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あそぶこと

 訪問看護が始まった、と言っても我が家は医療的ケアが必要な家族がいるのではなくて、児童精神科専門の訪問看護。利用するのはASDの長男坊の大介と次男坊チビ介の為。

 児童精神科の看護師さんが何をするかのかと言うと先生の指示を受けてSST(ソーシャル スキル トレーニング)や作業療法を我が家で実施してくれるのだ。家庭によってはお薬の管理だったり、登校支援だったり。場合によっては緊急で暴れています、助けてくださいなんて言う大変な場面にも対応してくれる、らしい。

 事の始まりは梅雨らしからぬ日々が終わって暑い暑い夏の始まりにいつもお世話になっている児童精神科の担当の先生から伝えられた。今度、訪問看護の事業を始めるから使ってみてと。多くの地域に行けるような場所に開設するからと。何でも県を跨いで他の県へは行けないらしい。

 担当は以前、大介とチビ介が入院した事のある児童思春期病棟にいた看護師さん。チビ介はレスパイト目的だったけれど、大介にとっては、なんと言えばいいのか、辛かった日々を共に戦って導いてくれた方たちだ。頼り甲斐がある。

 柔らかい物腰のそれでいて親しみやすい雰囲気の看護師さんがやって来たのは先週。大きくなったねぇと言われ、ご機嫌なチビ介とちょっとぶっきらぼうな大介。この日は契約と今後の日程についての話し合いだった。具体的にはボードゲームやなんかでルールだとかを学ぶ事、外で身体を動かす(チビ介は超のつくインドア派でYouTube三昧な日々)事。

 今週から週に1〜3日我が家に来てくれる事になった。信頼関係を築く事から始まって徐々に遊びの中にSSTや作業療法を入れていくらしい。

 それはそれはチビ介が一緒に遊ぶんだと楽しみにしている。支援学級にいるチビ介には一緒に遊ぶお友達というのはいない。同じ学年の子は車で送り迎えが必要な場所に住んでいるし、近所にいても全くお互いに興味がなくて遊べなかったりだ。

 まだまだ発達が幼くて相手と共通のルールを認識して遊ぶ事が難しい。こだわりも強い。自分ルール、リバーシなんかだとチビ介の対戦相手は四隅を取ってはならぬという厳しいルールを科されるし、とにかく勝負事にあってはチビ介が勝たねばならぬ、不条理。

 諸々を見極めて必要なトレーニングをしていきましょうという方針。

 そして、訪問看護師さんを楽しみにしているのはチビ介、大介だけではない。
 我が家の元繁殖犬からの保護犬のまひるだ。訪問看護師さんが来れば大歓迎で「撫でてください、イヤ撫でろや!」とばかりに飛びついて行くので困っている。犬が苦手な方は絶対に無理だ。サマリーに『犬、なでなで要求の突撃注意』とでも書いてもらおう。

 また、頼れる所が出来た大きな安心感に包まれている。君たちは、たくさんの人に支えられて大人になるんだよ。


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