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スタートアップのWebマーケ担当事始め。1ヶ月でやった5つのこと

おやつの定期便「スナックミー」でマーケティング(新規集客)を担当しているおざきまんじゅうです。マーケティングでもメインはWEBマーケで、最近ではPRやブランディングにもそっと言葉添え(口出し)しています。

スナックミー初のマーケ担当に今春から就任、事業会社で働くことは初めてです。「Webマーケを本格化し新規集客(獲得)数をどれだけ伸ばせるか」が直近の使命です。

ただ、Webマーケで集客(獲得)数を伸ばすにはPDCAを気持ちよく回せる土壌が必要であり計測環境や集客(獲得)ポートフォリオを整備・構築することから始めていきます。

そこで、今回は「本格的にWebマーケで集客(獲得)を加速させるための初期構築」を5つにまとめて紹介してみます。

スタートアップや新規事業、これからWEBマーケで予算をかけて集客数を伸ばす方にぜひ読んでもらいたいです。

では、実際にやった5つのことは下記です。

①インパクトを軸に広告施策の優先順位付け
②参照元を整える(Google analytics)
③環境に最適なレポート準備
④無駄なコストの削減
⑤広告クリエティブの仕分け

初期構築を終え、現在はグロース段階ですが、経営陣のにっこりマーク( ´∀`)を保ててるので、土壌を整えたことによる成果はしっかり実証されつつあります。笑

①インパクトを軸に広告施策の優先順位付け

スタートアップや新規事業など潤沢なリソースがない場合、闇雲に進むのではなく、現在地と目的地を示した手書きの地図を作り、適切なルートを見極め、道を進みながら調整していくことが必要だと考えています。

現状の数値をもとに、どこに・どれだけの予算をかければ利益が拡大するか見定め、KGI・KPI達成に向け目標とする獲得ポートフォリオを考えます。できたポートフォリオを参考にしながら、何からやるのか優先順位を決め運営計画を定めます。

それでは、「現状」と「今後の目標」をマトリックスにまとめいきます。今回は広告による獲得がメインです。検索やSNSのオーガニック集客も合わせてみるとさらにいいですが、長期的な施策になってくるので別枠で考えます。

(白塗りでごめんなさい)

<現状>

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まずは「現状分析」です。現在のCV数、CPAをチャネル別に管理画面やGAで参照します。成果を確認する上でラストクリックとかアトリビューションなど一旦気にしません。スピード感も必要なので、ここでは大局をつかむことが目的です。

チャネルは媒体別、GoogleやYahoo!など配信メニューに幅があるものはメニュー別に落とし込みます。

<広告チャネル>
・検索(G/Y)
・ディスプレイ(G/Y)
・YouTube(trueview)
・Facebook
・Twitter
・LINE(LAP)
・アプリ各種
・アドネットワーク
・アフィリエイト etc...

他にもたくさんチャネルはあると思います。横軸を月別CV数、縦軸にCPAを設定、中心点を定義し現状の数値をはめ込んでいきます。月により数値に振れ幅があるので点ではなく円で大まかに表現しました。

結果的に、新規獲得が1つの媒体に依存している傾向を把握でき、獲得ポートフォリオを安定させるために、軸となるチャネル(媒体・メニュー)を2つ発掘する必要性がみてとれました。

次は設定されたKGIやKPI達成に向け、目標とする獲得ポートフォリオを作っていきます。

媒体・メニューごとに状況(アカウント)を確認し、ターゲットの拡張性・配信ボリューム・オークションや入札状況・使える機能など伸びしろを査定します。

予想

新規のチャネル含め、向こう半年から1年の目標として再度マトリクスに落とし込みます。

今回は、CPAが高くなりそうだがCV数を確保できる新規メニューの追加と、現在配信している媒体のCPA最適化で獲得ポートフォリオを設計しました。逆にやらない施策も決定できました

そして、成果に対してインパクトがあるものから優先順位を決めれば今後の運営方針は完成です。

一例ですが「CPAを下げる」であれば、CPA維持しながら件数伸ばせるチャネルに予算増やして、CPAが高いチャネルはターゲットと予算絞ってCPAを抑制する。SEOもCVRが高い検索クエリで1位とれていなので早めに着手してオーガニックを強化していこう的なことがスッと考えれるかなと思います。

②参照元を整える(Google analytics)

このデーターが欲しい!となった時、測定できていないと遡るには限界があります。初期の段階で想定される必要な数値をきれいに計測できる環境を整えておくことは大事ですよね。

一般的に計測ツールといえば「GA(Google analytics)」が多いと思います。そして、見る頻度が多いデータは参照元別の数値ではないでしょうか。

ただ、正しく参照元がとれてないことがあります。

よくある例としては下記のようなパターン。

・パラメーター付与、統一していない
・ドメインを跨いだセッションが発生する
・リダイレクト
・SSL化されていない etc...

