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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【4月27日㈬~5月3日㈫】

うちの会社は暦通りなので、今日金曜日は社員の皆、通常通り出社して仕事をしています。ゴールデンウィークも、あとはいつもの週末を残すのみとなりました。アッという間です。

昨日までの3連休、更新出来ない特別な事情があったワケではないのですが、当通信2日遅れの更新となってしまいました。1年以上、盆暮れ正月、祭日も水曜更新をほぼきっちり守って(半日遅れたことがあるぐらい)連載を続けてきたので、万が一「まだかな?」「まだかな?」と複数回訪れて下さった方がいらっしゃったら、大変申し訳ありません。いないか…(´;ω;`)。

ゴールデンウィーク中、何をしていたのか?と言えば、いつも通り映画を観に行ったり、走ったり、友人たちと飲んだり。映画館からの帰宅ランの途中で、背負っていたバッグパックのジッパーがランの振動で左右に開いて、中に入っていた財布を落としてしまった、という悲しい出来事を除いては、平穏に過ごしておりました。警察に届け6日が経過していますが、今のところ財布は戻っていません。入っていたクレジットカードはすぐに止めたので、直接の被害はGW中の資金のつもりでおろしていた現金のみ。あとはTOHOシネマズ等、映画館の会員カード各種とポイントカード諸々だけなので、再発行が面倒なだけで大事には至っていません。現金落としたのは“大事”ですが…(泣)。

気を取り直して(笑)。観に行っていたのは、今年で22回目を迎えるイタリア映画祭。ここ2年はコロナの影響を受け、一昨年は秋に規模を縮小して、昨年は東京での上映はなく大阪の会場とオンラインのみでの開催でしたが、今年は従来のゴールデンウィーク時期に無事開催。座席数600以上の有楽町の朝日ホールで、イタリアから監督やキャスト、関係者が多数来日して華やかに行われていたコロナ前に比べれば、200席に満たない渋谷ユーロライブでの上映は“お祭り感”は乏しいものの、今は“やってもらえるだけ有難い”という気持ちで、せっせと通いました。

日本国内で行われる映画祭で、過去に上映された自社配給作には2通りあって、映画祭後に公開を予定している作品を“招待作品”扱いでプレミア上映して頂いたパターンと、配給の決まっていない状態で映画祭で観て気に入り、その後買付けをして公開に至った、というパターンがあります。大阪アジアン映画祭で言うと、『29歳問題』、『ハッピー・オールド・イヤー』がほぼ前者で『三姉妹』が後者。

『ナポリの隣人』

2001年から始まったイタリア映画祭で、過去に上映された作品でいうと、2015年に上映されたフェルザン・オズペテク監督の『カプチーノはお熱いうちに』、2018年のジャンニ・アメリオ監督作『ナポリの隣人』(映画祭上映時の仮題は「世情」)は、前者のプレミア上映のパターン。映画祭で観て気に入り、買付けに至った後者のパターンは、2005年の上映作、やはりジャンニ・アメリオ監督作『家の鍵』(こちらは公開時も、映画祭での上映題名を踏襲しました)と、2016年のガブリエーレ・マイネッティ監督作『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の2本。『家の鍵』はイタリア映画祭での上映の前年11月、米・サンタモニカで行われていた映画見本市で観る機会があり感動し、購入を検討している最中でした。買付けの済んでいない状態で、字幕付きで広く同業者の方々が観られる機会が訪れたことに動揺。しかも映画祭のパブリシティで、映画評論家の秦早穂子氏が素晴らしい紹介文を朝日新聞に寄せたこともあって、「あ~、他の配給会社に買われてしまう~」と、一人焦りまくったのを思い出します。しかしそれは単なる杞憂に終わり(笑)無事買い付けて、翌年公開となりました。

“単なる杞憂”に終わらなかったのが、もう1本の『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』。コロナ前のイタリア映画祭では、映画祭が始まる前日、来日した関係者が登壇し、イタリア文化会館で開会のセレモニーが行われていたのですが、その際に出品作の中から1作品が先行上映されていました。その日、何の予備知識もない状態で観た『ジーグ』に不意打ちを食らい感動した私は、「これは絶対配給したい!」と速攻で権利元にオファーし交渉を開始したのでした。クローズドな催しなので、その際に観た同業者はそうは多くありませんでしたが、映画祭での本上映で評判になり、権利元には他の配給会社からの問い合わせが殺到、その中の何社かから具体的なオファーが入って競合。最終的に買付け費が高騰する結果になってしまいました。

『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』

というワケで、競って買い付ける、というザジ史上ほとんどないパターンで配給に至ったのが『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』。大ヒットさせることは出来ませんでしたが、配給したことに後悔はありません!『ジーグ』の自国での成功で、製作費が何倍にもなったマイネッティ監督の次作『FREAKS OUT』は、無事ザジではない会社さんが購入済み(ザジが手を出せる値段ではなかった…)と聞いています。公開が楽しみです。

極私的な上映作品にまつわる思い出を書き綴ってきましたが、イタリア映画祭、来年のゴールデンウィークは、以前のようにまた華やかに開催されるのを心待ちにしています。

texte de Daisuke SHIMURA






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