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自社の強みを減らすことになったホロライブ

先日、カバーは記念配信に関する変更をnoteで明らかにした。

端的に言えば年2回行われていた3Dライブなどの記念配信を1回とし、場合によってはライブではなく他のことに置き換えていくという主旨の内容だ。
売りの一つである3Dライブを減らすのはかなり大きな変更だと思ったが、今回はこの変更に対する率直な感想を述べていく。





もっともらしい変更に思えるが…

あえて運営に寄せて言えば、タレントが増えてライブの回数が増加した結果回らなくなったので3Dライブの機会を減らし、開催日に柔軟性を持たせたりライブ以外の企画も視野に入れるようにした、ということだろう。

開催日に関しては詰まっている月もあるので仕方がない点だし一見悪くない変更にみえるが、総合的にみて少々見込みが甘かったのではないかと思ってしまう。

そもそもタレントが増えればライブも増えて回らなくなるというのは、誰でも予見できることであり事前に対応できることだ。ライブを減らすという判断をした運営自身が一方では毎年新人タレントを増やし続けているわけであり、コントロールができないことではない。

新人タレントが加入すると話題になるので続けたいのはわかるが、その結果既存タレントが割を食う流れになると素直に喜べなくなってしまう。

運営は年々人員を増やしていたし去年には新スタジオを設立していたので、私は問題解決のためだと思っていた。
しかし結果としては醍醐味であるライブを減らすという決断をしなければならなくなった。
これは適切な対応ができなかった運営の敗北宣言ともいえるだろう。



不満がないと言えば嘘になる

諸々の事情があるとはいえ単純にライブが減るというのはファンからすればガッカリだし、タレントの個人ライブを軽視しているのではないかと捉えられても仕方がない。

特に去年は新スタジオが設立し、色んなところで大々的にアピールをしていたのでライブに対する期待値は高まっていた。
だが蓋を開けてみればタレントから次々に延期が発表されたりライブ自体が置き換えになったりする事態になり、一体あのアピールはなんだったんだと当時私は拍子抜けをした。

また記事には代替案として外ロケとバラエティ番組が挙げられていたが、正直ライブに取って代わるものではない。外ロケはすでに何人かのタレントがいち企画として行っているし、バラエティ番組も色んな配信で行われていてそこまで特別感があるわけではない。

実際に2023年はコロナのしわ寄せが来た影響で一部タレントは代替せざるを得なくなった。私はそれを一時的な措置だと思っていたが、どうやら来年以降の試験的運用も兼ねていたようだ。

ライブができないことを暗に残念そうに語っているタレントもおり、中には開催できない不満を直に漏らしている人もいた。ライブをメインのアピール場所と捉えているタレントも少なくないので、そのような不満を抱くのも無理はない。



野放しにしてはならないリソース問題

文中では限られたリソースについて触れている。たしかにライブはタレントにとって多くのリソースを費やすものではあるが、果たしてリソースを食っているのはそれだけだろうか。

去年頃から案件や運営主導の企画が増えていったことは日頃から配信をみている人は気づいただろう。それらが好評ならともかく「それ、本当に必要?」というものや直接批判の的になってしまうものも少なくなかった。

方や必要だったのか疑問に残るものにリソースを使い、方や身銭を沢山切ってでもやりたいライブの機会を減らす、というのは本当に正しいリソース配分なのだろうか。

平たく言えば見たくないものが増える代わりに見たいものが減るということであり、ファンとして喜べることではない。



その場しのぎでしかない

今回の変更で問題は一旦解決するだろうが、これは根本的な解決にはなっておらず延命措置に過ぎない

今後もこれまで通りタレントが増え続ければ3D記念配信も増えていくので、いずれ今回のような問題がまた出てくるのは容易に想像できる。
もちろんタレントを増やさないという方法もあるが、才能ある新人が勝手に集まってくる今の状況で運営が募集を止めるとはちょっと考えにくい。

もし今後同じような問題に直面した場合どう対応するのだろうか。今回は機会を半分にすることで乗り切ったが、1回を0にするのはさすがに無理がある。時間を半分にでもするのだろうか。
いずれにせよあまり賢い方法だとは思わない。



おわりに

本来であれば会社側はタレントを輝かせるために必要な人員と施設を用意するのが仕事のはずだが、それを適切に行えなかった結果現場のスタッフとタレントにしわ寄せがいき、代償の大きい決断をせざるを得なくなった。

ホロライブはクオリティの高い3Dとライブで人気を得てきたコンテンツであり、コアコンピタンスの一つと私は捉えている。
最近は他社でも3Dライブをするところが増えてきており、追いつけ追い越せになってる中でホロライブは減らすことになってしまった。

ホロライブ全体でみれば年々ライブ数は増えていたものの、タレント一人に与えられるライブの機会は同じだったので単推しからしてみれば普通に減っただけである。
私はそういったファンに対して何かひとこと言うべきことがあるのではないかと思っていたのだが、記事では変更に至った理由が多く並べてあるだけで自らの正当性をアピールするにとどまったのは残念だ。

昨年気概あるタレント達の3D記念ライブをみて「やっぱりホロライブは良いコンテンツだな」と感じていた中での今回の変更だったので、ただただ悲しいというのが率直な気持ちだ。
この変更によって今年はどう変わっていくのか、期待よりも不安が大きいが注意深く見守っていきたい。



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