Candy Death Squall

　自宅の階段を丸ごと破壊してやったので、なんとか子供どもの侵入は最小限に食い止められた。それでもあの「Trick or Treat...Trick or Treat...」の鬱陶しい声だけは止まない。
　「やかましい！」と叫んでショットガンをぶっ放すと、僅かな間は静かになる。それでもまたすぐに、ゲラゲラ笑いながらフレーズを繰りかえす。
　何が少子高齢化だ。こんなことになるから、子供どもに躾をしろと口を酸っぱくして言い続けたんだ。

　「Trick or Treat！食べさせて、柔らかい肉、クリクリした目玉、湯気の上がる臓物、ピューピュー飛ぶ血液、干からびたちんぽこ」ギャーッと爆発のような笑い声が広がり、手を叩いたり足を踏み鳴らしたりして興奮をアピールする。誰かがウェーっとゲロを吐く。酔っ払いとほぼ変わらない。いや、若さに酔ってるから同じことか。
　ダンダンダンダン！補強された鎧戸を子供どもが殴り鳴らす。野郎、肩車か。

(続く)