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ファンタスティック・プラネット「地上に現存する中で最上級の素材での上映」

臨時ニュースです。
実は今回の『ファンタスティック・プラネット』再映は、
「地上に現存する中で、最上級の素材での上映である」
という事実が判明したのをお知らせします。

いよいよ5月28日㈮より、渋谷HUMAXシネマで『ファンタスティック・プラネット』の上映が始まります。今回の再映に関しましては、既にDCPによる初の上映となることを告知しておりました。昨年12月の同劇場での上映が大好評を頂いたことを受け、「もしまた出来るなら、より良い形で再映したい」という配給、劇場双方の思いから「フランス本国から新たにデータを取り寄せて、DCP化して上映しよう」ということになったのです。

クラシック作品の映像データを取り寄せる際には、その映像データの制作された時期を確認するのは当然のことなのですが(複数回、修復が行われている場合があるので)、ここで情報に混乱が生じました。本国からは「前回供給したものと同じ」と伝えられていたのですが、実は違っていました。今回のDCPの元となった映像データには、「2016年に新たに修復された素材である」と、わざわざ本編の前に明記されていたのです。

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その旨をフランス本国の権利元アルゴスフィルムに伝えたところ、修復を指揮した本作のプロデューサー、故アナトール・ドーマン氏の娘さんであるフロランス・ドーマン氏から、2016年の修復作業の詳細情報を得ることが出来ました。以下、ドーマン氏からのメールの内容をご紹介します。

本作の修復は、パリのエクレール・ラボでオリジナル35mmネガをスキャンして行われました。また、オリジナルのインターポジの一部を使用して、ネガの破損や欠落したフレームを補完しています。オーディオトラックは、フランスのサウンドスペシャリストであるL.E. Diapasonにより完全修復されました。

ローラン・トポール氏のアートワークをベースにした画像のカラーグレーディングと修復は、本作が手描きされたイジー・トルンカ/クラツキー・フィルムスタジオ(Jiri Trnka / Kratky Film Studios)のチェコ人アニメーション作家たちが使用した画法や塗料の多様性とオリジナリティを維持するために、特に慎重に行われました。水彩画、スケッチ、ガッシュなどの手法を尊重し、デジタルで統一されたイメージにすることはしませんでした。
オリジナルの鉛筆のストローク、色のにじみ、その他の創造的な不完全さを慎重に維持し、このフィルムの非常に人間的なクオリティを維持しました。

オリジナルの質感を尊重した、地上に現存する中で最上級の素材であることが、充分に想像できるメッセージでした。この素材を元にして、既に米クライテリオン社からは、ブルーレイが発売されていますが、同じ素材からのDCPでのスクリーン上映は初めて。スクリーンで、最上の形での上映が実現します。『ファンタスティック・プラネット』の世界に思う存分、浸って頂ければ幸いです。現場からは以上です。


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■「ファンタスティック・プラネット」公式HP


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