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行き当たりばっ旅 〜北陸・信州編〜Ⅲ

福井の朝、車を停めた駐車場に向かうと案の定雪が車を固めている。
ジャンパーの袖で雪をこそげ落とし、ミラーを万全に確認していざ出発。

粉雪はいつしか霰に変わり、そして止んだ。
晴れ間が見えた頃、東尋坊に到着。
陽気な駐車場のオッチャンから券を買って駐車。
まだ開店前の土産物屋の並ぶ、石畳の坂道を下っていくと、そこは東尋坊。

日本海の荒波が容赦なく岸壁に叩きつけられる光景は、
自殺を思う人を思い止まらせるに相応しい破壊力を持っていた。
段々とまた霰が激しく降り始める。
車に戻り、次の目的地を探す。
すると見つけた。
さらば東尋坊、車を北上させる。

雄島は赤く長い橋を越えた先にある。
暴風が吹き荒れ、波が荒れる海上にかかる橋を渡るのは中々スリリング。
腰をかがめてヒーコラ渡っていたら、対岸から平然と地元の方が歩いてきたので屈むのはやめた。

島に着くと嵐は止み、太陽まで差してきた。
草原と岸壁、飛沫く波と青空の光景は何とも美しい!

また風が吹いてきた。
島には2.3時間もいたらしく、そろそろ腹も減ってくる。
福井といえばカニ!
福井といえば北陸代理戦争!
目的地は三国に決定!

海沿いにあるカニ料理屋でカニ丼を食べる、が。
俺の舌はブランドを理解するほど上等ではなかったらしい。
大体普段からしてカニなんて食べないんだから質の上下は分からん!

明後日には帰京しなければならない。
東京方面に向かいつつ、何か面白いものは無いか…

長野の山中に水族館を発見!
これは面白い、一体何が待ち構えているのか。

長野方面へ車を走らせるが、雄島を巡った疲れが出たのでサービスエリアで休憩。
…もう16時!水族館は明日行こう。

また雪が強くなる。
進むたびに雪の積もりが高くなる。
雪を見越してスタッドレスにしていてよかった。
もしノーマルだったら途中で止められていた。
しばらくすると目前に除雪車!
初めてみた。
買っておいた芋けんぴが退屈しのぎにちょうどいい。

長野は松本に宿を取る。
松本まで来れば既に雪は止んでいた。
ネットで予約した宿に着くと、中は真っ暗。
あら?
ベルを押したり声をかけたり電話をかけたりして、
宿のご主人登場。
どうやら今日はもう予約が無いと思ってネット予約を確認していなかったとのこと。
ネットに慣れすぎた!電話して予約すべきであった、反省。
夕飯を食べていないことに気づき、近くの店を探す。
家系ラーメン…どこでも食べられるけど、今はどうしようもなく美味そうに見える!

明日は山の水族館!

つづく

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