Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月16日㈬~11月23日㈬】
毎週水曜日更新の当通信ですが、今週は23日の水曜が勤労感謝の日で祭日。いちおうこの通信を書くのも“勤労”なので(なのか?)お休みを頂き、1日遅れの更新となりました。
情報解禁前のネタが多いので、16日から22日までの1週間の出来事で書けることと言ったら、土曜に休日出勤してエアコンの取り換え工事の立ち会いをしたことぐらい。事務所を引っ越して丸2年。ビル自体が築20年以上で、エアコンも当時のまま。かなり老朽化していて効きも悪く、電気代もおそらく高くついているので、契約更新のタイミングに不動産屋を通じて大家さんに「新しいものに取り換えてもらえないか?」とダメ元で頼んでみてもらったら、あっさり受け入れてくれました。2年の間、ゴミ出しのルールを守るのはもちろん、せっせとビルの前を掃除し、たまには共有部分のタイルをデッキブラシで水洗いしたりして、きれいに使っていたおかげでしょう。家賃も遅れたことないし(笑)、優良店子として認められた気分です。…なんて話、需要はないですよね。失礼。
ほかに特筆すべきトピックスがないので、通常の通信から1日はみ出して23日の祭日の出来事。この日は冷たい雨の降る中、横浜まで『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』という、ロシア・ドイツ・ベラルーシ合作の映画を観に出かけてきました。11月11日から公開され、現在のところ関東での上映はキノシネマ立川高島屋S.C.館と、キノシネマ横浜みなとみらいの2館のみなのですが、とある映画館のツイッターのつぶやきを読んで、どうしても観たくなりました。
映画ファンの間ではすでに有名な存在だと思いますが、そのツイッターは、静岡のミニシアター、サールナートホール/静岡シネ・ギャラリーさんのアカウント。日頃から自館で上映する作品をツイッターの140字内で紹介してくださっているのですが、その語り口が面白くて「観てみたい!」と思わせてくれることたびたび。『ペルシャン・レッスン~』はその最たるツイートで、私と同じように「観てみたい!」と思った方がめちゃめちゃ多かったようで、9月7日付のそのツイートは、今日現在で13.9万のいいね!、3.1万のリツイートがされています。元々フォロワー自体も2.3万とファンの多いアカウントですが、リツイートでどんどん情報が広がったのが分かります。あらためて“言葉の力”って凄いな、感じずにはいられません。
当通信でもよく登場する単語に「情報解禁」というのがありますが(今週も冒頭に出てきています)、ネットが最速かつ、重要な情報源となっている今、新作映画を公開するために先ず配給会社が作るのは、映画.comや、映画ナタリー、シネマトゥデイなどのウェブ映画サイトに出るネットニュースのソースとなる、いわゆる“公開決定リリース”。各サイトの編集の方は、その我々が作ったリリースの文章を元に、ニュースの原稿を書き、それを読んだ映画ファンがSNSでつぶやき…という伝播の仕方をして行くワケなので、先ずは「観たい!」と思わせる紹介文を差し出さねばならず、慎重に言葉を選んでリリースを作成していきます。単語一つとっても、ネットニュース、一般映画ファンが今後踏襲して使用して行くであろうことが予想される最初の一歩なので、とても重要です。
そんなことを気にしながら日頃ものを書いているので、前述のサールナートホール/静岡シネ・ギャラリーさんの『ペルシャン・レッスン~』のツイートのバズり方は、羨ましいというか、理想の形というか、夢のようです。そろそろ来年4月公開の配給新作の“公開決定リリース”を作らなければならない時期になってきました。そんな時にこんな内容の日記を書いて、自らプレッシャーをかける結果になっていますが、プレッシャーに負けず頑張ります!
もひとつ。11月23日は、ピエール・エテックス監督の誕生日でした。生きていれば、94才(2016年に亡くなっています)。渋谷シアター・イメージフォーラムでの“ピエール・エテックス レトロスペクティブ”、12月24日からの開催に向けて、誕生日の昨日は、大九明子監督(『勝手にふるえてろ』、『わたしをくいとめて』)、モデルの小谷実由さん等のコメントと共に、今回上映の長編4作品それぞれの素敵な日本版ビジュアルが完成したのでネット上にお披露目しました。レトロスペクティブ全体のビジュアルデザインと同じくグラフィック・デザイナー山田裕紀子さんによるもの。それはそれは、もうキュート♡
エテックスが俳優として出演している3作品(『ここに幸あり』 『汽車はふたたび故郷へ』『皆さま、ごきげんよう』)を含む全21作品を一挙上映する“オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~”も、来年2月に開催されることが発表になりました。こちらも要チェック!
texte de Daisuke SHIMURA