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雑種の個人的バンドキャラランク(2023/03/16暫定版)

まえがき(?)

 好きなバンドはたくさんいるけど、その"好き"って当然ながら一律ではないわけで。あるバンドに対して簡単に"好き"って言い切ってしまうのってちょっと怖くないですか?少なくとも僕はそう感じています。いや、僕は最低限の好感情が向いていたら好きって言って差し支えないと思っているけど、でも「数曲しか知らないけど偶に聴く」くらいのバンドを好きって言ったらそのバンドのファンからは叩かれそうな気がしてしまうし。やっぱり、好きなバンドに対しても"好き度"が階層としてあるんです。そんなことに毎度神経を擦り減らしているのも嫌なので、自分の中での"好き度"を整理する意味も含めて、とりあえず僕の好きなバンドをtierランクに纏めてみました。ついでにそれぞれのバンドの好きなところや自分なりの解釈も考えてみたので、誰も興味はないと思いますが、僕の自己紹介代わりに「こいつはこのバンドが好きなんだな」程度に目を通していただけると嬉しいです。

ということでそのtierランクがこちらです。

 何というか、出てくるバンドが全体的に日タグっぽい。凡庸。ありふれてる。すごくミーハーっぽい趣味してる。その割に流行り物に飛び付くのは嫌なんだけど。

軽く説明

・一応言っておきますが、これはバンドとしての優劣じゃなくてあくまで僕の個人的な"好き度"です。
・Cランクより上は左右差あり。一応どちらかと言えば左の方が好きなバンドになっているけど、日によって変化するレベルの差でしかないです。
・この表にいる時点で一定の好感情は抱いているし応援したいと思っています。Eランクのバンドが好きじゃないわけでは決してありません。でも人に好きって言えるのはCランクまでかな。
・タイトルの通り、2023/03/16暫定版です。多分この先、ランクは変動します。
・キャラランクよりは好きなバンドの一覧だと思って見ていただいた方がいいかもしれません。

Sランク

 僕の毎日にとっての何よりの救いです。ほとんど生活の一部。聴かない日の方が少ないくらい。自己紹介とかで好きなバンドを言う機会があればこの2組は絶対に言うと思います。ファンクラブにも入りたいと思っているし、ライブも出来る限り行きたいと思っています。他にも好きなバンドはいるけどSランクは別格だし揺るがない。多分また別の機会にも何度も語ることになりそうです。

◯クリープハイプ

 僕の喜びの八割以上。好きとかそういうのじゃなくて信仰の対象だと思ってる。もう何から書けばいいんだろう。言葉で綴ろうとするとどれも陳腐に見えてしまう。尾崎祐介が死んだら僕はどうなってしまうんだろうか。
 祐介の言葉は全然綺麗じゃない薄汚れた日常を直視して、希望なんてない生活にも優しく寄り添ってくれるから好きです。"大丈夫だよ、君は君でいいから"(さっきの話)、"無理に変わらなくていいから 代わりなんかどこにもないから"(陽)、"風が吹いたのは君の為なんだよ"(風に吹かれて)、"恥ずかしい今を抱き寄せて間違っても笑ってよ 全部好きでいてあげる"(泣き笑い)、"うつむいてるくらいがちょうどいい"(栞)——— 無理に奮い立たせようとするんじゃなくて、あくまでどん底に沈む"今"に寄り添い、間違ってないよって言ってくれてるみたい。ただ僕の為だけに(僕と同じようなリスナー一人一人の為だけに)向ける言葉たちに年中無休で救われながら、絶望しか見当たらない毎日をどうにか生き抜いています。

