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Around40とジョンレノン

ジョンが自らの”熱烈なファン”に命を奪われた時、彼は40歳でした。
10代の始めにビートルズに出会い、20代のfab4に恋した私にとって、
40歳というのは64歳よりは結構若いけれど、紛れもなく”大人の年齢”で、
自分がその歳になるのはずっとずっと先のように感じていました。
でも一方で、「彼は大変若くして亡くなった」という言葉を見聞きすると、
そうだよな、と思ったりもしていました。
つまり、40という年齢は、なんとなく掴み所のない、ある種中途な年齢のように感じていました。

そして今、彼が亡くなった40という歳に近い年齢、
つまりAround40となった私は、
この40歳・40代という年齢の絶妙な中途さをひしひしと感じています。

ジョンは、「人生は40から始まる」と歌っていますし、
亡くなる前のインタビューなどでも40という年齢について語ることが少なくありませんでした。

40歳になったという気がしない。まるで子供みたいな気でいるよ。
僕は40歳で、同年代の人と話がしたいと思っている。
40歳で死ぬわけにはいかないから、これまでとは違った新しい生き方を身につけたいんだ。

およそ5年の主夫生活を愛する妻と息子に捧げた後、ヨーコと共に音楽の世界に戻ってきたジョン。
いろいろな要因が重なったのでしょうが、その年齢が40だったことは、
本当に「満を持して」という絶妙なタイミングだったのではないかと想像します。

40という年齢が絶妙だと思う理由。
例えば、人生80年だとして(現代日本ではもっと長い時間が想定されますが)、40年というのはその折り返し、半分です。
これまでの40年を振り返った時、
私の場合、当然それと同じような40年をこれから過ごす(過ごせる)とは到底思えず、
全く違った40年を過ごすことになるだろうと、何の疑いもなく予想します。

40年の間には紆余曲折があり、深く記憶に残っていること、全く覚えていない期間など、人によって印象はそれぞれだと思いますが、
私にとってAround40という年齢は、Around20あたりの自分と出会い直すには絶好のタイミングだと感じています。
Around30ではまだちょっと生々しい部分があり、多分Around50では記憶がかなり薄れたりすり替えられたりしていそうで、
このAround40は、色々と丁度良い年齢だと実感しています。

できることよりできなくなることを意識しがちになるAround40の人間において、Around20あたりの記憶は心の支えの一つに大いになり得ます。
その記憶は時にフィクションのように思えることもありますが、
きっと20代の自分にとっては今の自分が虚構に思えるかもしれないし、
そういった、たかだか20年、でもlong and windingであった20年という時間の経過で、自分の見える景色や考える道筋が変化していることに面白みも感じます。

きっとジョンも、5年の沈黙の中で(世間がそう言うだけで彼は全力で生きていた訳だけど)、新たな自分や、目を背けてきた自分に向き合うことがあって、
音楽の世界にカムバックした時には、ビートルズや、fab4のジョンに対して
それまでの辛辣な視線とは違った目を持って対面することもあったのではないかなーと、希望的推察をしてしまいます。

ある意味中途で、絶妙で、つまりAround40は、自分の過去と未来をどうとでも創ることのできる、とても素晴らしい年齢だということ。

そんな風に前向きに捉えられる日ばかりではないけれど、40歳を迎える時、
「人生は40から始まる」とまでは言えなくても
「40から始める生き方もある」くらいの心持ちで過ごすことができたらいいなーと考えるAround40な今日この頃です。

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