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そのデータ分析は事実か判断か

今回のお話

KPIについて考えたことはあるでしょうか。
プロダクトの指標として売上やCVRなど様々な指標をチェックすることがあるかと思います。

ファネルごとにデータを取得し、進捗率や歩留まり数などデータ分析をすることがよくあるかと思います。
昨今は非エンジニアでもSQLが必須となっている会社もあったりしてプロダクトに携わる人の中でデータから何かを導けるのではないかと思っているかと思います。

データには事実しか存在しません。判断は意思決定によるものです

今回はヘルスチェックとしてのKPIについて考えていきましょう。

事実と判断

このご時世ですから延期されていますが、平時のこの時期は会社員であると必ず避けては通れない「健康診断」というものがありますよね。

健康診断では様々なデータが計測されます。身長、体重、血圧、腹回りから視力まで様々です。そこで弾き出されるデータは全て事実です。

例えば、昨年は60kgだったのに今年は65kgだったとしましょう。
この意味するところは何でしょうか。
それは一重に「昨年から+5kg 」という事実のみです。

太ったわ〜とか引き締まったわ〜というのは「判断」であり、決めの問題です。そこまで詳しいわけではないですが、もちろん何らかの閾値を超えると身体的に弊害が出るパターンもありますが。

さてプロダクトに戻すと、健康診断として「KPI」をみていると思います。

そのKPIに対して出てくるデータというのはあくまで事実です。
そもそもKPIを100にしたのも決めの問題ですし、昨対120%が今期の目標ですというのも決めの問題です。

データ分析においてここを履き違えて報告すると報告を受けた側がおこになる可能性があります。

例としては、2週間連続でCVRが下がっています。良くないと思いますというような報告をしたとしましょう。極端にはしていますが、このような報告をもらうと、大抵は怒られるでしょう。

相手が判断するデータの基準が、分析側の基準と異なることが大いにありえます。ではどのようにして判断に携われるような報告をするべきかというと、事実と仮説で報告することかと思います。

仮説とは、問に対する仮の答えであり、先の例ではよくないと判断したが、それは何故そう判断したのだろうか。月次目標に対する進捗率が昨年同月比でみて低いからなのか、はたまた新規機能のリリースの効果が出ていないからなのかなど「よくない」と断定しうる「事実」がそこにはあるはずです。

様々な事実を組み合わせて事象を分析するのが、「解釈」となります。仮に相手側の判断基準がわからない状態であったとしても「解釈」を理路整然に報告すれば意図は伝わるでしょう。

データ分析をするということは、意思決定者の意思決定の参考情報となる事実を収集し、解釈とともに方向性を提言する策士のような振る舞いが求められているのかもしれません。

最後に

データ分析ときくと、線形回帰や平均などの代表値のことから機械学習やPythonとテクニカルなスキルに着目されがちです。

もちろんそれもスキルとしては重要ですが、先に記載した通り、マインドセットとして何の目的のもとに事実を収集するのかということを意識する必要があるかと思います。

それなしにテクニカルな指標を提示されてもそれは能力を見せびらかすことにしかなりません。テクニカルなスキルは学べる一方でマインドセットを体系的に学ぶことは難しいものだと感じています。

ただ、非常に優秀な人たちの経験則や勉強から来る発言を通してその言動の裏にあるマインドセットを掴み取るという練習からマインドセットに関して近づけることは可能かと思っています。

最後に最近面白かった番組を紹介して終わりとします。
それでは、また。


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