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私を構成するアルバム④Judas Priest『Painkiller』

みなさんメタルはお好きですか?お好きですね。
Judas Priestの新曲は聴きましたか?聴きましたね。
聴いてない?
では聴きましょう。

自分がヘヴィメタルという宗教に入信するきっかけになったバンドが、数十年を経てもマイルドになることなくヘヴィメタルを貫いてくれる。
歳をとっても衰えない人たちがいると、自分もそうなれるかは分からないけど歳をとることに対して少しだけポジティブになれます。

どうも、ザルソバです。
Judas PriestのCDがまとめて行方不明で画像を用意できませんでした。

Marilyn Mansonの話の続きです。



Marilyn Mansonを聴いて「こんな最高の音楽に影響を与えたのって一体どんな音楽なのだろうか」と興味をもった僕は、マンソンの自伝にあった『ジューダス・プリースト』という文字に強烈に惹かれます。
他にもKISSやMotley Crueの名前も彼が多感な時期に聴いたバンドとして挙がっていましたが、何せ『ユダの司祭ジューダス・プリースト』ですからね。

聖剣伝説3のケヴィンはゴッドハンドよりデスハンド、東京魔人學園で一番好きなのは壬生。
真ゲッター1の悪魔のような顔に惚れ、何かに使うでもなく英和辞典でルシファーとかパンデモニウムの綴りを調べる痛い(しかし何処にでもよくいる)10代だった自分は、その名の背徳的な響きに心が踊り、どれだけ恐ろしい音楽をやっているのか思いを馳せました。

幸い大学生になり行動範囲も広がったので、自分で車を運転して地元で最も大きいTSUTAYAである熊本三年坂店にCDをレンタルしに行きました。

1Fは落ち着いた書店フロア。今日は用が無いのでエスカレーターで上へ。
2Fと3Fはエステ店や雑貨屋のテナントが入ったフロア。一生縁が無いのでエスカレーターで上へ上へ。
4F。レンタルCDのフロア。清掃の行き届いたシックな白い壁とグレーのカーペットで下の階に負けないように雰囲気作りを頑張ってはいるが、努力虚しく明らかに客層が違う。
右手の店に目をやればプログレコーナーにAsh Ra Tempel、左に見ればアニメサントラコーナーに『勇者特急マイトガイン 歌のアルバム』が揃う熊本県民の「福岡には負けとらんばい」というプライドと対抗意識が作り上げたちょっとマニアックなフロアです。
サブスクなんて無い時代だったので、本当にここは熊本の人たちの生活の充実度を底上げしていたんじゃないかなと思います。

もちろんHR/HMコーナーもあり、ジューダスプリーストのアルバムも豊富に並んでいました。
しかし「この曲を聴け!」の存在も知らなかった当時の自分は何から聴いたらいいのか見当もつかず。
とりあえず適当に一枚手に取ってみると・・・


このジャケットに一目惚れしました。

まずドラゴンのようなバイク。カッコ良すぎる。
しかもタイヤじゃなくて丸ノコの刃が付いています。当然、公道を走るのは無理だから飛んでます。カッコ良すぎる。

それに跨るのはメタルボディの天使のような人物。金子一馬が「聖書の記述を見ると天使ってロボットだよな」と言っていたのが好きなのですが、このジャケットに描かれているのは正にそれ。

ジャケットの上半分はアクシズ落としが成功したかのような雲とも火山灰とも取れない暗く淀んだ空。
下半分はその対比となる夕陽と赤熱した大地に飲み込まれていくビル群・・・。
人類の終末の瞬間を切り取ったかのような、あまりに完璧なアルバムジャケットを見てすぐにレジに持っていきました。

帰りの車で再生してまた衝撃。

一曲目「Painkiller」、再生した瞬間のドラムから最後の「Pain!!!!!!!!!!」まで完璧。
そのあとも徹頭徹尾全て名曲。初めて本格的にメタルに触れた人間を地獄の深淵まで叩き落すのにはこれ以上無い一枚でした。

このアルバムが改めて語るまでもない程のヘヴィメタルのマスターピースであることは後に知りますが、そんな名盤を一発で引き当てるとはまさにメタルの神の思し召し。
ていうか正にメタル・ゴッドことロブ・ハルフォードの思し召し。

『Painkiller』を手に取った瞬間こそ、僕のこれまで続く、そしてこれからも続いていくヘヴィメタルのある人生の始まりでした。
もしあの時に他のアルバムをツタヤで借りていたら別の人生になっていたのかも、と思える程の出会いでした。





・・・だから、「Painkiller」を聴けば誰もがみんなヘヴィメタルが好きになると思ってたんですよ。いや本当に。心から。

ある日、片道約1時間の道のりを同級生の女子を乗せて車で送ることになりました。
車のCDプレーヤーには当然アルバム『Painkiller』が入れっぱなしです。

女子を乗せて自分も乗り込み、シートベルトを締めてエンジンを始動。
車のライトが付いてCDの再生が始まると同時に流れ出すJudas Priest。
次に助手席から「これ何てバンド?」と話しかけられることを想定していました。

実際に言われたのは



「あーこういうの聴くんだ」



聴くよ!!!!!かっこいいから!!!!
世界で一番!!!!!!!!!!!!!!!!!


今にして思えば他人が何をどう思っているかなんてどうでもいいことなのですが、この時は人類がみんなJudas Priestを一発で気に入るわけじゃないのかと驚きました。
文字に起こすと当時の自分の感覚が異常だよ。


しかし、僕は人類は二種類に分かれると信じています。

片方はヘヴィメタルが好きな人。

そしてもう片方は、これからヘヴィメタルが好きになる人。


メタルはお好きですか?
聴いたことない?

・・・キタエリとかどうですか?


おしまい

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