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カツ・ワンソー魔法少女説に関する考察

はじめに

 カツ・ワンソーが何者であるのか。
 それはニンジャスレイヤーのストーリーにおける最重要課題の一つであり、ニンジャヘッズの議論の的にもなっている。
 偉人説、宇宙人説、特異点説、別世界人説など、様々な仮説が検討されているが、未だ決定的なものは見つかっていない。

 さて、今回俎上に載せたいと思っているのは、「カツ・ワンソー=魔法少女説」である。
 ごく一部の狂人……もとい、有識者の間では、ニン魔同祖論がまことしやかに囁かれている。
 ニンジャと魔法少女の共通点は予想以上に多く、この二種は祖を同じくするのではないかという仮説である。

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著名なニン魔同祖論者であるバ罹患氏の提言

 多くのニンジャ学会では一笑に付される論題だが、改めてこの仮説を検討した者は今までいるだろうか。
 今回は、カツ・ワンソー=魔法少女説の真実性について、その可能性を探っていきたいと思う。
 まず、第一章では、議論の前提となるカツ・ワンソーの基本的な情報についてまとめていきたい。


1.カツ・ワンソーにまつわる基本情報

 カツ・ワンソーはニンジャ神話の中心となる人物であるにも関わらず、現在まで残された情報は非常に少ない。
  「かつてこの世界に、ニンジャはカツ・ワンソーしかいなかった。彼は  全ニンジャの祖であり、ニンジャにとってのニンジャ存在、すなわちヌ  ンジャであった」
とされており、ニンジャの祖であることは間違いないのだが、だとすればワンソーがなぜニンジャとして忍殺世界に現れたのか、そもそも忍殺世界の住人だったのか、なぜ他人をニンジャにしていったのか、何もかもが謎である。
 そもそも「彼」と記載はされているが、憑依ニンジャすら自らの姿形を大幅に変化ができる以上、そもそも性別という概念がワンソーに当てはまるのか不明である。
 その目的も不明であり、「カツ・ワンソーのカラテの前に敵は無く」という記述から、ワンソーも何かしらの敵対者と戦うことはあったと思われるが、モータルがその相手とは考えにくく、ニンジャ大戦が特筆すべき事項として挙げられている以上、弟子筋のニンジャと頻繁にカラテしたとも思えない。
 また、ワンソーの内面を探るような史料も乏しい。
  「カツ・ワンソーは様々な要素が渾然一体となった存在で、ある時は風  のように穏やかに弟子にインストラクションを授け、ある時は林のよう  に奥ゆかしく自らの非を認めてケジメを行い、ある時は火のごとく猛り  狂ってニンジャや人間を殺し、ある時は山のように威厳に溢れた姿でザ  ゼンしていたという」
という記述はあるものの、そもそもこの記述はワンソー自身ではなく、直弟子のフー・リン・カ・ザンの四ニンジャの行状がワンソーに仮託されたものではないかという疑念がある。
 ハトリ・ニンジャを中心とする勢力が「カツ・ワンソーを、生かしておいてはならぬ邪悪な存在とみなし」叛旗を翻したのがニンジャ大戦の原因として挙げられているが、そもそもハトリらも現在のモータル中心の価値観からは善悪を判別し難い存在である。
 彼らがワンソーを邪悪と見なしたからといって、現代の価値観でワンソーを邪悪なニンジャの親玉とするのは早計である。
 極端な話、「火のごとく猛り狂ってニンジャや人間を殺し」というのは悪人に制裁なのかもしれないし、古代文明の操縦もモータルとニンジャの間のバランスを取る行為であった可能性すら考えられる。
 また、ニンジャ大戦時のワンソー勢力のモータルに対する横暴は、現在「ザヴとシルバーキーの偉大なる冒険」で描写されている所だが、軍勢の末端が現地民に蛮行を働くのはニンジャのみならずモータルの時代でも散見されることであり、ワンソー側の軍勢の横暴がすなわちトップの思想を反映しているとは限らない。
 ワンソー復活のために暗躍したマスター鶴亀コンビにしても、彼らは超自然的なロボットめいた存在であり、作中の言動から、主の復活を最優先させるプログラムの元、動いていると推測できる。
 彼らが他者の人情や感情を考慮するわけがないのは自明の理であり、彼らの行状をもってしても、ワンソーの思考は断言できない。
 そして、未だ本編にワンソーが直接降臨する機会は無いが、その影的存在であるサツガイやゾーイも、ワンソーそのものを反映しているわけではない。
 そもそもワンソーが邪悪の化身なら、ゾーイも到底今のような性格ではないだろう。


