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【#テレ東シナリオコンテスト】言葉なんていらない ※原案「月がきれいですね」

【#テレ東シナリオコンテスト 応募作】


◎ドラマコンセプト

ヒロインのナナ(浅川梨奈さん)を中心としたショートストーリーを繋いで構成されている

毎日一緒にいる愛犬→集めている漫画作品→片思い中のクラスメイト→推しのアイドル→髪を短く切った彼女→結婚記念日の夫婦

のタイトル順番にストーリーがつながっていく。

ヒロインなどの出演者の台詞が通常のドラマよりも少なく表情や仕草で『すき』を伝える事が多い。

* * * * * * *

■エピローグ

* * * 回想 * * *
※ニュース番組※

「ここで臨時ニュースをお伝えします。1月◯日、東京都渋谷の若者を中心としたグループに原因不明ではありますが、、、

(※キャスターがこれ本当に読むの?と何度も原稿を確認してカメラの向こうのスタッフ側を見る手で◯を作れるスタッフ)

『言葉に制限があり発せない趣旨の言葉』があるようです。いわゆる集団パニック的なものと考えており原因を確認するとともに、、、、(フェードアウトしていく)」

◆渋谷のスクランブル交差点やセーター街などの街並みを映す
(ナレーション※浅川梨奈さん)
ある日、渋谷から「すき」の単語が消えた。

原因は不明だが、言えない状態になった。

※めちゃくちゃ焦っていて『やべぇ』『こわいこわい』『キャー』とか言ってパニックになっている若者男女のシーン。

最初は若者のイタズラや集団パニック的なものと考えられていた。

※冒頭のニュース番組に戻る(時間が経過した数日後のニュースシーン)※

「日本全国に言葉が集団で制限されて言えない単語が出てきてしまうなんて、こんな事はあるんでしょうか。どうなんでしょう田崎さん(評論家)」

田崎(評論家)「これはですね、集団催眠とか集団パニックとかね、、、」
※言葉を遮るようにニュースキャスター
「お話中、申し訳ありません。ここで官房長官からの会見があるようです。」

(官房長官)「1月◯日、東京都渋谷を中心とした日本国民の皆様の言葉に制限がかかってしまっている問題についてですが政府としましては早急な問題解決をはかる為に原因究明が第一と考え、本日対策本部を立ち上げました。」

浴びせられるカメラフラッシュ
「ちょっと対策が遅いのではないですか?」
怒号を含んだ記者の質問

(官房長官)「その点につきましては、集団パニックを全国で発生させない為の慎重な見極めと原因究明に時間がかかってしまっているという事ではあるのですが、直ちに身体に影響がある問題ではないという事が確認されましたので、まずは政府としては安全を確認してこの問題を早急におちつかせていく為にも本日対策本部を立ち上げたものであります。」
浴びせられるカメラフラッシュ

※タイトルテロップ※
【言葉なんていらない ※原案「月がきれいですね」】

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■毎日一緒にいる愛犬
(1年後とテロップ)

(ナレーション※浅川梨奈さん)
最初は日本全国に広がった「すき」と言えない問題にみんなが集団的にパニックをおこしてしまっていたが1週間も経過すれば、みんなが慣れた。『ルールを理解して』全員が共通認識を持てば言葉なんていらないのだ。
そもそも「すき」と言う単語を言わなくても通じあえる事の今までだったではないか。

ナナ「おいでハチ」
ナナがハチ(愛犬)を呼ぶとやってくる。
ナナがハチを撫でてコミュニケーションを取る。

愛情を言葉でしか表現できない
愛情を言葉でしか理解できない
そんな事はないのだ
言葉なんていらないのだ

ナナ「ずっと一緒だぞハチ」
ハチと楽しそうにじゃれあうナナ。

私にはハチの言いたい事がわかる。
ハチもきっと私の気持ちがわかっている。
それで充分じゃないか。


楽しそうにハチと戯れるシーンが何度か続きフェードアウト。

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■私が集めている漫画

ナナが少女漫画を手に取りうっとりして読んでいる。

ナナ「いいなぁ」と呟き漫画をみている

※男性に「すき」と告白されているシーン
※壁ドンとかめちゃくちゃベタなシーンが良い

それでも女性なら、どうしてもこういう告白シーンに憧れる。

「すき」が日本中から消えてしまった今、私はこの女性漫画にはまっている。
※noteで発表されている漫画家さんの作品
※自薦でも他薦でも緊急募集もありかも。
※背表紙のみでその漫画家さんの作品が1巻~5巻ぐらいまで見えて集めているのがわかる。

本音で言えばやっぱりストレートに想いは伝えて欲しい。まわりくどいのはわからない。将来、私にはそんな人があらわれるのだろうか。

* * * * * * *

■片思い中のクラスメイト

大学構内にてナナを見つめる。ムツ(ヒロインの相手役:男性)
ムツ「今日こそは想いを伝える。今日こそは」
握りしめた右手の拳を握りなおす。
ムツ、ナナのもとに行く
「ちょっといいかな」

ナナはムツがカッコいいので期待と緊張が隠せないでドキドキしている様子。
ナナが期待感を隠さずにドキドキしている様子をみてムツが緊張してドキドキしてしまって言いたい事が言えない。

ムツ「えっと、、、あの、、、」ナナの顔を見ながら頭をかきだす。
ナナはハッキリしないムツの態度にだんだんイライラしてきてしまう。
ナナ「何?用事がないなら、、、。」

