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私とクラリネットとの出会い。

私の通う小学校では、クラブ活動とは別枠で、ブラスバンドが存在した。

普段見た事がないような楽器を好きに触れるとのことで、音楽が好きな子供は皆音楽室に吸い込まれるように走って行きました。

私は当時、吹奏楽やブラスバンドが一体どういうものなのか全く知らないし、さほど興味も沸かなかったのですが、

同級生の中で【流行っている】物にはとても興味があり(閉鎖的な家で育ち、流行りのものが何なのか分からないけど、同級生が楽しそうに話しているのを聞き耳を立ててこっそり知識を得ていた。)

流行ってる物に私も触れてみたい。という一心で私も音楽室に足を踏み入れたのです。

どの楽器にするか

吹奏楽あるあるなんですが、楽器希望は人気が偏るので、先輩や先生が美味い理由を付けて人気のない楽器に回される。というのが定番の流れです。

私が行ったその日は特にトランペットとフルートが集中していて、勿論流行り物がいい私はその人気の楽器希望の列に並びました。

ですが、人数オーバーで当然のように締め切られ、色々回りましたが、最終的に残っていたのはクラリネットでした。

楽器によって編成の平均人数というのは決まっていて、クラリネットは人数が沢山いても問題ない楽器でした。

それが始めて管楽器に触れた瞬間でした。

初めての和音に感動

編成の多い中での音楽を経験されている方はわかると思いますが、一誠に息を合わせて音を響かせる、というのは言い表せない程の感動があります。

子供の私はその音圧に飲まれ、しっかり感動で泣いてしましました。

ですが、部活の中でも私は先輩とも打ち解ける事ができず、発言をあまりしない暗い子として煙たがられていました。

当然、楽器はボロボロのプラスチック製を与えられ(通常は木でできています)楽譜の読み方も教えてもらえず、だんだん音楽室に通うのが億劫になってきました。

祖母がクラリネットを買ってくれた

何故なのかはいまだにわからないけど、祖母がいきなり楽器を買ってくれました。1番安いものでしたが、ちゃんと木製で、私は今まで買ってもらったものの中で1番嬉しかったのを覚えています。

私の地域は吹奏楽が強い地区で、楽器店も全国的に有名な所なのですが、そこで私が買った楽器を選定してくれたプロの方が、週一でレッスンも見てくれるとの事だったのです。

その頃には私は楽器に対して本気になっていたので、レッスンに通って部活じゃなく1人でやっていこう!と決心しました。

しかしタイミングの悪い私は、先生にイジメを受けていたときのお話しした際の、野崎との喧嘩で指の骨を折っていたのです。

左手の人差し指です。クラリネットは左手から順番に指を抑えていく楽器なので、その指で鳴る音は限られています。

結局祖母にレッスンは無駄だからおわりにしなさいと言われ、1度だけで終わってしました。

初めて将来の夢ができた

私の中で、将来つきたい仕事が決まりました。

それは、楽器の修理、リペアの仕事です。

楽器屋さんで見た工房での職人仕事が凄くカッコよく、絶対この仕事がしたい!!ととても強く思いました。

中学では全国レベルの厳しい吹奏楽部に入り、(ここでも先輩からのイジメはあった)本当は高校に行かないですぐ修理の勉強をしようと思っていました。

ですが今の時代、なんでも資格や専門学校というものがあります。

リペアの学校は全国でも数少ないのですが、たまたま私の実家から電車で行ける範囲の場所にありました。

なので、専門学校の入学には高校の卒業資格が必要だったので、それを見越して高校に進学しました。

この話はまた次回。


クラリネット、気づけば20年以上やっている

高校でも吹奏楽に入ったのですが、弱小校だったので、これはやりがいがないな、と高校入学2日目で、大人の市民アマチュア楽団に入団しました。

始めて沢山の優しい大人達と長年一緒に過ごし、とてもいろんなことを教わりました。

初めてのお酒の飲み方、初めてのイベント、その人達の様々な仕事内容。皆とてもいい人たちで、その場所が大好きでした。

高校の時に不祥事を起こした時も、楽団仲間の家で反省文を手伝ってもらい、あまりのビジネス文書形式ですぐに先生にバレてしまったのも笑い話です。

今は仕事で皆バラバラになってしまったけど、その人達のおかげで今の私があるので、困っていたら今度は私が助けに行ってあげたいです。

そのくらい大人になったよ。という所を見せたいです。

そんなこんなで、気づけばもう20年以上楽器をやっていました。

楽器は買い替えなど1度もせず、ずっとあの時買ってもらった安いものを使っています。

たまによそのゲストで練習に呼ばれて『ああ、〇〇だから音が合わないのか』と馬鹿にされることもありましたが、買い換えるつもりはありません。

浪費家で、新しいもの好きで、すぐなんでも買い換える私には珍しいことです。

大変なことはあったけど、あの時同級生の後をついて行って音楽室にいって良かったなという思いです。

自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。