ニンジャ神話には、ワンソーが出てくる記述がわずかながら存在する。
カツ・ワンソーのケジメされた小指が、三種の神器の原料として利用されているのは、本編で起こった数々の出来事から明らかである。
いったい、何が原因でケジメに至ったのかは謎であるが、少なくとも、ワンソーはケジメを行うべき事態が発生しても自分を例外とはしなかったことが分かる。
少なくともケジメ事件の頃、ワンソーが自分で定めたルールに自分も従う、真っ当な価値観の持ち主であったことは、間違いないと言っても良いだろう。
また、伝説ではあるものの、ハトリ・ニンジャがアイサツの掟についての意見をワンソーに進言し、コブラ・ニンジャがアンブッシュの掟の緩和について、ワンソーに上申したことも見逃せない。
ワンソーはアイサツの掟自体は尊重しつつも、コブラの意見を聞き入れ、それを改正することにした。
ここから分かることは、ワンソーは理不尽な暴君と思われていたのではなく、目下の意見であっても、それに理があれば受け入れ、それが衝突した時には調整する器量を持つということである。
また、コブラ・ニンジャがワンソーの元を訪れた際、面会の約束をせず突然押し掛けたり、アンブッシュの実技をワンソーを見せたりした逸話が無いことから、ワンソーが目下とも快く面会し、象牙の塔にこもるような性格ではないと思われていたことが分かる。
これらの僅かな逸話からは、ワンソーがニンジャの祖としてふさわしい威厳と器量を持っていたことが伺える。
ハトリらの「生かしておいてはならぬ邪悪な存在」という言葉が正しいならば、それは相当な内面的変化無しには考えられない。
そもそもハトリはワンソーの片腕的存在として仕えており、その進言も受け入れられ、ニンジャ社会を貫く常識の一つとなり、大いに面目を施している。
そのハトリが「邪悪」とまで断言する以上、ワンソーに何らかの変化があったか、あるいは弟子達にも隠匿する何らかの秘密があったのかもしれない。
なお、シノビ・ニンジャがワンソーを狙い返り討ちにされたという逸話もあるが、これもニンジャ学者からは説話じみたものではないかと推測されている。

ところで、漫画版ではハッポースリケンの意匠をあしらったゴリラの如き巨漢が、ワンソーの姿として描写されている。

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 原作者や翻訳チームの監修を受けた漫画版のスタイルは、決して無視できる存在ではないが、ゴリラめいた巨漢はアメコミにおける典型的強者表現(サノス・ダークサイド・アポカリプス・サノサイドなど枚挙に遑がない)であり、ニンジャ多様性の観点からも、これがワンソーのヴィジュアルイメージと決めつけるわけにはいかない。

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上からアポカリプス・ダークサイド・サノサイド

 以上の通り、ワンソーの人となりや思想を知る手がかりとなる文献史料は、残念ながら十分遺されているとは言い難い。
 もちろん、今後の展開次第ではワンソーの仔細について知る機会もできるかもしれないが、現時点では不可能である。
 では、ワンソーをこれ以上分析する方法はあるのだろうか。
 実在の人物なら考古学的史料を用いる手があるが、ワンソーは架空の人物であり、どこの遺跡を掘り返してもワンソーの遺物が発見されることはない。(作中ではワンソーのソウルが抜けた遺骸は地上に残されていたが、その後どうなったのか不明である)
 しかし、架空の人物ならば、そのモチーフとなった存在を分析する手が存在する。
 創作作品は過去の名作のエッセンスを脈々と継承し、オリジナリティを花開かせるものであり、ニンジャスレイヤーという作品も多くの創作の影響を受けていることは、論ずる必要もないであろう。
 カツ・ワンソーというキャラクターもその例外ではなく、その姿は多数の創作作品からの影響を思わせる。
 例えばその死の有様は、冥王サウロンがギル=ガラドとエレンディルに討たれたシーンを想起させ、ハッポースリケンはエターナルチャンピオンシリーズやウォーハンマーシリーズの混沌の象徴と重なる。