GAで参照元のデータがうまくとれなかった場合は(direct)/(none)と表示されます。(※超絶略式で言うと)

(直接コンバージョンとか、参照元が戻るみたいな詳しい話は長くなるので割愛します。)

ここで伝えたいのは、(direct)/(none)を”0”にすることを目指すのではなく、取れる参照元をこぼれなく計測し(direct)/(none)を減らすことと、正しい参照元となるようにGAを設定するということです。

「(direct)/(none)を減らす」は、utmパラメーターの社内ルールをまとめ共有し、正しく付与することで一旦は大丈夫かと思います。(もっと話したい)

正しい参照元の設定として、
・不適切な参照元の除外
・クロスドメイントラッキングの設定、などを見直してみます

◆ 不適切な参照元の除外
例えば、こやつが参照元にいませんか?

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ECサイトでは頻出の「Amazon Payを参照元から除外してない」パターン。

Amazon Payを利用すると一旦自社サイトを離れるためセッションがきれます。入力や決済をして、再びサイトに戻ると「Amazon」が参照元として新しいセッションが始まり、コンバージョン(サンクスページの表示など)した場合「Amazon」が参照元となります。つまり、正しい流入元の評価ができないんですね。

解決方法としては、参照元から該当のAmazon系ドメインを除外設定するだけで終了です。(Amazon広告使ってる場合はご注意ください)

Amazon payに限らず外部決済を利用しているサイトも当てはまりそうです。

◆ クロスドメイントラッキング

サンクスページのドメインと、LP(記事LPなど)のドメインが違う場合、LPのドメインが参照元になっていませんか?

例)
現状:Facebook→LP(aaa.com)→サンクスページ(bbb.com)
→ 参照元は"LP(aaa.com)"になる
理想:Facebook→LP(aaa.com)→サンクスページ(bbb.com)
→参照元は"Facebook"になる

欲しいデータは上記の「理想」にあたるLPに流入してきた参照元だと思います。特に記事LPを使った広告を配信してる場合に多いです。

そんな時は、クロスドメイントラッキングを設定することで解決です

③環境に最適なレポート準備

マーケ担当として経営陣に数値を共有する必要があります。ただ、闇雲に毎月レポート資料を作成するのではなく、自分の環境(企業)にとって必要なレポートを準備します。
そして、手間もかかるのである程度テンプレ化しておきたいものです。

まずは、レポートを必要とする人にヒアリングです。どんな数値でいつ必要かを聞き込んだり観察します。

経営陣に向けたレポートの例では、月末にまとめてではなく数値を知りたいときに最新のデータがまとまった状態のレポートを閲覧できる環境が求められていました。

ただ、レポートにおいて数値(項目)は多い方が良いとは限りません

経営陣向けのレポートで重要度順に並べると、全体と媒体ごとの獲得件数や費用、またそれらの推移、インプレッションなどの配信量、CVRなどがあります。(CVRはキャンペーンがごとにみたいけど)

逆にCTRやCPCなどはマーケ担当者が日々みる数値で必要ない場合が多いです。(説明要因として必要な場合も多々ありますが)

レポートを作る上で、できるだけ手間とお金をかけずにできるとベスト。「Googleデータポータル」は強い味方ですね。

そして、できたレポートがこちら!
(⚠︎媒体数・数字は全部てきとーです⚠︎)

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・直近30日の獲得数日別推移
・広告チャネルの獲得まとめ
・媒体別の数値(CV,CPA,CVR,費用)

獲得数の日別推移はGAから自動化で取得、媒体別もスプレッドシートをベースに活用し、できるだけ手動作業(DLしてコピペ)を軽減しました。

このレポートを経営陣に共有しておくことで、自分でどこが伸びて落ちているのか把握でき、深掘りしたい部分の数値オーダーを受けやすくなります。結果として、予算の最適化や施策の実施スピードが早くなり成果改善につながりました。

