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『千と千尋の神隠し』を分析

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『千と千尋の神隠し』の見方。
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異郷訪問譚という見方①

論文紹介今回は、下の論文を紹介します。 大喜多紀明「アニメーション映画『千と千尋の神隠し』みみられる二重構造について:ミハイ・ホップの「裏返し」モデルを適用した場合」http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/7469/1/kokugoronsyu-11-77-89.pdf これは『千と千尋の神隠し』の、物語構造を研究した論文です。この研究によると、『千と千尋の神隠し』は、「異郷訪問譚」をベースに作

『千と千尋』15分ごと区切る②

では前回のつづきから、いきます。 前回、映画には”時間の法則”があることを話しました。 そこで、『千と千尋の神隠し』はどんな物語なのかを調べてみよう、   となったのです。 なので今日、その法則に『千と千尋の神隠し』を当てはめ、この物語の構造を見ていきます。 〈時間分析〉 10分目 …「主人公の満たされない日常」が描かれる 千尋は、両親を置いて、街をふらついています。主人公の満たされない日常、しっかり描かれてます。 15分目 …物語の基本コンセプトの提示 消え

『千と千尋』の時間分析①

「映画はただ楽しめればいい」という考え方がある。だが、私は、映画の本当の楽しさはもっと奥にあると思ってる。ただ「面白かった」では話が盛り上がらない。どこに惹かれたのか、または何が退屈だったのか語れるようになれたら、かっこいい。そこで、このシナリオ学である。 映画を15分ごとに区切ると、この映画では何が描きたかったのかが分かる。これは「典型的なハリウッド・スタイル」というもの。観客が飽きないよう、15分ごとに盛り上がり、要所要所に見せ場を作ったものだ。 今回分析する『千と千

『千と千尋の神隠し』を読み解く13の謎[前編]

 岡田斗司夫です。  今日は、2019/11/03配信のニコ生・岡田斗司夫ゼミ「『千と千尋の神隠し』を読み解く13の謎[前編]」からテキスト全文をお届けします。 ---- 『千と千尋』を読み解く14の謎 はい、こんばんは。岡田斗司夫ゼミです。  11月3日、今日から午後7時からスタートなんですけど、大丈夫でしょうか? 一応、3回くらい告知してたから大丈夫かなと思ったんですけど、まだまだ慣れてない人も多いと思います。そんな人は、後でアーカイブで見るのがよろしいでしょう

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