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大いに泣く、ライラライラライ

やはり声を失ったまま顔面が痛い、顔面はすで割れているのかもしれないな、と思う、もうどうでもいい気持ちにはなっている、顔ぐらい割れててもいいよ、いいから楽にしてよ、割れてるとこは金継ぎしてもらうわ。
今夜友人たちと焚き火をする予定だったがキャンセルする、今わたしに必要なのは療養なんだと思う、無念。

朝から職場が近所の友達に駅で会う。
おはよう、と言う、声の出てなさに、どうしたん、と驚かれる、ふくびくうえんでさ、とやはりこちらは半透明なかさついた声。
よていしてたたきびもいけなくなったねん、と言う、じゃあまた、おたがいきょうもがんばろうね、と手を振って別れる、最後彼女の耳にわたしの声らしきものが届いたかはわからない。
よていしてたたきびもいけなくなったねん、言葉にするとどんどん悲しくなってきた、いま、まさにぜんぶうまくいってない、これがノーフューチャーか、と咳き込む、絶望。

かかってきた電話の応対も声を出すたびに吐きそうなほどむせ返り涙がぽろぽろこぼれる、電話口の相手にすいません、と言う、マジで死ぬ、とも思う、トイレで咳き込んで、あー死ぬあー死ぬ死にそう、と言う、こんなことなら仕事を休んだ方がマシだったのでは、と思うが、やらねばならん計算やら処理が必要な書類などが山積みである、繁忙期。
こっそり泣く。

かつて小中のどちらだったか覚えてないが、世界名作劇場のアニメのエンディングテーマを音楽の授業で歌ったことがあった、中学やったかなあ、いい歌やなあ、と当時も思っていたのだが、ふと仕事中にその歌詞が脳内に降りてきて、え、ほんまにそんなこと言うてた?と検索、ほんまに言うてた、しかも作詞作曲はライラライラライ、でおなじみの谷村新司御大であった。
いや今聞いてもめちゃくちゃいい曲、帰り道聴きながら呆然とする、ちょっと泣く。
ついでにフランダースの犬のやつも聞く、なんちゅう名曲、きらきらとした明るさが美しくラストシーンの憂いを際立たせる人生讃歌、そらオープニングでもエンディングでも同じ曲使うわ、フランダースの犬は世代ではないけれど改めて見ると作品の美しさがすごい、あれは大人のもんや、ネロと同世代にはわからん。
絶対に今、世界名作劇場と日本昔話やった方がええと思うけどな、そしたら回る寿司で醤油吸うのがおもろいと思うような下品な感性の奴減る気するわ、まじで。

パンを買わなくちゃと思っていたのだけどすっかり忘れてお好み焼きソースとしめじを買って帰宅、パンはどこ、ガッデム。普通に泣く。

こんなに咳き込んでしんどいのに明日は、せっかく予約をしている、キャンセルしたら罰金をとられる、という理由で脱毛に行く、ほんま酔狂、あほちゃうかな、けちもほどほどにしいや、正直わたしに毛が生えていようが生えてなかろうが興味のある奴などどこにもおらん、そう、そんなことはなからわかってる、でも敵は己やから。な!
な!と言われても、ねえ。
顔の痛いアンポンタンは21時半に就寝。

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