◯sumika

 10代の時に聴いた音楽が一生を形成するってよく聞くけど、もしそれが本当だとしたら僕の10代を形作ってくれたのは間違いなくsumikaでした。人の精神状態ってすごく細密な凹凸で、しかも日によって微妙に変化するので、例えば同じ悩みを抱えていてもその日の精神状態にぴったりと当てはまってくれるものって変わってくると思っていて、だからこそ今自分が望む自分に対しての向き合い方(慰めてほしいとか背中を押してほしいとか、若しくは単に近くで寄り添っていてほしいとか)が違ってくるし、散々救われてきた大好きな曲を何故か聴けない日が急に訪れる時だってある。でも、sumikaは楽曲毎に違ったアプローチでリスナーの心に触れてくれるから、今日がどんな1日で、自分がどんな境遇にあったとしても、今の自分を救ってくれる曲が必ず見つかるんですよね。一人一人の居場所(=住処)となってくれる音楽。ほんとsumikaって唯一無二の存在だなって強く思います。

Aランク

 Sランクよりは下がるけどそれでも間違いなく好きって言えるバンドたち。彼らにもどれだけ救われてきたことか計り知れない。サブスクやYouTubeで聴く選択肢に上がることは多いし、CDも買いたいしライブにも行きたい。この辺りのバンドもこの先いろんな場所で話題にすることになりそうです。

◯SHE'S

 she'sの楽曲、というより井上竜馬が手がける歌詞って現状に思い悩む人の背中を押してくれるような力があって。"背中を押す"って簡単に言ってもそれにはいろんなアプローチがあるんだけど、she'sの楽曲って折れそうな時に現状を受け止めてくれて、時として逃げ場にもなってくれるし、再起のために強く奮い立たせてくれる。「追い風」や「Your Song」なんか特に、何度打ち拉がれようとまた前途に向けて一歩踏み出す為の原動力になると思っています。サウンドもなんか力強さがありますよね。
 最近だとタイアップも増えてきて、テレビで見かけても違和感のないくらいメジャーなバンドになりつつあるけど、僕の周りにはshe'sの魅力に気づいている人が全然いなくて、もっとより多くの人に知ってもらいたいと思うバンドの一組です。

◯マカロニえんぴつ

 まだ鳴り続けるあたしの青春。潰されそうな夜にだけはどうしたって会いたくなるんだよ。ほんとに。
 マカロニえんぴつは "絶望しかない日々の為に希望を歌うバンド" だと思っています。"希望の歌が残ってないなら俺が作ってやる"(ワルツのレター)と歌うはっとりは、リスナーの心のどこかに内在する孤独に光を当てるようにして、絶望の裏に潜む希望の欠片の在処を私たちに教えてくれています。「hope」にしても「ハッピーエンドへの期待は」にしても、目に映る絶望とその先に確かにある希望を同時に描き出す楽曲をアルバムの表題曲に選んでいることが、マカロニえんぴつがどういうバンドなのかを象徴しているような気がします。

◯Saucy Dog

 皆様はSaucy Dogをどう切り取って認識していますか?世間的なイメージは「シンデレラボーイ」や「いつか」「魔法にかけられて」あたりに引きづられて、恋愛ソングを歌うバンドとして切り取られている印象。実際テレビで紹介される時もそんな感じだし。確かにvo.石原慎也の恋愛を切り取るソングライティングは一級品だと思っているし、「いつか」なんか評価されて然るべき不朽の名曲だと思っています。でも、このバンドの本質ってそこに集約されるようなものではないと僕は思います。
 サウシーのファンの方々はきっと僕以上に理解していると思いますが、サウシーの曲って自己嫌悪寄りの精神状態の時にそっと包み込んでくれるような優しさがあって、きっと誰だって日々の中で感じている不安や憂いを自分のものとして隠すことなく歌い、現状に寄り添ってくれます。YouTube上ではキラキラ系として扱われて馬鹿にされていたりするけど、僕は寧ろ、全然キラキラしてないし"誰のヒーローにもなれやしない"(猫の背)僕らの、"僕が僕を助け"(雷に打たれて)てやる為の味方だと思っています。

