【code=221222_君と僕のいない部屋】

ふいに起きて 寝坊したのに気づく木曜日の朝
慌てて支度をして しまらない自分をタイトに纏める

今にもそこから声がしてきそうなんだ
『ほら、急がないと遅刻するよ』

髪を直して 歯を磨いて 着替えてネクタイを締めて
さぁ 今日も頑張らないといけないと自らを鼓舞しても

影だけそこに残した君の姿があるんだ
『一昨日はそこにいたのに』


君もきっと 同じ気持ちを抱えて
君の部屋で 身体を丸めているのだろう

僕のいないその部屋の温度を拾うように
君は今日を 明日を過ごしているのだろう


組み立ててゆく未来のなかに
二人ですっぽりおさまれるように
僕は広い部屋を 世界を作ろう

窮屈でもなく 寂しくもなく
ちょうどいい部屋にしよう
ちょうど二人でゆっくりできるくらいの


君も僕もいない部屋
そこに踊るのは数多の記憶
それが幻でなく 確かな毎日であれるよう

僕は今日も 設計図と睨めっこだ
加筆修正は君にお願いしよう

二人の空間だからこそ
二人で作りたいと思うんだ

二人だけのサグラダファミリアを

----------

phenomenon.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?