④無駄なコストの削減

広告を筆頭に投資して売上・利益を回収してい上で、考えられる無駄なコストを初期の段階で抑えておくと成長していく土壌が整います。草(無駄)むしりすると栄養(投資)がしっかり行き渡り植物(売上・利益)の成長が促進されるイメージです。

具体的に無駄なコスト削減とは?
CVする可能性が"ほぼ"ない対象外ユーザーをターゲティングから除外することです。

検索広告であれば、検索語句を確認し除外キーワードを活用します。

スナックミーの場合だと「おやつ 犬」「無添加 お菓子 新生児」などサービス対象外の検索語句や、「スナックミー ログイン」「スナックミー マイページ」と既存ユーザーと思われる語句は除外しました。もちろん、これらの検索語句からCVする可能性は皆無ではありません。ただ、採算は確実に合わないことは想定されます。

自動入札が効くから大丈夫と言われそうですが、予算が上がってくると結構なコストになったり目下のCPAを適正化できる点でもやる意味はありそうです。

(除外のやり過ぎには注意が必要です)

また、これは商材によると思いますが、ディスプレイやSNS・動画広告などターゲティングに顧客リストが使えれば、CVしたユーザーをリストで除外することでコスト削減できます。

CVタグソースのユーザーリストを使用することが手取り早くはありますが、スナックミーはサブスクサービスなので媒体が情報を保持できる期間では足りないことがあります。CVタグソースのユーザーリストと合わせて定期的に更新された顧客リストで除外しておくと、より最適化が進むと考えています。

(リピート系の通販など一律には言えませんが)

他にも、検索広告を手動で入札してるのにキーワードごとに傾斜がかかっていなかったり、広告の出し分けが正しくなかったり、意図しない入札調整がかかっていたりなどなど、細かいところですが初期段階で必要性を検討し無駄なコストを削減しておくことで、成長を助長してくれます。

⑤クリエイティブの仕分け

クリエイティブ(画像・動画・広告文etc)の管理は属人化してることが結構多い気がします。例えばファイル名やテキストの規則性、ABテストみたいに結果画面は残ってないけど日々の運用で得たクリエイティブのコツだったり、明文化されていない重要なことがあります。

新規担当・引き継ぎが発生するタイミングでどのクリエイティブがいいのか、インプ・クリック数で基準をひき、CTRやCVRを軸にマトリックスにまとめることで、クリエイティブの戦略が立てやすくなります。

また、やったことのない訴求領域も合わせて見えてくるので拡大する手助けにもなります。

今後の課題

マーケターとしてスタートアップもインハウスも初めてで、特有の課題も見えてきました。今後の課題として最後にちょっとだけ弱音を吐きます。

● 自分の仕事を社内に理解してもらう

WEBマーケティング職は「難しいことしてる人」と他己紹介されり、急に売上を伸ばすと"魔法使い"と思われがちです。しかし、なかなか他人に説明することが難しいのも事実です。

「別に理解されなくていいじゃん」と言われそうですが、自分の仕事はサービスを必要とする人とサービスをつなぐことであり、サービスあってこその自分の役割だと思っています。

なので、サービスを織りなす仕事は自ら理解しにいくし、加えて僕の仕事もちょっとでも理解してもらえると、社内でシナジーが働くと確信しています。

工夫が必要です。

● 中長期的な視点で断続的に動く

スタートアップの規模だと、マーケ担当者の数値が経営の数値に直結していることが多いと思います。つまり、経営視点での中長期的な戦略も必要になります。

日々の目下の成果を追いながらも、中長期な成長率を見据え下準備も着々と進める。軌道修正も適宜しながら、またさらに中長期的な戦略を立て続ける。

言葉にするのは簡単なんですが、「今と未来を考える」って結構難しいですね。

まとめ

スタートアップのWEBマーケ担当になってやってよかったことをまとめてみました。

スピード感は大事ですが、加速する前にエンジンをしっかり整備しておくことでさらに早いスピード感で成長していくことができると思います。

備忘録的な事例で申し訳ないですが、これからWEBマーケを本格化していく方々の一助となれれば幸いです。

P.S)次は半年後?↓

twitteでは、日々の気づきと美味しいものつぶやいています。


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