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漫画版の姿がアメコミゴリラ強者そっくりなのは先述した。
 それらワンソーのモチーフの中で、彼の正体に迫るものは存在するのか。
筆者が注目するのは、吸血鬼の祖カインである。


2.仮面とメンポ――ニンジャはドラキュラだった!―――

 紹介記事にニンジャスレイヤーに大きな影響を与えたTRPGとして挙げられていたタイトルとして『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』が挙げられていたのは、記憶に新しい。
 実際の所、ニンジャにまつわる諸設定に影響を与えたのではないかと思われる部分が少なからず見受けられる。
 この章では、それらの類似点について、列挙してみたいと思う。

 ヴァンパイアは超自然的な力を持つ夜の生き物であり、人間からは御伽噺の存在と思われている。
 ヴァンパイアの多数派はこのイメージを利用し、人間から正体を悟られないよう掟を定め、人間社会の裏側から陰謀を行使している。
 ヴァンパイアは氏族(クラン)を持ち、それぞれ祖となるヴァンパイアがいる。
 氏族の中でも有力な13氏族は、ノアの大洪水以前からヴァンパイアになった者達を氏族の祖とするが、より下位の世代を祖とする氏族も、広く認められたわけではないが存在する。
 また、主要種族の祖も現在では姿を消し、下の世代に氏族の指導権を譲渡したり強奪されたりしている。
 ヴァンパイアの持つ超能力=訓えは、氏族独特のものと、ヴァンパイア全体に共有されているものがある。
 例えば、ギャンレル氏族は、自らの原始的本能を理解し制御する《獣心》という氏族独自の訓えを持つことができ、また、他の氏族も使える、自らの身体を強靭にする《頑健》も持つことができる。
 ヴァンパイアは自らがヴァンパイアに変えた者と疑似的な親子関係を結び、ヴァンパイア社会での生き方や能力の使い方を教え込むのが慣例とされる。
 ヴァンパイアは本能じみた"内なる獣"を内面に持ち、また、その荒々しい獣を押さえるために、ヴァンパイアになる前の人間性を精神の柱とする者もいれば、人間の心理とはかけ離れた怪物じみた信念を奉ずる者もいる。
 神話の存在が遥かな未来に蘇り、終焉の時を迎えるという伝説が存在する。

 もちろん、ヴァンパイアとニンジャには異なる点も多々あり、安易にイコールで結ぶことはできない。
 例えばヴァンパイアは人間をヴァンパイアに変える簡単な手段を持つが、ニンジャはカラテを始めとする高度なトレーニングと儀式を必要とする。
ヴァンパイアは滅ぶと灰になるが、基本的に爆発四散はしない。

 ともあれ、『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』におけるヴァンパイアの存在とその社会は、忍殺世界におけるニンジャのあり方と呼応する部分が少なからず見受けられるのは確かだ。
 では、ヴァンパイアの祖カインとは、どのような人物なのか。
次章ではカインとワンソーの不気味な符合について記述する。


3.だれでもワンソーを殺す者は、三倍の復讐を受ける――第一殺人者とヌンジャ―――

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最初の殺人者カイン

  まず前置きしておきたいのは、『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』などの諸作品を内含するワールド・オブ・ダークネスシリーズは、TRPGのみならず、非常に多数の関連作品が発売され、それらの中には矛盾するものも少なからず存在する。
 しかも、カインのようなヴァンパイア伝説の中心的人物の過去は、作中世界にもおいても諸説入り乱れている。
 カインの現状もカイン死亡説・生存説・解脱説・タクシー運転手説など多彩である。
 私も全てを把握したわけではなく、とんでもない後出し設定が隠れている可能性はある。
 以下で述べるカインの伝説は、非常に大まかなものであり、詳細は実際の関連書籍を確認して頂きたい。

