『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』

『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』(オードリー・タン〔述〕NHK出版2022)

台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タン氏は、Joinというプラットフォームを構築しました。選挙権を持たない学生であっても請願でき、5000人以上の賛同があれば、行政側はその請願を取り上げ検討しなくてはならないことになっています。
Joinから、飲食店やコンビニでのプラスチック製ストロー提供を廃止する取り組みが実現しました。提案者は16歳の少女だそうです。

このようなさまざまなイノベーションによって、台湾では市民自らがデジタル技術を用いて政策に積極的に関わったり、フェイクニュースに対抗してファクトチェックを行ったりと、人々の公益に向き合う意識や主権者としての意識が高くなりました。
一方今の日本政府は、マイナンバーカードによって、国民を効率的に管理しようとしています。どんくさいからうまくいってないけど。

デジタル技術は民主主義のインフラにならなくちゃいけないんです。
「台湾では、ブロードバンドを基本的人権と捉え、遠隔地や僻地を含め、全土において安定的に接続できるインターネット環境を整備しています。」
ブロードバンドは基本的人権!
その発想はなかったなぁ。

ちなみに、氏は小学生のころ、ドイツの学校に通っていたそうです。
「自主性が尊重されるドイツの学校では、生徒自身が学びたい授業を選択し、自身の主張を的確に表現できることが尊ばれていました。ドイツで学ぶまで、台湾の学校の環境になじめず、不登校も経験していた私にとって、ドイツでの1年の生活が確実に変化をもたらしました。」

オードリー・タン氏のような人が、日本にも現れてくれないものだろうか。


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