ブックレビュー ニーチェ ツァラトゥストラ
今回レビューするのはこちら。
ニーチェのツァラトゥストラです。
みんな大好きのニーチェですね。
ニーチェの代表作というか
もっとも有名なのが、このツァラトゥストラです。
本書は、好き嫌いがハッキリ分かれる本だと思います。
というのも、 殆どが意味深な比喩表現で語られており
初見でこれを理解するのは難しいからです。
あと、論理がボコボコの所などもあるので
まぁ色々と批評されていると問題作と言われています。
アンタは吟遊詩人なのか ってぐらい、 比喩が使われていますから
哲学書というよりは文学書に近いです。
本書のテーマとしては2つあります。
それが超人と永劫回帰です。
前半部分では、超人がテーマになっていて
後半部分では、 永劫回帰がテーマになっています。
まぁかんたんにまとめると
堕落的な人間ではなく、超人を目指しなさい
そして永劫回帰を受け入れられるか と
ニーチェが投げかけているのです。
永劫回帰というのは、 どんな人生であれ
その人生を何度も繰り返す ことです。
ニーチェの人生を見てみると、決していいものとは言えません。
悲劇とも言える人生を歩んでいます。
ニーチェ自信が、ずっとルサンチマンを抱えて
悩み 葛藤し 絶望していたわけです。
だからこそあれだけルサンチマン批判を
するようになったのかもしれません。
さて、本書では超人という言葉が出てきますが。
超人の対義語で 末人があります。
末人とは、一言で言えば 安楽を唯一の価値とする人たちのことです。
ニーチェはそれを否定していて
そうならないために、 超人を掲げているわけです。
ただ困ったことに、超人を掲げているけど
超人に関しての具体的な説明などは一切していないんですよね。
だから、ちょっと分かりづらいというか
あれ超人思想はどこに行ったの? と
読んでいて思うわけです。
ニーチェはあえて、超人の答えを出していません。
つまり、自分なりの超人を見つけていけと
言っているわけです。
文の一節に このように書かれています。
自分を信じてはだめだ。お前たちは自分自身で
自分の道を見つけなければいけない と
言っています。
そして、本書の後半では永劫回帰について
書かれていますが。
ニーチェは、永劫回帰を受け入れられる人こそが
超人になれると 言っているのです。
そこの部分は、結構賛否両論を生んでいる所でもあります。
私も、 超人になりましょうというのは理解できるけど
永劫回帰ありきの超人には否定的です。
永劫回帰については、 いわば仏教と正反対ということですからね。
まぁ、そもそも永劫回帰する前提というのは
どうなの?って感じですよね。
さて本書をレビューするとしたら。 星4か3ぐらいになるでしょうか。
さすがに満点はないですよね。
この本を本当に理解するためには、何度も読まないと
だめでしょうし
他のニーチェの本も読まないと理解が出来ないと思います。
本書だけ読んでも分かりづらく、 逆に間違った理解をしてしまう人も多いと思います。
ですので、 本書を読むんなら
他の 道徳の系譜学など いくつか併用して読まないと
だめでしょうね。
もしくは、ニーチェの解説本などと一緒に読むことを
おすすめします。
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