◯ドラマストア

 一人一人のリスナーを一つ一つの楽曲の中で主人公に仕立て上げてくれるドラマストア。「月と旅人」や「無色透明」は無意味な日常に意味を持たせてくれるし、「エンドロール」や「ラストダイアリー」は一歩踏み出す為に背中を押してくれるし、「knock you, knock me」はある意味では受験生の味方だし、「備忘録を綴る」は失恋ソングとしての殺傷力が高くて、「ラブソングはいらない」や「グッデイ、グッナイ」は多幸感に溢れていて———と、僕がバンドに対して求めている役割を全部担ってくれるめちゃくちゃ器用なバンドです。あと何よりvo.長谷川海の声が好き。何となくだけど応援ソング向きの声な気がしてます。
 今年1月にラストライブを迎え、既に解散してしまったけど、ほんとに大好きでずっと聴いてきたバンドだったし、この先も一生聴くことになるだろうなって思っています。

◯きゃない

 この先の人生で「コインランドリー」よりも好きな曲に出会える気がしないって言い切れるほど、「コインランドリー」は僕の生活の中に特別な意味を持っています。僕にとってのきゃないは、正解の見えない日々を生きる中で擦り減った部分を埋め合わせてくれるような存在です。だって最適解ばかり選んでいられるほど人生は長くないし。きゃないは、正解かどうかは分からないけど一つの答えを見せてくれるます。「僕はヒーローになれない」や「ネガティヴフライ」みたいな曲もそうだし、「バニラ」や「イヌ」みたいな恋愛ソングにも単にそれに終始しない意味が付与されているのは、彼が路上ライブという形で、リスナーに一番近い距離で向き合って音楽を届けてきた人間だからなんだと思います。

◯the quiet room

 無彩色に見える日々にほんのちょっとの色彩を加えてくれるのがthe quiet room。クワルーが描くのはいつだって"ノンフィクションの日々"です。「Fressy」や「キャロラインの花束を」みたいな多幸感溢れる楽曲も多い一方で、「ノンフィクションの日々に捧ぐ」では不安に囚われながらも無理に気丈に振る舞う主人公(=リスナー)の脆弱さを描き、「Sunday Morning」は日々の憂鬱と退屈に寄り添ってくれる。日常の中の感情の機微を、幸せも不幸せもそれ以外も全部ひっくるめて意味のあるものとして肯定してくれます。たいして良いことなんて起こらない退屈な日々さえも"泣いちゃうくらい愛しい日々"(You)と思わせてくれるのはこのバンドのソングライター・菊池遼だからこそ為し得る業だと思っています。

◯アイビーカラー

 アイビーカラーの好きな所はなんと言ってもソングライター•佐竹惇が織り成す繊細で色鮮やかな情景描写です。佐竹によると歌詞は実体験じゃなくてフィクションを描いているらしいけど、楽曲を聴いている時に歌詞が映像化されて頭の中で映し出されるくらいの彩度があって、目に映る景色が綺麗だから気づいたらその歌詞世界に囚われて感情移入してしまう感じ。しかもその切り取り方にも、視覚だけじゃなくて聴覚や嗅覚にも訴えかけていて、季節や時間帯、ロケーションといった細かな場面設定を感情に紐付けて出会いと別れを切り取るソングライティングは、代替品のない、彼らにしか描けないものだと思っています。メンバーの脱退は悲しいけど、これからもアイビーカラーの音楽には強く期待を寄せ続けるつもりです。

Bランク

 Aランクと同等に好きだけど若干自分の浸かり方がAランクに比べて浅いかなと思うバンド。好きの強さに多少の差があるだけで、自分の中での位置付けはAランクとそんなに変わらないです。

◯オレンジスパイニクラブ

 オレスパの軸って小さな憂鬱(little melancholic≒"リルメラン")を描くところにあるのではないだろうか。それは「モザイク」や「敏感少女」にしてもそうだし、「タイムトラベルメロン」に至るまで通底していることだと思います。"逃げ場のない空虚な生活の片隅"(東京の空)から見える世界への倦怠と厭気を歌にすること。オレスパにはvo.スズキユウスケとgt.スズキナオトという2人のソングライター(まあ兄弟なんだけど)がいるが、切り取り方は違っても、根底にあるものは通じていると思っています。「まいでぃあ」や「理由」みたいな幸せを描く曲でさえ憂鬱の中にあって、その憂鬱の中にちょっとした幸せを見つけられるかというのも、このバンドが描きたいものなんだと思います。

