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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【7月17日㈬~7月23日㈫】

引き続き酷暑が続いておりますが、皆様体調は大丈夫でしょうか?午前中から気温が30℃を超えるのがフツーになってて、出社するだけでもう1日分のエネルギーを使い果たしている今日この頃。こんなことなら、コロナ禍の最中、もっとリモートでの仕事に慣れておけば良かった…と後悔しています(自宅で仕事をすると、掃除始めちゃったり、ご飯作ったり、集中出来ないタイプです)。

7月26日は、いよいよパリ・オリンピックが始まります。“いよいよ”と書いてみましたが、世間的には盛り上がりはどうなのでしょう?さすがにここ数日はテレビでも関連ネタが増えてきましたが、開会式の華やかな映像が流れたり、実際に競技が始まり日本勢の活躍がニュースになって、やっと関心が向き始める感じでしょうか?配給会社に身を置くものとして言わせて頂くと、正直に言って、映画館の客足に影響が出てしまうほど、盛り上がるのはちょっと困ります。特に今回は、オリンピックの会期中8月9日㈮にBunkamuraル・シネマ渋谷宮下『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』がスタートするので無関係ではいられません。フランスとは7時間の時差があるので、さほど影響が出ないことを祈るのみ。どうぞ、日中は暑さを避けてクーラーの効いた涼しい映画館でゆっくり過ごして頂き(340分あるから、半日外に出なくて済みます!)、夜ご自宅に戻られてからのオリンピック鑑賞がよろしいかと思います…(余計なお世話)。

個人的には、スポーツ観戦にはさほど興味のない私ですが、昨夜は私なりにオリンピック気分を盛り上げるために(そのチョイスが正しいか、正しくないかは意見が分かれるところだと思いますが)、一部で話題になっているNetflixのフランス映画『セーヌの水面の下に』を観てみました。

「パリ、セーヌ川にサメが出現。オリンピックの前フリで行われるトライアスロン大会での大惨事は、果たして回避出来るのか?」というサメパニック映画です。いやぁ、これが結構面白かった!夫を目の前でサメに喰われたトラウマを持つサメ学者(ベレニス・ベジョ。なんでこの映画に?笑)、最初は「セーヌ川にサメ?」と信じようとしなかったけど、サメ学者と協力し合って果敢にサメと戦う警察チーム(カッチョ良い巡査部長がほぼ相手役)、サメを保護しようとする環境保護団体の女子(ちょっと過激)、大会を強硬する典型的悪役の市長(百合子みあり)と知事、まあ話の展開はありがちと言えばありがちですが、ハリウッド産の同種の映画とは違って、バンバン犠牲者が出ます。そして最後のほうは、えらいこっちゃ状態…。ご興味持って下さった方は、ぜひ観てみて下さい。ちなみにザジとは仕事的に一切関わりのない映画であることを、念のために言っておきます(笑)。

おっと、サメ映画のことをツラツラと書いている場合ではなかった!今週はビッグなニュースが昨日発表になりました。“ひろしまアニメーションシーズン 2024”が8月14日に開幕し、映画祭の短編コンペティション部門の審査員として(長編コンペは観客賞のみ)『オオカミの家』のホアキン・コシーニャ監督が来日することは、先々週の当通信でお伝えしましたが、今年5月の第77回カンヌ国際映画祭 監督週間で上映された、レオン&コシーニャ監督の新作『ハイパーボリア人』が、映画祭のオープニング作品としてジャパンプレミア上映されることが急遽決まったのです!

ビジュアルは、ウクライナ出身/アメリカ在住のアニメーション作家ナタ・メトルークが担当。

解禁になったニュースの文中、「ザジフィルムズの配給で来年公開」とサラッと書いてあります。そうなんです。既に買い付け済みです。
遡ること4月、プロデューサーからの「新作が間もなく完成します。カンヌの監督週間に出品することになりそう」との報を受けました。その時、蘇った記憶は、2017年の第70回のコンペ外上映だったアニエス・ヴァルダ監督作品『顔たち、ところどころ』のこと。既に何本ものヴァルダ作品を配給してきた身、(買い付け交渉時に、他の会社と争った経験もないので)いつもの通り「現地で観てから、買い付け交渉に入ろう」と悠長に構えていたら、マーケットでの試写後、あれよあれよという間に評判が拡がって、気が付いた時にはうちで買えるような値段では無くなっていた…という苦い経験です。

既に今年はカンヌには行かないことを決めていた私。カンヌの会期中、東京で「今頃、公式上映の時間!評判はどうだろうか?」、「日本のバイヤーは観に来てるかな?」などと気をもむのは精神衛生上良くありません。…なので、映画祭が始まる前に交渉を開始して、開幕前に合意に至っていたのでありました。実際は、今回も一筋縄では行かない作品なので、そんなに慌てて買わなくても大丈夫だったのかもしれません。

先々週お伝えした通り、8月15日には関連企画“ひろしまアニメーション・アカデミー&ミーティング“の「配給成功事例研究:シュヴァンクマイエルと『オオカミの家』」と題したシンポジウムもあるし(ザジからも宣伝スタッフがパネリストとして参加)、“ひろしまアニメーションシーズン 2024”、ますます楽しみです!

来週には『オオカミの家』関連で、もう一つ嬉しいニュースもお届け出来る予定なので、どうぞご期待下さい!!

texte de daisuke SHIMURA



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