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それぞれのブルースだだ漏れ、世はずぶ濡れ

朝から髪を整えるためのコテでアゴと耳を焼く、うまれながらの罪人、オーゴッド、言うたり言わんかったり、痛い。
自転車で坂をのぼる老人、えっほいさ、よっと、こなくそ、とえらいでかい声、ええぞ、長生きのためにもっとこげこげ、生きろ生きろ、と思いながら原付で追い越す。

日本の犬や猫は日本語で、外国の犬や猫は外国語でものを思うのだろうか、そもそもこちらの言語をわかってもらえているという感覚がエゴであるが、気にはなる、野良が今日もきったない道でごろごろしている、かわいい。

朝から歩きタバコでうろついてるオバハンが、歩きタバコでうろついてるオッサンとすれ違う、あんたどこいくんこんな朝はよから、と声をかける、オッサンはすかさず、あっちのほうまでパチンコ!と答える、オッサンは左にタバコ、右に缶チューハイのストロングスタイルである、朝8時半、そんなはよからパチンコ開いてんのかはちょっとわからない、が、しかし。
己のようにぐぢぐぢと世やら人生やらに憂いては嘆き、としているより幾分そちらの方が健康やな、それぞれの日々、それぞれにブルースがある、と思うとぐっとくるもんがある、ような気もしないでもない。

スーパーでたまごが根こそぎ売り切れている、日本中の鶏どうしたの、元気ないか、そういう時もあるわな、卵に頼りすぎの食卓に対するボイコット?
それもまたブルージー、世はひたひたである。

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