◯My Hair is Bad

 マイヘアって、過半数が自分自身の過去を引き摺った楽曲で、それも全然綺麗じゃない過去ばかりを描いてその後悔や寂寥を歌にしているバンドなのに、その一方で自分たちが生きる"今"から目を背けることはなく徹底して向き合うバンドでもあります。「戦争を知らない大人たち」「惜春」「ホームタウン」のような、過去への追憶の歌が多いことは間違いなくこのバンドの特徴ですが、それと同時に、「優しさの行方」「芝居」「味方」「歓声を探して」と、それぞれのフェーズで今と向き合う決意表明の意味を持つ楽曲も放っています。"幸せに飽きないように不幸せも食べるのさ"(翠)と歌うマイヘアもある意味、絶望しかない日々の中で敢えて希望を歌うバンドと言えるのかな。

◯back  number

 一年くらい前までは正直避けてたんですけどね。定番すぎて全くバンドに興味なさそうな人にも当然のように楽曲が届いてて、好きなバンドを訊いてback numberって言われたらどうせ無関心層だと思ってしまうくらい。そんなわけで聴く気になれなかったのですが、気づかないうちに引き込まれています。
 back numberの歌詞って基本的に自己肯定感低めでずっと悩んでるから好きです。それも順風を背に立っていられるような人には多分わからない悩み。ずっと不安と憂鬱に取り憑かれて生きている(僕みたいな)人間が一番欲するのは現状を肯定してもらうことで、多分その感覚を理解しているからback numberはリスナーの現状に寄り添ってくれるし、向き合うよりも同じ方向に視線を落としてくれる。でも時に、同じ感覚を抱く先行者として現状を抜ける為の方向を指し示してくれることだってあるし。バンドとしてどれだけ飛躍しようとそういう基本姿勢が全然変わってないのがいいなって思います。 "いつもそばにback numberがいた" だって、誰もが抱える繊細な感覚の機微を切り取る彼らだからこそ成立し得るものでしょうね。

◯KANA-BOON

 カナブーンもまた、微量だけど確かな希望の欠片を歌にして届けてくれるバンドです。やっぱり綺麗事ばかり並べられても、物事の良くない方にばかり視線が向いてしまう僕みたいな人間には何も刺さらないんで。"失くしてきたもの取り戻すような日々の中"(愛にまみれて)、"散々な日々もこんな瞬間に"(オレンジ)、"最低な夜を抜けて"(スターマーカー)。個人的に特に好きな3曲の一節なんですけど、どれも絶望に溢れる現状に寄り添ってくれるのがこのバンドの好きなところです。特にba.飯田祐馬の脱退やvo.谷口鮪の活動休止といった逆境を超えた先の今のカナブーンは更に洗練していて、活動再開後にリリースされた「HOPE」「Re:Pray」「メリーゴーランド」といった楽曲では、絶望しかない日々をそれでも生きることに対する覚悟が歌われています。こんな日々を救うのはやっぱりKANA-BOONです。これからもずっと希望を歌うバンドであり続けていて欲しいところ。

◯the shes gone

 恋の始まりから終わりまで、喜怒哀楽なんかにはカテゴライズできないちょっとした感覚を柔らかで丁寧な感情表現で切り取って繊細に描くバンド。特に片想いと恋の始まりを描く曲が多くて、いつになっても報われない感覚に感情移入してしまいます。あと、恋愛ソングを歌うイメージが強いバンドほど、恋愛ソングじゃない部分に本質があると思っていて。vo.兼丸のリスナーに対する言葉の向け方が優しすぎて、自己肯定感が低い僕みたいな人間を徹底的に甘やかしているんですよね。もう人をダメにするクッションとかと同じ類だと思っています。「Make my day」とか「春の中に」とか「shower」とか、不安や憂鬱を抱える日々を全肯定してくれるのもこのバンドの魅力でしょう。

