見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【7月3日㈬~7月9日㈫】

トリエステ出張から戻って来て早1週間。時差ボケに悩まされて連夜細切れ睡眠が続いているのに加えて、このうだるような暑さで身体は絶不調。冷房が効いている事務所でPCに向かっていると、夕方にはもう目を開けていられないほど眠くて眠くて…。そうこうしているうち、ヨーロッパは夏のバカンス・シーズンに入りつつあり、取引先のレスポンスも鈍くなってきました。いったんバカンスに入ってしまうと、再び動き出すのは9月に入ってから、ということになってしまうので、動きが止まる前にいくつかまとめたい案件があって焦っています。焦っても、こちらの思惑通りにサクサク進まないのが世の常なのですが…。

先週から今週にかけては、7月4日に『夜の外側  イタリアを震撼させた55日間』公開前唯一のマスコミ向け試写会、今日11日に『本日公休』のマスコミ向け試写の1回目が行われました。『夜の~』は340分の長尺ゆえ、朝10時半に開映し、40分の休憩を挟んで午後4時50分に終了する、というほぼ1日がかりの試写でしたが、「集中して一気に観たい」という方も多かったようで大盛況。試写後は皆さん、“達成感”に満ちた表情で、満足げに会場を後にされていました。一方の『本日公休』も炎暑にもかかわらず、映画評論家、ライターの方々が多くご来場下さり、「一服の清涼剤みたいな映画だった」とおっしゃって下さった方も!

『夜の~』は気が付けば、8月9日の公開までもう1ヵ月を切りました。昨日はローマのマルコ・ベロッキオ監督のオンライン取材が行われたのですが、ベロッキオ監督は相変わらず超多忙(先週はボローニャの修復映画祭にいたはず)。無理やり捻出して下さった時間だったので、最後のインタビューが終わるや否や、「これから空港!」と言い残すと疾風のように去って行ったのでありました。インタビュー詳細は、公開前後に新聞、ウェブに掲載される予定ですので、公式Xでお知らせします。どうぞお楽しみに!

事務所入口のポスターも『夜の外側~』に衣替え。

さてさて。皆様におかれましては、そろそろ夏休みが来るのを指折り数えて待っている頃でしょうか?うちの会社は全社一斉のお盆休みはなくて、夏の間に各自5日前後取るシステムなのですが、今年は8月9日に『夜の外側~』初日を控え、宣伝追い込みの真っ最中なので、お盆前に休みを取る人はいません。お盆期間中も、元々340分の長尺作品なので「1日かけて映画館に籠ることが出来るお盆休みの時期を含めて、上映期間を設定しましょう」とル・シネマさんと相談して決めていたので、興行的にお盆は勝負ウィーク(笑)。休んだとしても、お客様の入りが気になってしょうがないだろうことが予想されるので、お休みを取るのはお盆明け以降となりそうです。

実は、今年の夏は「『ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ』が大ヒットしたらロカルノ国際映画祭に行っちゃうかな?」と心密かに計画していたのですが、スマッシュ・ヒット止まりだったため参加を諦めた、という経緯がありました(泣)。でも、よくよく考えたら映画祭は8月7日開幕。『夜の外側~』の初週と丸被りだったので行かなくて正解!(強がり) その代わり、今週末から始まるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭に何日か参加するつもりなので、別に悔しくありません(ふたたび強がり)。

未練がましく、一昨日発表になったロカルノのLINE UPをチェックしてみました。コンぺティション作品は、かねてより新人監督の登竜門、とも言われていた映画祭なので未知の監督の作品がほとんどで(ホン・サンス監督作品も入ってますが)、観てみないことには分からないのですが、一方で断然心そそられるのは、ヨーロッパ最大級のスクリーン、最大8,000人が同時に観られる、というピアッツア・グランデと呼ばれる広場での野外上映のLINE UP。5月のカンヌの頃から、「権利関係がクリアになって、やっとセールスが再開されるらしい…」と噂に聞いていた『落下の王国』が8月8日に上映されます。初公開時、宣伝業務に携わった思い出深い映画です。今回の上映にあたって、“Restored Cut“と記されています。上映時間は119分ということで、日本公開時の118分とほぼ変わらないので、再編集がほどこされているのか否かは分かりませんが、4K化されたことは間違いないようです。日本向けの権利は既に売れているのでしょうか?日本でもスクリーンで再見出来る日が来るのを心待ちにしています。

他にも、つい先頃、日本でも再公開されたジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』やオーソン・ウエルズの『上海から来た女』、8月9日にはジャン=リュック・ゴダール監督作『女は女である』の上映もあります!あのピアッツァ・グランデで観る『女は女である』!一体どんな感じなのでしょう!体験したかった!

“死ぬまでにしたい10のこと“ではないですが、ロカルノ国際映画祭、生きて足腰丈夫なうちに、もう一度行きたいなー。

お盆時期、もう一つの注目すべきイベントは、“ひろしまアニメーションシーズン 2024”。1985年から2020年まで隔年で開催されていた広島国際アニメーションフェスティバルの後継企画で、2022年から始まった「ひろしま国際平和文化祭」メディア芸術部門のメイン事業。今年は8月14日から。その映画祭の短編コンペティション部門の審査員として(長編コンペは観客賞のみ)、『オオカミの家』のホアキン・コシーニャ監督が来日。監督を迎えて『オオカミの家』+『骨』、短編プログラム(8作品)の上映も決定しています。

そして、8月15日には関連企画“ひろしまアニメーション・アカデミー&ミーティング“の「配給成功事例研究:シュヴァンクマイエルと『オオカミの家』」と題したシンポジウムに、ザジからも宣伝スタッフがパネリストとして参加します。コシーニャ監督来日レポートと併せて、当通信でご報告出来るタイミングがあれば!

texte de daisuke SHIMURA






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?