 ノドの書というヴァンパイアの伝説が書かれた書物(未来予言なども含まれ、忍殺世界の古事記に相当する)によると、ヴァンパイアの始祖はカインである。
 カインは旧約聖書の登場人物で、弟アベルを殺害し、神の呪いを受けて世界を放浪することになった人物である。
 ヴァンパイア世界では、カインは神の呪いを受けてヴァンパイアとなり、三人の人間をヴァンパイアに変え、王国を作ったものの、神の洪水で都を潰され、また放浪するようになった。
 カインは自分の孫世代まででヴァンパイアへ変えることを禁止したが、カインがいなくなったため、それは守られず、暗に陽に争いが始まり、ヴァンパイア社会は混迷を極めていくことになる。
 伝説では、洪水以前から存在していたヴァンパイアがいつの日か復活しまた、カインも帰還し、全ての子孫を裁くとされている。
 この「怪物的存在に伝わる終末伝説」も忍殺世界に影響を与えている可能性が高いが、それはひとまず置いておく。

 吸血鬼に伝わるカインの伝説は、手短にまとめると以上のようになる。
しかし、この伝説が本当に正確なものであるか、という点には疑念がある。
 カインが王国を築くまでの経歴を保証するものは何も(正確には放浪中にアダムの最初の妻リリスに助けられたと言い伝えられているが、彼女はカイン以上に謎が多い)ない。
 実際、カインの説話は嘘であると示唆する関連作品も存在するのだ。

 ここでカツ・ワンソーのニンジャ名鑑を思い出していただきたい。

  「◆忍◆ ニンジャ名鑑#100 【カツ・ワンソー】 ◆殺◆
  最古のニンジャ。チャドーの祖。その名は古事記の中でも秘密めかして  語られている。
  ニンジャ神話によるとデウカリオンの大洪水と同時期に生まれたとも」

 そう、ワンソーは神の起こした大洪水と共に生まれた存在なのである。
 神の洪水で全てを失ったヴァンパイアの祖と、神の洪水以前から存在していたニンジャの祖。
 ワンソーの伝説は大洪水を一つの契機としており、彼がヌンジャとなったのも、この洪水が深くかかわっているのではないかと推理するのは、決して荒唐無稽とは言い切れないだろう。
 また、あるニンジャ伝説では、「最初期のアーチ級リアルニンジャたちは、大洪水の時代より前にワンソーの怒りを受けて一度滅びており」とも言われている。
 そして、カインとワンソー、二人は大洪水以前の記録が存在せず、カインは恐らく自身で語った伝説、ワンソーはそもそも自身の由来を語っていない。
 これが果たして偶然の一致だろうか。
 どれが真実なのかは曖昧模糊だが、一つ言えるのは、カインとワンソーの事績はあまりにも似通っている。

 仮説にすぎないが、ワンソーはただ弟子のニンジャを指導しただけではなく、何らかの存在とカラテを交えたことが示唆されている。
 ワンソーは洪水以前に存在した知識を用い、それまで世界に存在したニンジャ以外の神秘を駆逐し、カラテを忍殺世界のミームとしたのではないだろうか。
 吸血鬼や人狼やエテル操作術といった、我々の世界でオカルトと扱われる事象がニンジャに組み込まれているのは、ワンソーがそれらのミームを屈服させ支配した証ではないだろうか。

 さて、ここまでの議論はカツ・ワンソーとカインの共通点を探ってきたが、未だカツ・ワンソー=魔法少女説についてはピースが足りない。
 カツ・ワンソーと魔法少女を結び付ける鍵、それは"Exalted"である。


4.忘れもしませぬ あれはワンソーがセーラー戦士だった頃――Exalted――

 魔法少女を語る上で外せない作品の一つである美少女戦士セーラームーンは、1980年代のスピリチュアルブームから広まった前世戦士の流れを汲む作品である。
 主人公月野うさぎは、前世において月の王女セレニティであり、また遥か未来のクリスタル・トーキョーの女王ネオ・クイーン・セレニティとなるべき人物である。