◯This is LAST

 シズゴが恋の始まりを切り取るバンドだとするならば、lastは恋が終わりに向かっていく時間を描くバンドと言えるでしょう(まあlastって言ってるくらいだし)。こちらもまた救いのない恋ばかりを歌うバンドであり、説明的すぎるくらいの歌詞が状況をしっかり把握させてくるのでその痛みがより現実味を帯びてきます。楽曲のほとんどが後悔とよりは憎悪や怨嗟(相手に対しても自分自身に対しても)を原動力に書かれていて、失恋ソングを書くバンドがどれほど多いとしても、ここまで徹底して不幸せを描こうとするバンドって少ないのでは?人生の大部分を占める不幸せに向き合うlastだからこそ、「帰り道、放課後と残業」や「病んでるくらいがちょうどいいね」みたいなリアルを直視してそれさえも肯定する楽曲が意味を持つのだと思っています。

◯おいしくるメロンパン

 「マテリアル」のMVのコメ欄で、あるリスナーがおいしくるメロンパンを"純粋の中の狂気"って表現していたのですが、このバンドの本質をかなり的確に言い表す秀逸な表現だと思います。メロディは爽快で、彩度の高い情景描写が美しくて、それでいてどこかに影がある。その影の部分がどうやっても拭い切れないのがこのバンドの魅力を醸成してるのだと思います。一見無意味な描写の羅列に見える歌詞にも当然、比喩や象徴としての意味があって、そんなvo.ナカシマが手がける歌詞を読み解くのが好きです。それと、どうでもいいけどジャケットとかMVとかのアートワークの部分が凄く僕の好みです。

◯Official髭男dism

 2023年3月現在、間違いなく「国民的バンド」という肩書きに最も相応しいバンドはOfficial髭男でしょう。ほとんどのリリースがめっちゃ大きなタイアップついていて、それでいてちゃんとそれに見合うだけの壮大なスケールの楽曲を届けることができるし、万人から広く愛されて然るべきバンドだと思います。音楽的なこと詳しくないけど、それでもサウンドの感触とか他のバンドとは一線を画すのが何となく伝わるし。初期の髭男と現在の髭男ではかなり作風が変わっているとは言われているけど、僕はどちらも同じくらい好きです。

Cランク

 Cランクまでは、一回でいいからワンマンに行きたいと思っているバンドです。あと、CDを買いたいと思えるのも多分Cランクくらいまで。自分では自信を持って好きと言えるラインです。でも、Bランクまでと比べると入り込みが浅くてまだまだ知らないことが多かったり、知らない曲も結構あったりします。

◯SUPER BEAVER

 多分、他のどのバンドよりも言葉に力が込められている。歌詞もそうだし、ライブのMCもそうだし。生で見たことはないけど、以前YouTubeで公開されてたライブ映像を見たりしてぶっ飛ばされました。ボーカル(渋谷龍太)とソングライター(柳沢亮太)が違うのに、扱う言葉には通底したものがあるのって、バンドの軸が一切ブレてないからなんだろうなって思います。
 人の精神状態って無自覚で我儘で。寄り添って欲しいとか先導して欲しいとか今を肯定して欲しいとか、その時によって好き放題言ってるけど、ビーバーの楽曲はリスナーより前に立って引っ張ってくれるような曲が多くて、それでいてリスナー最優先だからこその優しさがあるから他のバンドにはない唯一性があって、日によってはビーバーが何よりの救いになる時があります。"あなたたち"ではなく、一人一人の"あなた"に向き合うSUPER BEAVERの生の声を早く浴びてみたい。

