「わかりやすい解説」について考えてみた

久しぶりの投稿です。ちょっとした世の中の真理に気づいてしまったので記事で残してみることにします。

わかりやすい解説とは

この世にはありとあらゆる「解説」が蔓延っています。読者に何かを伝えるためにとても詳しく熱の入った解説もあれば、専門用語を連発した結果誰にも理解されずに埋もれていく解説もあります。

最近はアウトプットをせずもっぱらインプットに徹していたため、そういった様々な人が書く解説と向き合うこととなりました。その中で、「どうしてわかりやすさに違いがあるのだろう」とふと疑問に感じたので、いくつかの観点で考えてみることにしました。

注意していただきたいのは、「わかりやすい解説」は「良い解説」であることに間違いはないが、「良い解説」だからと言って「わかりやすい解説」だとは限らないということです。非常に難解な解説であっても、理解できた時にはとても頭の靄が晴れ渡るような素晴らしいものであることもあります。

今回の記事では、あくまで「わかりやすい解説」を目指すために考えたことについてまとめています。

わかりやすい解説の例

私の経験上、読んでいて頭にすっと入ってくる文章は、会話調のものが多いです。個人的な好みで言うと、「やる夫シリーズ」だったり、「数学ガール」だったりします。

こういった解説では次のような登場人物が出てきます。

・読者のレベルと同等の生徒役(質問者)
・先生役(解説者)

題材が難解であっても、先生役が生徒役に教えていく形を取ることで、読者が置いてけぼりにされることなく、読者と生徒役がシンクロしながら同じ体験をすることができます。

特に、「わからないことをわからないと言う存在」はわかりやすさのためにはとても重要です。やはりどんな人にも少なからずプライドがあるため、わからないと言うことで「バカと思われるんじゃないか」と質問をためらってしまうことがあることでしょう。しかし、上記の解説で登場する、どんな質問でもためらわずに質問する生徒役の存在は、読者の代わりに質問をしてくれる代弁者としての役割があるわけです

このような「質問者」と「解説者」の二者が交互に発言する構図が何かに似ているなぁと思い考えてみると、「解説の解説」に似てることに気が付きました。

解説の解説

元々、何かのちょっとわかりにくい解説である「解説A」があるとします。

解説A

憲法(けんぽう)とは、国の成立に係る統治の根本規範(法)となる基本的な原理原則に関して定めた法規範をいう(法的意味の憲法)。

出典:憲法(ja.wikipedia.org)

ここで例として、Wikipediaの「憲法」のページを引用してみました。なんとなく意味はわかるけれど、細かいところはよくわかってません。

そこで、わかりにくい「解説A」に対するツッコミ役である「解説B」を用意します。

解説B

> 憲法(けんぽう)とは、国の成立に係る統治の根本規範(法)となる基本的な原理原則に関して定めた法規範をいう(法的意味の憲法)。

生徒「いや、言ってる意味わからんよ。」

先生「どの辺がわからん?」

生徒「『憲法』がわからん。もうちょっとわかりやすくない?」

先生「大雑把なこと言うと『法律を作る上でのルール』みたいなもんだな」
(先生が憲法のざっくりした役割を説明する)

生徒「ふぅん。なんとなくそういうルールがあると確かに良さそうだね」
生徒「でもさ、よくよく考えたら『国』ってそもそもなんなん?」

先生「それ、Goodな質問」

生徒「やったぜ。」

(「国」をわかりやすく説明する先生)

生徒「『国』って色んな側面があるんだな。」
生徒「そういやさ、『法律』もあるでしょ。」
生徒「『憲法』あったら『法律』なんていらなくない?」

先生「なるほどね。じゃあこれはどうだろう」(続く)

「解説B」は「解説A」よりもフレンドリーであるだけでなく、読者が聞き辛い「そもそもこれってよくわかってないんだよね」という痒い所に手が届く代弁者としての役割を果たしています。この「解説B」の中では、こうした質問だけでなく、親身に教えてくれる先生役も用意することが重要です。

多くの解説は「解説A」に留まっていることがあります。しかし、それを一つ次元を上げて解説Aを読んでる「質問者」「説明者」を用意することで、一気に読者目線の文章を書きやすくなります。

まとめ

「世の中の真理を見つけた」と冒頭で書きましたが、こうやって記事にしてみると、真理というほどではなく、単なる「わかりやすい記事の書き方テクニック」の一つにしか過ぎない感じになりました(大袈裟でごめんね

いずれにせよ、「解説を解説していくスタイル」は今後も主流になっていくのだろうと思います。動画にせよ、ネット記事にせよそれは変わらないことでしょう。

この対話形式は「わかりやすく伝えるためのテクニック」として古くから使われてきました。例えば、プラトンの「国家」などは対話形式で書かれていますね。

要するに、「わかりにくい何か」にツッコミを入れながら解説を要求していくスタイルなのですが、伝えるためにはこれがかなり有力だろうという私感です。

さて、この記事は「わかりやすい記事」だったでしょうか?

面白かったらスキしていただけるとありがたいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


よろしければサポートお願いします!本の購入などに充てます!