Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【9月1日㈬~9月7日㈫】
9月6日にジャン=ポール・ベルモンドがパリの自宅で亡くなった、というニュースが、翌7日に日本にも入ってきました。享年88歳。心よりご冥福をお祈りします。
2001年に脳梗塞を患ってからは、限定的な活動しかしていなかったようですが、2008年には俳優としても有名なフランシス・ユステールが監督した『Un homme et son chien』に主演。当時、試写する機会がありましたが、孤独な老人と彼の可愛がっている犬の、切ない話だったと記憶しています(今回調べたら、ヴィットリオ・デシーカ監督の『ウンベルトD』のリメイクである、という記述も見かけました。そうだったのか!)。劇映画だと、これが遺作となるようです。
日本のテレビのバラエティ番組「世界の果てまでイッテQ」の、海外でセレブに突撃するという企画で、2016年にベルモンド夫妻のパリの自宅を芸人の出川哲朗氏が訪ねた回があったそうですが、それは未見。you tubeに上がってないか探してみましたが、見つかりませんでした。今となっては貴重な映像かもしれませんよね。
アラン・ドロンとの共演作『ハーフ・ア・チャンス』を始め、ソフィー・マルソーと共演した『恋にくちづけ』など、過去にザジフィルムズでDVD化やテレビ放映のために買い付けてきたベルモンド作品は何本かありますが、現在権利を保有しているベルモンド出演作品は、今回のトップ画像にも貼った『女は女である』1本のみ。1998年にリバイバル公開してから、20年以上権利を継続し続けています。1961年の製作なので、今年がちょうど作品生誕60年です。ジャン=リュック・ゴダール監督×ベルモンドのコンビと言えば、『勝手にしやがれ』と、それに続く『気狂いピエロ』が突出して有名ですが、『女は女である』のアルフレード役もとてもチャーミング。何度観ても見飽きることがありません。スクリーンでもご覧になれる機会を、これからも積極的に作っていきたいと思っていますので、その際にはお見逃しなきよう。
映画ファンならご存知の方も多いと思いますが、昨年からキングレコード提供、エデン配給で、《ベルモンド傑作選1》、《ベルモンド傑作選2》という特集上映も開催されてきました。60年代から70年代にかけてのアクションを中心としたラインアップが傑作選1、2合わせて13本並んでいます。今回の訃報を受けて再映されることも多いと思います。私も見逃してる映画が結構あるので、チェックしなくては!
一方、国内でも澤井信一郎監督が9月3日に亡くなっていたという報も、同じ日に明らかになりました。1961年に東映に入社して長らく助監督を務め、81年40代になって『野菊の墓』で監督デビュー。角川映画世代な私なので、『Wの悲劇』と『早春物語』で深くその名が胸に刻まれている監督です。訃報を聞いたその夜は、DVDで二本立てで鑑賞し直し、それぞれのDVDに入っている特典映像の、監督が演出をつけている撮影風景などを見返して、すっかり夜更かししてしまいました。
『早春物語』の特典映像では、私の“憧れの君”であるところの主演の原田知世さんが撮影後、疲労困憊な様子でインタビューに答える姿も収録されています。監督に相当しぼられたようで、ファンの間では「知世さんは『早春物語』を見返したことがない」という話がまことしやかに伝わっています。実際はどうなのか、ご本人に伺ってみたいです(監督自身は、知世さんを高く評価していたのを、インタビューか何かで読んだことがありますが)。
澤井監督のフィルモグラフィーは東映がほとんど(一部権利は角川なのかな?)なので、全作品の追悼上映をぜひ実現させて頂きたいです。それまではテレビ『宇宙刑事シャイダー』を含めた未見の作品を、配信でコツコツ見ようと思います。
さて。私事ではありますが、これから二回目のワクチン接種に行ってきます。大田区、遅いです。一回目で副反応と思われる倦怠感が結構強かったので(モデルナです)、二回目は副反応があった場合を考え、明日明後日と遅い夏休みを取りました。熱が上がらなければ、映画でも観に行ってしまおうかと思っていますが、熱が出たら家でおとなしくしていようと思います。
texte de daisuke SHIMURA
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