見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【7月31日㈬~8月6日㈫】

本日8月9日㈮、『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下テアトル梅田アップリンク京都KBCシネマで公開され、ル・シネマの初回に立ち会ってきました。お盆が近づいている時期で既にお休みに入っている方も多いかと思いますが、基本的には今日はまだ平日。にもかかわらず、良い感じに席も埋まり、おかげさまで堅調なスタートを切ることが出来ました。明日からの三連休、お盆休み、劇場に足を運んで下さる方がドドッと増えてくれることを祈っています!

パンフレットも完成(トップ画像)。グラフィック・デザイナー成瀬慧さんのカッチョいいデザインで全52ページ、変形B5サイズ(アナログのシングルレコードのジャケットのちょっと小さい版、という感じです)。執筆陣は秦早穂子さん(映画評論家)、四方田犬彦さん(映画誌・比較文学研究)、平島幹さん(ライター・作家)、小柳帝さん(ライター・編集者)。今年2月にローマのベロッキオ監督のオフィスで行われた本作の字幕を担当して下さった岡本太郎さんによる、監督への独占インタビューや、相関図、実際の事件の系譜等、作品をより深く理解するための副読本として、自信をもってお届け出来る充実した内容です。お値段は税込み1,000円です。劇場にお越しの際は、ぜひお手にとってご覧になってみて下さい。

Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下の時計。自宅リビングに欲しい(笑)。

今週は『夜の外側 ~』公開を直前にして、落ち着かない日々を過ごしていたのですが、まだまだ先だと思っていた12月公開の配給作品の宣伝立ち上げのスケジュールが、意外に差し迫っていることに気が付き、いろいろ動き始めました。情報解禁を来月半ばに設定しているので、いつもながら具体的なことが書けず申し訳ないのですが、今回はポスタービジュアルをイラストにしたらどうか?というアイデアが出ていて、ネットをさまよってイラストレーター、画家の方を探して、候補にさせて頂いた方にアプローチして、ご相談している最中です。

外国映画の場合、本国で制作されたオリジナルのポスターのデザインが、日本のマーケットにも適していると思われる場合は、原題の母国語表記を日本語の邦題に入れ替えるだけでそのまま行くこともありますが、日本オリジナルのデザインを制作することが多いのはご承知かと思います。その際は、権利元から供給された宣材(場面写真)の中から、どの画像をメインで使うか、デザイナーさんと相談しつつ決めて制作に入ります。

そんな中、実写映画なのにポスターのビジュアルがイラスト、という映画がたまにありますよね。最近だと濱口竜介監督の『悪は存在しない』は映画の中のワンシーンをイラスト化したものでしたね。ザジのかつての配給作の中では『ナショナル7』というフランス映画(2002年の公開だったので、もう22年前(@_@))もそうでした。障がい者施設を舞台にしたヒューマンコメディなのですが、元々が粗い画像で撮られていて、供給された宣材でビジュアルを作ろうとすると、ドキュメンタリーにしか見えなくなってしまいます。そこでイラストレーターの方に頼んで、登場する複数のキャラクターをイラスト化、にぎやかに配して作品の持つ明るさを表現するよう努めました。

実写映画のビジュアルをイラストにする、その理由は様々だと思うのですが、「良い宣材写真が無かったから、仕方なく」というニュアンスの場合もあるかもしれませんが、「イラストにしたほうが、“作品が持つ世界観“をより伝えられるから」という前向きな理由の場合も多いのではないかな?と思います。前述の『ナショナル7』は両方が理由。今回の場合は後者でしょうか。

しかしその一方で、ポスターがイラストだと「実写映画なのにアニメと勘違いされてしまう」危険性もはらんでいるので、実写映画のビジュアルをイラストオンリーで行くのは勇気がいります。が、『悪は存在しない』のポスターを見て、アニメーションだと思った人は、いたとしても少数派だと思うので気にしないことにしましょう。宣伝時にネットやテレビ、紙媒体に実写の場面写真がどんどん露出すれば、そんな誤解も受けなくて済むでしょうし。

…ということで、9月半ばに予定されている情報解禁で、どんなビジュアルがお披露目されるのか、楽しみにお待ち頂ければ幸いです。

最後に。9月20日㈮公開の配給作『本日公休』と、前述の12月公開作の間に、もう1本お手伝いする映画がありまして、本日ビジュアルと予告が解禁になりました。『THE NOVICE ノーヴィス』という女子ボート競技の世界を描くドラマです。パリオリンピックも大詰めのタイミングでの露出ですが、“スポ根映画”は“スポ根映画”でも、“狂気のスポ根映画“。謳い文句は“ボート競技版「セッション」×「ブラック・スワン」ということで、察してください。

てなワケで、今年夏のザジフィルムズは大忙し。来週は宣伝のSとHがひろしまアニメーションシーズンに遠征します!私は会社でお留守番!

texte de daisuke SHIMURA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?