ナナはイライラしてしまい怒気を隠そうとせず、怒った表情のままムツのもとを立ち去ろうとする。
ムツは焦って思わずナナの手を掴んでしまう。
いきなり手を捕まれてビックリした様子でムツを見つめるナナ。
ムツはナナとハッキリと目があい想いを伝える。
ムツ「もっと、もっとナナと一緒にいたいんだ」
ナナ「う、うん」

ナナは怒った表情から嬉しさを隠しきれない笑みを浮かべて笑顔で頷いた。

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■推しのアイドル

ナナとムツが並んでデートをしているシーンが連続して続く。爽やかなカップルの雰囲気。二人とも笑顔で楽しそうだ。
※夜景が綺麗なところが良い
※イルミネーションやクリスマスツリーを入れて欲しい

(ナナのナレーション)
ムツはいつになったら手を繋いでくれるのだろうか。
毎日毎日が楽しい。
楽しいけど、楽しいどまり。そこから先にはすすめない。
もう付き合いだしてからもうすぐ1年になるのに手もまだ握ってもらっていない。
楽しい楽しいけど、ムツの気持ちがわからない。

クリスマスイルミネーションの中でナナがムツに問いかける

ナナ「ねぇ、ムツ。ムツは私の事、どう思っているの?」
ムツ「ナナを事をどうって、、、出会った中で『一番推しの僕のアイドル』だと思っているよ」
ナナ「アイドル?アイドルだから手も繋いでくれないの?アイドルだからキスもして貰えないの?私はアイドル止まりは嫌、、、それじゃあんまりだわ、、、。さようなら。」
ムツ「えっいきなり、何?どうしたの?『アイドル』に怒ったのなら謝るって。ごめん。でもいきなり『さようなら』なんて今日は大切な記念日にしたかったのに。」

ムツはコートのポケットの中にある指輪のケースを力を込めて握りしめる。
ナナは無言でムツを見つめる
ムツの目は本気だ。

ムツはナナの手をハッキリと握りナナにむかって気持ちを伝えた
ムツ「わかった。お互いの気持ち。今の気持ちにもう一度向き合おう。僕はナナを想う気持ちに自信がある。僕は人生で一番大切な事を伝えたいから聴いてくれる気持ちがあるなら1年後にまたこの場所で会おう」
ムツはナナの手を取りハッキリと伝える
「じゃあしばらくの間は離れるけど、1年後にこの場所でナナを僕は信じているから」

ムツはナナに気持ちを伝えると踵を返してナナのもとを去る。

* * * * * * *

■髪を短く切った彼女
(1年後のテロップ)
ナナは伸ばしていた髪を短く切った

1年の間に色々な事があったが私の気持ちは変わらない

クリスマスツリーの前で待つナナをムツは安心したようにすぐに見つけかけよる。
ムツは笑顔でナナのもとに近づく。

ムツ「久しぶり、元気だった。来てくれてありがとう。」
ナナは少しビックリしたようにしてムツをみる。

ナナ「髪も洋服の服装もイメージを変えたのによくすぐにわかったね。」
ムツ「自分が想う大切な人なら髪型や服装なんて重要じゃないだろ。自分にとって特別な人ならすぐにわかるさ」
ナナ「私はムツにとって今も大切な人のままなの?」
ムツ「もちろんさ。さぁ1年前の止まった時計の針を動かそう。」

そう言うとナナの手をしっかりと掴み片手でコートのポケットから指輪のケースを取り出した。

ムツ「渡すのが1年間遅れてしまったけど、ナナのいないこの1年間とっても苦しくて、寂しくて本当にぽっかりと穴があいたようで、でも1年後にこうしてまた会える事を信じてずっと我慢して耐えてきた。本当に大切な人だから。もうそんな事は嫌なんだ、ナナとずっとこれからもそばにいて欲しい。指輪を受けとってくれるかい?」
ナナは泣きながら
「ありがとう。」と呟き指輪を受け取る。

クリスマスイルミネーションに照らされた二人は見つめあって抱きしめあう。

* * * * * * *

■結婚記念日の夫婦
(1年後のテロップ)
手を繋いでクリスマスイルミネーションを歩く二人。
ムツ「もう1年か。本当にあの日も今も、毎日が幸せだな」
ナナ「もちろん私も幸せよ。」満足気な微笑みを浮かべてムツの体に頭をあずける。

ぴったりと体を寄せあう二人が1年前と同じようにイルミネーションに照らされる。

ムツ「言葉が制限されていても言葉は手段の1つなんだよね。愛を伝えるのに言葉以外でも充分だよな」
ナナ「そうね。すきっていう言葉以外の表現の方が伝わるものも大きいよね」

ムツが目を見開きビックリしたようにナナを見ている。
ナナはあっけらかんとして
「ああ『すき』って言葉。何故かわからないけど、私だけは使えるのよね。でも『すき』って言葉を言わなくても伝わる事の方が重要だと思うわ」

ナナはムツの手を取り幸せにムツを抱きしめた。
ムツも力を入れてナナを抱きしめる。
ムツ「クリスマスイルミネーションよりも君の方が、、、。いややめておこう。」
ナナ「そうね。安い言葉なら言わない方がいいわ。その方が気持ちが伝わるもの」

二人はお互いに笑いあい、手を繋ぎ、ゆっくりとしっかりとお互いの手に力を込めて、またイルミネーションの道を大切に歩きだした。

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