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「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」COMMENT
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「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」COMMENT

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【COMMENT】※敬称略・順不同


『ゲアトルーズ』は、サイレント映画が音を迎え入れた作品として革命的な作品と言えるだろう。
燃えるような熱さと、凍えるような冷酷さの両方をあわせ持ち、その緊張関係が、この作品の美しさとなっている。

             ―アルノー・デプレシャン(映画監督)

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ドライヤーほどいまもって先端的な映画作家は他にいない。
それが証拠に、『裁かるゝジャンヌ』から『ゲアトルーズ』に向けて進化していく、登場人物のあの形容不能で奇妙な「まなざし」が持つ刺激の秘密を、批評でも実作でも解き明かせたものはいないのだ。

                    ―万田邦敏(映画監督)


私たちの現実には一生起こりえないかもしれない「奇跡」に、ある種の映画は軽やかに到達してしまう。
ドライヤーの『奇跡』はまさにその一本である。
しかし考えてみれば映画もまた私たちにとって一つの体験であるのだから、そこに起きる奇跡はやはり本物の奇跡なのだ。

                    ―深田晃司(映画監督)


たとえば『怒りの日』冒頭、〈なにか〉が動きだす。ゆっくりと、すこしずつ、しかし確実に動きだす。
その変化が美しくて、恐ろしくて、艶かしくて……
いや、何といえばいいか言葉にならず、狂おしい。何度みても驚く。

                     ―三宅唱(映画監督)

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ドライヤーの映画ほど、見た後に人間の顔を当たり前のように見れなくなる映画監督はいない。
火葬場で骨が顔を構成している様を見るように、登場人物の顔そのものから目が離せなくなる。
破れ目が見えてくる。まるで向こう側から破れ目を通してこちらに光が差してくるようだ。
                     ―石橋英子(音楽家)


"吸血鬼が日光で腐敗するような一瞬を、永遠の時間に投射するエクスタシー。
ドライヤーは映画に神々しい光の奇跡を発見した。
いつまでもスクリーンで鑑賞されるべき傑作の数々に、ひたすらにため息"。

              ―中原昌也(ミュージシャン・作家)


人間よ、わたしからさようなら。
そんな声が聞こえる。聖女の、魔女の、狂者の、妻の。
カール・テオドア・ドライヤーの映画を観ると、世界に置き去られる。
そこは凍土でありながら、炎が燃えさかるところ。

                     ―五所純子(文筆家)

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瞳に吸い込まれた。ドライヤーの描く女たちの瞳があまりに固有な輝きを放っているから。
彼の映画を観ている間、映画の歴史と複雑な関係を切り結ぶこの自らの女としての身体を、ゆえに私は忘れてさえいられるのだ。

                   ―児玉美月(映画執筆家)


「奇跡」を観るとき、アタシたちは文字通り奇跡を目撃することになる。
劇中で正気を失っている人として描かれる男を見てアタシは確信する。
何かを狂おしいほどに信じることは狂気と紙一重だということ、その美しい信念の輝きに、この映画を通してアタシたちは触れることになる。

                     ―石原海(映像作家)

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