ザトランボ

全盲歴10年。世界一活動的な植物。九州で落語したり講演したり…。舞台でしゃべってること…

ザトランボ

全盲歴10年。世界一活動的な植物。九州で落語したり講演したり…。舞台でしゃべってることを文字におこしてみる。

最近の記事

地獄極楽を這い回るザトー

大分県宇佐市安心院町にあるミステリースポット地獄極楽。 創作落語「地獄めぐり」を十八番とし、狭い&ジメジメ好きのザトーとしては1度は訪れてみたたかった穴。 地獄極楽2つの世界が創り出されるこの洞窟は、江戸時代末期にノミでコツコツほがれたものだそうな。 足元はデッコンボッコン天井はギリ。 人1人が身をすくめやっとこさ通れるくらいの幅。 全盲のザトーは白杖をたたみ壁づたいに半ば這うように進む。 不安定な場所では重心がとりにくい。歩くのはとつても疲れる。腰がへっぴいてしょうがない

    • 音声読み上げソフト その2「漢字の読みによる印象と絵文字の読み」 

      パソコンやスマホの音声読み上げソフトはかなりすごい。しかも日に日に進歩している。 漢字やカタカナまじりの文章も分節やイントネーションを踏まえてなめらかに読み上げる。おかげで毎日いろんな文章をストレスなく読み書きできる。 しかし、やっぱ日本語、てか漢字って難しい。 というのも、たまにパソコンやスマホが妙な漢字の読みをすることがある。 漢字は一つの字でいろんな読み方をする。 そして、漢字の読みが違うと文章のイメージが変わる。 例えば、「床(とこ)につく」という言葉がある。お

      • 音声読み上げソフト その1

        今や全盲・視覚障碍者にとってスマホやパソコンはなくてはならない。 「え? 見えないヤツにどうやってスマホやパソコンが使えるんだ?」 いやいや、最近は家電をはじめいろんな機器がしゃべるようになっただろう。 パソコンやスマホもしゃべる。シリさんやグーグルさんのように。 声さえあれば操作は可能だ。 しかし、シリさんたちだけでは操作に限界がある。 そこで全盲のボクはさらに「音声読み上げソフト」を使っている。 このソフトを使うと、たいていのパソコンやスマホ作業が可能になる。 例えば電話

        • とある落語会 その1

          ザトーを名乗って5年、これまでにのべ200カ所ほどでおしゃべりしてきた。 いろんなイベントに出たけど、やはり高齢者を対象とした落語会が多い。また、そういう会はよくウケる。 しかし、高齢者とはいえ様々。 どうしても年齢とともに気力体力時の運は低下してくる。 ある時落語の依頼を受け向かったのは小さな高齢者施設。 スタッフさんは元気。施設の雰囲気もとても穏やか。 お客さんは20~30人ほどのおじいちゃんおばあちゃん。 なんと平均年齢90超え! 100歳越えもチラホラ。 出囃子

        地獄極楽を這い回るザトー

          目見えんと大変? その2

          夜は電気点けんでいいし、なんかちょっとしたことでめっちゃほめられるし、にらめっこは絶対に負けんし…。 社会の保障や配慮だってなかなかのもの。感謝だ。まあ中にはこうした保障や配慮をずるい!だの文句を言う人も少なくないようだけど、まあずるいと思うならあなたも障害者になればいい。特に全盲なんてつまようじ1本でカンタンになれる! ちょっと痛いかもしれんけど…。 それはさておき、まあ本当に全盲になってよかったと思うことはある。 できることとできないことがはっっきりして、自分の生き

          目見えんと大変? その2

          目見えんと大変?

          ボクは全盲。昔は若干見えてたけど今は全く見えない。 よく、目が見えないなんて言うと、 「ああらあんたそら大変やね!」 と言われる。 確かに大変なことは多い。一人で好き勝手外を出歩けないし、美しい景色を見ることもできない。何よりつらいのは、水着のグラビア写真を見ることができない! しかし、何も大変なことばかりではない。 みなさんもそうだと思うけど、大変じゃない人生なんてないでしょう。誰もがなにかしら大変なことを抱えて生きている。お金のこと、友達や隣近所との関係、血圧ウエストBM

          目見えんと大変?