Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【5月1日㈬~5月7日】
5月3日㈮から公開が始まった『ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ』は、おかげさまで好スタート。初日は新宿武蔵野館とシネスイッチ銀座をハシゴして立ち会ってきたのですが、コロナ前に戻ったかのように中高年のお一人様、ご夫婦、カップル、グループのお客様が数多くご来場下さり、「観てもらいたい人にちゃんと情報が届いていたのだな」と、ホッと胸を撫でおろすことが出来ました。欲を言えば若い方にももっと観て頂きたいので、引き続きSNS、ネットを中心に宣伝頑張りたいと思います。
初日の立ち会いを終えて、社員の皆と早お昼を食べようということになりました。こういう流れの時は、たいてい大人数で入り易い円卓のある中華料理屋を選びがちなのですが(本日は総勢6名)、たまには趣向を変えようとシネスイッチからコリドー街に移動。『ミセス・クルナス~』のクルナスさん一家がトルコ人なのにちなんでトルコ料理店をセレクトしてみました。祭日にもかかわらずメインを3種から選べて、スープ、ドリンク付きでリーズナブルな料金設定の“ウィークエンドランチ”もやっていて、私はメインに“ナスのムサカ”をチョイス。なかなか美味かった!真昼間からトルコビール“エフェス”も飲んじゃいました。次回は夜来て、いろいろ食べてみたいです。
皆と別れた後は、1日から“イタリア映画祭 2024“を開催中の有楽町 朝日ホールに、ダニエーレ・ルケッティ監督の『信頼』を観に行ってきました。先週もチラッと触れましたが、ザジの次回配給イタリア映画の情報(特報予告とティザーチラシ)を一足早くイタリア映画祭にご来場になったお客様にお披露目しているので、そのチェックも兼ねて。
チェックしに行って良かった!納品したチラシは2日半で全てハケてしまっており、急遽宣伝のHに連絡して、後半の3日間足りそうな枚数の追加発送の手配をしてもらいました(トップ画像は、朝日ホールのチラシを設置しているテーブル。無事チラシが追加された写真をHが送って来てくれました)。で、映画のほうは、トルコビールが効いてしまって何度か意識を失ってしまい、ストーリーが良く分からなくなってしまいました(バカ)。最終日に再度上映されるから、もう一回観よう…(と思ったけど観れませんでした。残念)。
さて。ここ数週間チラチラと触れていた、そのザジの次回配給作であるところのイタリア映画。それは、現在『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』が公開中のイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督の前作にあたる『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』です。一昨年のカンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門で上映されたのは、その当時情報として知ってはいましたが、私が実際に作品を観たのは去年5月のイタリア映画祭。「買い付け交渉に入るつもりの映画については、観ても当通信では一切触れない」の取り決め通り(“取り決め“なのか?)、私の意志は今日までひた隠しにして来ました(笑)。
以前からインターバルのある、“長尺モノ”の新作を配給してイベント色の強い興行をやってみたい、という気持ちがありました。『天井桟敷の人々』(3時間15分)や『ファニーとアレクサンデル』(5時間10分)のような旧作の“長尺モノ“の配給経験はありますが、新作ではまだありません。当初「朝日ホールの硬い椅子(失礼)での5時間半は辛いなぁ」と思っていましたがオープニングからグイグイと引き込まれ「求めていたのはコレだ!」、観終わった時には、そう確信するに至りました。
早速、イタリア映画祭の作品を選定している朝日新聞の担当のM氏に連絡して、権利元を教えて頂きました。扱っていたのは馴染みのあるイタリアの会社ではなく、主にテレビドラマやシリーズを手掛けるイギリスの制作配給の大手。『夜の外側 ~』は既にテレビシリーズとして、日本のいくつかのテレビ局に営業がかけられていて、先方が過去に劇場配給権を扱うことがほとんどなかったこともあり、交渉には少し手間取りましたが、夏のバカンスシーズン前には、ほぼ大まかな契約条件がまとまりました。
そしてお次はメイン劇場のブッキング。イタリア映画祭の同じタイミングでご覧になったBunkamuraル・シネマ渋谷宮下の編成担当N氏が作品を大変気に入っていらしたのを知っていたので、速攻でBunkamuraさんにお話しを持って行きご快諾頂きました。時期は“一日かけて全編観られるお盆休み“を入れて欲しい、というこちらのリクエストもお受け頂けました。完璧!
今回ビジュアルデザインは、昨年末の“カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol. 2“や、年明けの『ノスタルジア 4K修復版』でお世話になったデザイナー成瀬慧さんにお願いしました。まあ、なんとカッチョいい!これはティザーと呼ばれる前フリの第1弾チラシ。6月後半までには第2弾の本ビジュアルがお目見えする予定ですので、そちらもお楽しみにお待ち下さい。
そしてこちらが“イタリア映画祭 2024”の初日に合わせて作った特報予告。いつもお世話になっている予告編ディレクターの前島誠二郎さんに、短い時間で作って頂きました。スケジュールがタイトだったため、ベースは本国の特報を踏襲しているのですが、日本語のテキストを印象的に挿入して頂き、こちらもカッチョ良く仕上げて頂きました。“特別感“を醸し出すために、一瞬ですが“ザジフィルムズ 35周年記念作品“という文字も入れ込んであります。25周年も30周年も謳ったことがないので、ザジフィルムズ史上初!その文句でお客さんが増えるとは到底思えないのですが、配給側のヤル気を少しでも感じて頂けたら、と思います。
texte de daisuke SHIMURA