 超古代文明において、現代人の想像を絶する闘争が行われていたのではないかという創作作品は多く、TRPGジャンルにおいてもそれは同じである。
 その中で、『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』の属するワールド・オブ・ダークネスシリーズには、"Exalted"という作品が存在する。

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恐らく日本に数冊しかないであろう第二版の実本。これを手に入れた経緯は一つの冒険だが、本稿には関係ない

 この作品は、大洪水以前より昔、あるいは遥かな未来であるAge of Sorrowsと呼ばれる時代、神の力を受け継ぐ代理戦士Exaltedの活躍を描いている。
 少なからぬ魔法少女は、超自然的存在から後天的に力を与えられ、その力を行使することで魔法少女として活躍する。
 Exaltedもまた、それら後天性魔法少女の創作的血脈に連なる存在である。

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Exaltedは実際ニンジャ

 その後の方針転換(単独で売れたので過去作品とのリンクを重視する必要が無くなった)ものの、当初は過去のワールド・オブ・ダークネスシリーズの諸作品に繋がる伏線が張られていた。
 例えば、 Exaltedの一種Lunar Exaltedは人狼を筆頭とするシェイプシフター種族に類似している。
 他にもSidereal ExaltedやDragon-Bloodedは魔術師に近いとされている。

 さて、Exaltedの主な敵となるのは堕落したExaltedであるAbyssal Exaltedである。
 アルシャードの奈落やダークレイスを連想すると分かりやすいだろう。
 Abyssal Exaltedは数々の強力な恩寵を主であるDeathlord(彼らも最初の世代のExaltedが堕落した姿である)から賜い、強力なアンデッドの軍勢を使役することができる。
 そして、Abyssal Exaltedの力の源は血肉である。
 DeathlordやAbyssal Exaltedは死の力を行使し、血肉を貪る存在である。
 都合よく、13体いるDeathlordは全員の名前が明らかになっていない。
 シナリオ製作者に配慮したTRPG設定でよくある流れだが、このことなどを傍証に、もしも、カインの出自がこのExalted世界に由来するものだとすれば、Abyssal Exaltedやその主Deathlordにカインが含まれていたのではないか、と推察するファンもいる。
 ちなみに、Exaltedの元ネタには、日本の『獣兵衛忍風帖』も挙げられており、ニンジャと前世戦士の呼応を物語っている。

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 Deathlordの震撼を禁じ得ない姿

 もちろん、公式にカインと"Exalted"が結び付けられているわけではないが、この説は、カインがどこから来た存在で、なぜヴァンパイアという概念をワールド・オブ・ダークネス世界に持ち込むことができたのかという説明にはなる。
 そして、魔法少女=前世戦士=カイン=カツ・ワンソーの流れが繋がった時、カツ・ワンソー魔法少女説は決して荒唐無稽なものではなくなる。
もちろんカツ・ワンソーが魔法少女と決まったわけではないが、ワンソーがニンジャに至るまでに存在したあらゆる自らの痕跡を消去した超自然的存在である可能性は、決して否定しきれないものだろう。
 ワンソーは魔法使いなのかもしれないし、宇宙人なのかもしれず、混沌の神の一柱なのかもしれない。
 しかし、カツ・ワンソーが魔法少女であることを一笑に付すことはできない。
 ワンソーは洪水以前の歴史において、超自然存在のありふれた一体であったかもしれないのだ。
 あるいは、彼が世界にニンジャを巡らせたのは、前洪水期の痕跡を完全に洗い清めるためだったのかもしれない。

 我々にできることは、ただ、カツ・ワンソーがハッポースリケンのついたマジカルステッキを懐から取り出すことがないよう、祈ることだけかもしれない。


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Exaltedにはカワイイな魔法少女イラストもあるのでごあんしんください



おまけ:タクシー運転手をしていた頃のカイン

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 一見突飛なようだが、永遠の放浪者であることを定められたカインには、似合いの仕事ではなかろうか

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