◯flumpool

 この並びにflumpoolがいるの、見る人が見たらかなり異質に感じるのかもしれないけど。僕がflumpoolに出会ったのは中学2年生の後半くらいだったかな。当時は活動休止中だったけど、YouTubeで能動的にMVを見るくらいには大好きになり、「明日への讃歌」や「どんな未来にも愛はある」、そして活動再開と同時にリリースされた「HELP」は当時の僕にとっては救いの音楽でした。クリープやsumikaのファンになったのは高校生になってからなので、人生で初めて好きになったバンドがflumpoolと言うことになりまく。ちなみに、人生で初めて買ったCDもflumpoolの「real」でした。
 世間的にはアイドルバンドとか言って揶揄されてるイメージだけど、僕はflumpoolの楽曲が好きです。音楽性のことは僕には語れないけど、どちらかと言うと哲学の部分。決して順風満帆じゃない、寧ろ何度も逆風を受けてきた人だからこそ、その言葉には力が宿っていて、聴く人の感情の芯の部分が揺れる。紛れもなく僕自身の人生観を形作ってくれたバンドの一つです。

◯Omoinotake

 「空蝉」や「彼方」のMVを見ていると、omoinotakeって屋上での演奏シーンが凄く似合うバンドだなって思います。いや、でも「産声」や「EVERBLUE」みたいな屋内で演奏してるMVもめっちゃお洒落でかっこいいし。多分、演奏シーンが一番映えるバンドは彼らなんです。she'sもそうだけどキーボードボーカルって凄くかっこいいなって個人的に思います。
 見た目だけの話じゃなくてサウンドも洒脱でアーバンな雰囲気がしてして好きです。ボーカルも綺麗で、歌い出しから心をキャッチしてくる感じ、omoinotakeでしか味わえない感覚だと思っています。この洒脱さを纏いながらも、歌詞は誰もが感じている葛藤を映し出すものが多くて、それも悩める人の心に直接語りかけてくるものばかりです。リスナーとの間に距離を感じさせるどころか寧ろ近づいてくれるのが彼らの魅力です。

◯04 Limited Sazabays

 初めまして、雑種と申します。4月から名古屋に住むことになりました。まあ名古屋といえばやっぱりフォーリミですよね。私も好きですよ。
 フォーリミを聴くようになったのは受験期の真最中みたいな時期だったけど、ちょうど今年に入ったくらいから「Just」「Keep Going」「swim」「My HERO」あたりの楽曲をずっと聴いてました。すごく勇気づけられるので。以前どこかでお聞きしたけど、GENは背中を押すんじゃなくて摩ってあげたいって語っていたそうです。言われてみればフォーリミの曲ってどれも今を映す曲ばかりで、ちゃんと今を肯定してくれている。フォーリミは僕にとって、自己を否定することしかしてやれない僕の代わりに、自己肯定という役割を請け負ってくれているバンドの一つです。

◯PLUE

 plueもまた、フォーリミと同じく名古屋発のバンドですね。plueというバンドの特質はあくまで"ラブソングを歌う"ことに拘っていることでしょうか。それも主人公が報われない恋ばかり。誰かの失恋ソングって所詮は自分が味わったものでもないんだからある程度の距離から俯瞰することができるはずのに、その感情が直接触れていない僕の肌に伝わってくる感じ。もう感情移入とかそういう枠組みを超えてる。plueの失恋ソングが齎す特有の感情は多分back numberのものに近いです。実際、影響は受けてるらしいけど。聴いた後に心臓手前の皮膚が剥ぎ取られたような感覚に陥るのは本当にplueとback numberくらい。「ALARM」のようなリスナーの背中を押す意味合いを持った楽曲でも、一貫してラブソングという形で描くのがplueらしいなって思います。

