しか?)乗れない、完全なる道楽の乗り物である。
無駄でしかないのだけど、無駄は余裕であって、どこかに無駄は必要なんだなと思う。

そしてもう1つは、ミントグリーンのクルマである。
最近のボルボのムーミンみたいなミント色や、ダイハツ ミラ トコットのカラーリングなんかも好きで、みんな親しみやすい、ピースフルなキャラクターをしているなと思う。
近所の駐車場にミントグリーンのFIAT 500がいて、艶やかなメッキと、フェンダーのバッジに赤白緑のイタリア国旗を纏って、ちょっとオメカシした背伸び感がありつつ、肩肘張らない自然さがいいなと思っていた。

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FIATといえば、そういう身近な親しみやすいキャラ、というイメージだったので、模型店の飛行機コーナーで見かけて驚いた。
「そういえば、飛行機も作ってたんだ」。
しかも、サッカーイタリア代表のアズーリを思わせる鮮やかなブルーで。

「フランスはルノーを持っているが、フィアットはイタリアを持っている」という言葉があるように、実はフィアットはイタリアを代表する大グループだ。
傘下にフェラーリやマセラティ、アルファロメオ、ランチアといった名だたるブランドがあるおかげで、フィアットは庶民のクルマ造りに専念している。

アズーリのようなスーパースターではなく、親しみやすいキャラで。
そう、あの近所の500のように、ミントグリーンとイタリア国旗で、ちょっとだけオメカシして仕上げてみよう。

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できあがった姿は、さすがイタリアといいたくなるような軽やかさだ。ノーズがあって、インテークがあって、丸みのあるコンパクトな胴体から翼が生えて。
いたってシンプルなジェット機のシルエットで、それでいてイタリア国旗の赤白緑をサラリと着こなしてしまう。

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キットは、左右割りの胴体で2パーツ、主翼は上下一体で1パーツ、尾翼を左右貼って、たったの5パーツで「士の字」になる。
フィアットの親しみやすい雰囲気と、タミヤの1/100シリーズの組み味は相性ピッタリだった。

飛行機、特に戦闘機は、日常で触れることのない「遠いモチーフ」だ。
今回は、カラーリングを手掛かりに、飛行機と自分の間にある繋がりをたぐり寄せて仕上げてみた。
フィアットは、イタリアの空を軽やかに纏って目の前に現れてくれた。

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タミヤ 1/100 コンバットプレーンシリーズ イタリア空軍 フィアットG.91 プラモデル 61610 https://www.amazon.co.jp/dp/B00061HHMW/ref=cm_sw_r_cp_api_i_GYb-EbDJJ3TDQ

私のトリノ物語: 人がクルマと生きる街で (CG BOOK) https://www.amazon.co.jp/dp/4907234163/ref=cm_sw_r_cp_api_i_uZb-EbVPDGNJH

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