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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信8月3日㈬~8月9日㈫】

8月5日㈮、パブリシティを担当した『プアン / 友だちと呼ばせて』が公開になりました。本作の配給のギャガさんが、同じバズ・プーンピリヤ監督の前作、弊社配給の『バッド・ジーニアス 危険な天使たち』ヒットの実績を買って、「宣伝をお手伝い頂けないか?」と声をかけてくださったのが3月。あっと言う間に5ヵ月が経ち初日を迎えました。

新宿武蔵野館ロビー名物の上映作品ディスプレイ。『プアン/友だち~』はバーカウンター!

公開翌日の6日㈯には、来日中の監督がシネスイッチ銀座渋谷シネクイント池袋HUMAXシネマズを行脚して舞台挨拶。映画評論家の森直人さんの進行で3劇場すべてでお客様とのQ&Aも行われ、監督は本編をご覧になった直後のお客様の生の感想を聴けて大満足、お客様も監督の真摯な受け答えに感激している様子でした。

私も銀座の舞台挨拶前、控室で監督にご挨拶させて頂きました。「東京、暑い!」と言いつつ、ちゃんとジャケットを羽織って登壇する、相変わらずダンディーな監督でありました(インスタを見てると『ハッピー・オールド・イヤー』ナワポン・タムロンラタナリット監督もバズ監督も、暮らしぶり、ファッション、めちゃめちゃオシャレです。バンコクのお2人をいつか訪ねてみたい!)。ギャガの方に聞くところによると、キャンペーン中は4年前の来日時と同様、仕事が終わると夜の街に消え、単身バー巡りをしていたそうです。バンコクでご自身も素敵なバーを共同経営されているようなので、マーケティングも兼ねているのでしょうか。『プアン / 友だちと呼ばせて』は、全国18劇場で絶賛上映中。今週末以降も続々と上映館が増えますので、お近くで上映の折にはぜひ劇場に足をお運びください!

さて。ザジの次の作品は、先週当通信で公開決定のニュースをお届けしたアニエス・ヴァルダ監督の『冬の旅』。現在予告編制作の真っ最中で、間もなく完成。今週末からシアター・イメージフォーラムでご覧になれる予定です。加えて、当初は販売するつもりがなかった前売り券も急遽作ることにしました。というのも、公開決定の情報を解禁した際、想像よりも大きな反響を頂いたから。サクッと期間限定で上映するつもりだったのですが、「これは新作の配給と同じように、きっちりやらなければ!」と考えを改めた次第。前売り券は、今週末から劇場窓口で販売を開始します。お買い上げの方には前売り特典としてフランス本国オリジナルビジュアルのポストカードを差し上げます!

サンドリーヌ・ボネールの硬質な美しさが印象的な『冬の旅』オリジナルビジュアル。

今回、31年ぶりの劇場再公開となる『冬の旅』ですが、再公開に至るいきさつは1月の当通信で書きましたので、今回は邦題について。再公開にあたって、原題の“SANS TOIT NI LOI”寄りのものに改題してはどうか?という案が宣伝会議で出ました。『冬の旅』という邦題を付けたのは、1991年の初公開時の配給会社であるフランス映画社さん。シンプルですが素敵な邦題で私は大好きなのですが、たとえば原題のニュアンスを活かして『家もなく、法もなく』とか。

公開当時についていた邦題を改題する、というパターンは稀にありますが、私は最初に付いた題名を尊重したい派です。たとえば20年ほど前にザジで再公開した『二十四時間の情事』も、当時在社して宣伝を手掛けた社員が、「『二十四時間の情事』は今や珍邦題と言われることもあるので、この際原題をカタカタ表記にして『ヒロシマモナムール』にしたい」と申し出があった時も「『二十四時間の情事』は『二十四時間の情事』でしょう!」と断固反対しました。しかし確かに“公開当初、エロい映画だと思って観に来た男性客が多かった”という記事を目にしたこともあるので、最終的に『ヒロシマモナムール 二十四時間の情事』と併記する折衷案を採用しました。しかし今回は「『冬の旅』は『冬の旅』でしょう!」という姿勢を貫きました。代わりに『家もなく、法もなく』はリード文の冒頭に採用しています。

世間はそろそろお盆休みに突入ですね。逆に海外の取引先の担当者は7月からのバカンスを終えて、ぼちぼち仕事に戻り始めている気配です。実は現在、来年公開出来れば…と考えている買い付け交渉中の作品があるので、お盆も通常営業の私です。無事契約がまとまったら休みます!

texte de Daisuke SHIMURA









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