◯須田景凪

 バルーンは好きじゃないけど須田景凪は好きです。生身の人間の声じゃないと耳を通すことができない体質なので。そう言うと周りからは馬鹿にされますけどね。あ、でもバルーンの「メーベル」とか「パメラ」とかめっちゃ好きです。セルフカバーで聴いてます。
 とりあえず生身の人間の声しか信じることができないから須田景凪は好きです(自分勝手)。音楽性はめっちゃかっこいいなって素人なりに思います。先行きの見えない日々への憂鬱を描いてくれるし。綺麗だけど少し影がある感じが僕好みです。ちなみに、僕はアボガド6さんが手がけるMVより"アボガド6さんの画力が上がった"MVの方が好きです。

◯秋山黄色

 光になれなかった人間なので、光の側のカルチャーは苦手です。どうやったってマイナスな捉え方しかできない僕とは根本的に違う人種なんだろうなって思ってしまいます。そういう意味で、秋山黄色は僕なんかの弱ささえも理解してくれている気がして好きです。
 秋山黄色という人間の素性に一番近い部分が見える楽曲は「クラッカー・シャドー」だと思っています。希望が見えなくて生への確証すら持てない脆弱で不安定な精神状態を歌う秋山黄色は、人間の本質的な脆弱さも、現状が絶望に溢れていることだって理解している。そうした現実から目を背けない彼だからこそ、「サーチライト」や「ナイトダンサー」では踠き苦しむ中でも少しだけ強がって前向きに生きる姿勢を描くのだと思います。

◯シンガーズハイ

 僕がシンガーズハイを認識したのはちょうど昨年の今くらいの時期で、何で出会ったのかは覚えていないけど、偶然手に取った「僕だけの為の歌」やその後リリースされた「ノールス」を初めて聴いた時の衝撃と、その後しばらく聴かないうちに、当時1万人を切っていたはずのSpotifyのリスナー数は10万を悠に超え、「ノールス」のMVが200万回再生越えになっていたりと、めちゃくちゃバズり始めていることを知った時の衝撃は鮮明に覚えています。多分、シンガーズハイに初めて出会った時の衝撃ってクリープハイプに初めて出会った時のに近くて。"似てる"って言うと失礼にあたるかもしれないけど、単に声が似てるとかそう言うのじゃなくて、「グッドバイ」や「明日にはきっと」みたいな絶望に寄り添う言葉の紡ぎ方の軸が初期のクリープハイプと重なって好きなんだと思います。

◯リュックと添い寝ごはん

 EP「青春日記」がリリースされた当時、彼らはまだ高校生で、表題曲を含めて、答えの見えない空虚な"青春"という時間を生きる人間の心境を描く楽曲は彼らだからこそ書くことができるものであり、このバンドの存在を知った当時高校2年生だった僕の心も囚われてしまいました。そして僕より丁度3歳年上のリュックは、歳を重ねるにつれて楽曲の描き方を更新し続けていて、"今の僕にしか描けない日々"に徹底して向き合い続けています。"20歳の取扱説明書"と銘打たれた「東京少女」やそれぞれの帰る場所を映し出す「home」など、リュックの楽曲はどれも同世代のリスナーに捧ぐささやかで可憐な応援歌で、手垢塗れだけど"等身大"って言葉が一番相応しいバンドだと思っています。

D•Eランク

 確かに好きだとは思っているし楽曲を聴くときの選択肢には入ってくるけど、好きと言っていいのかは自信を持てないレベル。ワンマンに行くかは微妙だけど、フェスに出てたら見たいかもくらい。"好き"と言うよりは、"ちょっと聴く"くらいが正しいのかもしれない。この辺りになってくると、まだ自分にとっての捉え方が固まっていなくて、どうして好きなのかを上手く説明できないものが多いです。でも興味はあるのでこれから聴いていくうちにもっと好きになるかもしれないとは思っています。
 DランクとEランクの違いは本当に好き度の差でしかありません。

(ここから先は特に個別で語れることがないので割愛します。)

あとがき(?)

 誰も待ってはいないけど自分の好きなバンドを紹介したくなったのでめっちゃ長々と書き連ねてみました。なんか色々書きすぎたけどよかったら読んでみてください。あと、おすすめのバンドとかいたらプレゼンしてほしいです。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

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