見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月24日㈬~1月31日㈫】

気がつけば2月。2024年も12分の1が終わってしまった、ということです。この調子でアッという間に年末が来てしまいそうで、理由もなく焦ります…。

今週は、引き続き先週から取りかかっている5月公開の新作の作り込み作業が続いています。2月中旬の情報解禁を予定しているので、具体的な作品の詳細については今しばらくお待ち頂くことになりますが、邦題、キャッチコピーが決まり、試写状の文面も完成。チラシ、ポスターのデザインのラフ案が昨日デザイナーさんから届きました。A案、B案、C案…。ん~、どれが良いだろうか…。

劇場に映画を観に行って上映が始まる前、ロビーの一角に設置されたラックや平台にズラリと並んだ近日上映作品のチラシの数々を、チェックする方は多いと思います。初めて目にする作品のチラシを、とりあえず全部持ち帰る方もいらっしゃるかもしれませんが、だいたいの方は気に留まったものだけを選んで持ち帰る、という感じですよね?

では、気に留めて頂くためにはどうしたらよいのでしょう?目立つ色味にする?作品の内容が一目でわかるようにベタに作り込む?逆にデザイン重視の洗練されたものを目指す?タイトルがドーンッと目に入るよう目立たせる?当然、若い人に向けるのか?中高年に向けるのか?想定するターゲットによっても、その作り方は大きく変わっていくのですが、とにかく先ずは手に取って、裏返して、書かれている文章を読んで、「観たい!」と思って頂けるものを作るのが、我々に与えられた使命です。

たまに劇場のスタッフの方から「今度の映画、チラシのハケが良いですよ」とご報告を頂くことがあります。それは第一関門突破を意味する、とても喜ばしいこと。逆に積み上げられたチラシの束が、なかなか薄くならない(ハケが悪い)時は、「何かが間違っているのではないだろうか…」と不安でたまらなくなります。さて、今回のチラシはどうでしょう?海外から取り寄せたパブリシティ・マテリアルの中に、気の利いた場面写真は皆無。そのまま使ったら“ベタそうな映画“と見なされて、手にも取ってもらえないかも…、と考えあぐねいて、先ずは手に取ってもらえるよう、ポップでカワイイものを目指しています。ちなみにデザイナーは、弊社では“ピエール・エテックス レトロスペクティヴ”や、“アニエス・ヴァルダ監督特集上映“を手掛けて頂いている山田裕紀子さん。こちらのビジュアルのお披露目も2月中旬の予定。もうちょっとお待ち下さい。そして来週は予告編制作という作り込みのヤマ場が控えているのでありました。頑張らなくては!

『ノスタルジア4K修復版』沼野恭子さんトーク回

さて。2月になり、好評につき3週間上映を延長して頂いた渋谷シアター・イメージフォーラムでの“カール・テオドア・ドライヤーセレクション vol.2“も、いよいよ来週末9日が最終日となりました。イメージフォーラムでのザジ作品上映記録も連続33週でストップ。寂しいですが、次の作品でまたロングランを目指す所存です!尚、ドライヤー セレクションは全国順次開催中。現在上映中のシネ・リーブル梅田での上映も2月8日で終了ですが、明日2月2日からはアップリンク京都、明後日3日からは広島 シネマ尾道での上映も始まります。お近くにお住まいの皆様、ぜひ劇場に足をお運び下さい。

一方、1月26日からBunkamura ル・シネマ渋谷宮下で上映がスタートした『ノスタルジア 4K修復版』も大好評。おかげさまで先週当通信で告知させて頂いた、27日のロシア文学者 沼野恭子さん、28日の映画評論家 須藤健太郎さんのアフタートークも盛況でした。ご来場下さった皆様、どうもありがとうございました!名古屋センチュリーシネでの上映は2月8日まで。2月2日からは小山シネマロブレで上映開始。その他のエリアでも順次上映されますので、もうしばらくお待ち下さい。『蟻の王』は、柏 キネマ旬報シアターで明日まで、札幌シアター・キノフォーラム福島で2月8日まで上映しております。こちらもよろしくお願いします。

今月は、先週の当通信でコンぺティション出品作品をチラッとご紹介させて頂いたベルリン国際映画祭が15日から始まります。パノラマ部門、フォーラム部門、エンカウンター部門の出品作も発表になり、セールス会社からも日々セールスメールが届いて、頑張って予習しなきゃ、と思っているのですが、一方で昨日、第19回大阪アジアン映画祭の上映作品も発表になったので、こっちもチェックしなくてはなりません。

“ザジと大阪アジアンの相性の良さ“(自分で勝手に思っているだけ。笑)については、毎年語っているような気がしますが、大阪アジアン出品作を配給するのは、2020年の第15回でグランプリを受賞した『ハッピー・オールド・イヤー』(タイ)、翌2021年の第16回の特別注視部門に出品された『三姉妹』(韓国)、2022年第17回の薬師真珠賞受賞作『セールス・ガールの考現学』(モンゴル)と3年連続です。さすがに、昨年第18回出品作の中からは配給作は出てこないかな…と思われていたのですが、ひょんなことから昨年のコンペ出品作の中の1本を、今秋配給することが決まっているので、4年連続は確定済みなのでした。

今年は特別注視部門に、うちが2009年にマクザムさんと共同配給した『海角七号 君想う、国境の南』のウェイ・ダーション監督の新作「BIG」や、エドワード・ヤン監督が脚本を書き、出演もしている1981年作品「1905年の冬」というレアな作品も上映されるのが発表されています。今年も「配給したいッ!」と惚れ込む映画に出会って、5年連続の配給作品決定!となりますでしょうか?

texte de daisuke SHIMURA





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?