【ホテル・ルワンダ】感想文

 衝撃。
 この映画が1994年に実際に起こった虐殺を描いたものであるという事実が、重く心にのしかかる。
 映画としての評価だけではこのルワンダ内戦については語りきれないとは思うが、目を逸らしたくなるような過去の現実を、この映画を通して私達は知ることが出来る。

 ルワンダ内戦の惨状だけでなく、それに対する世界、ひいては私たちの姿勢についても深く考えさせられる。
 国連は外国人だけ助け、ルワンダを見捨てた。
 世界に衝撃を伝えようとした外国人記者が、帰国する際に自らを「恥ずかしい」と言った場面が非常に印象的だった。

 共感し、繰り返すべきでない悲劇として語られる過去。20年前、それは現実だったのに、先進国に生きる私たちにとっては世界のどこかで起こっている他人事でしか無かった。

 ルワンダの内戦で、先進国が目を逸らした罪無き人々の苦しみを、この映画を通して是非一度見てほしい。
 きっと今もこれからも、世界のどこかで、理不尽な苦痛に晒されている人達がいる。
 先進国に出来ることがある限り、私達は罪無き彼らの痛みを、叫びを知るべきだ。

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