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同人活動では文章製造マシンだった。


私は漫画が大好きだ。今で言う腐女子(男同士の恋愛が好き)でもある。(それも結構ディープな)

『腐女子』なんて言葉ができる以前からの筋金入り。


そんな私は、昔のオタクに多かった『隠れオタク』の部類で、特に友人などと趣味の共有をしたりすることはなかったし、外ではそういったものは一切興味が無いように振る舞った。

それが楽しかったのです。

狭い世界で生きてきた私に希望をくれたのはいつだって音楽と漫画。

(夕方のテレビアニメは親がテレビを占領しているため、たまに見せてもらえた)


そんな私が高校生になって、趣味の一貫として同人活動をしている子と知り合うことになりました。

そこで誰でも同人活動はできるんだよと言うことを教えてもらう私。

でも私は絵を書くのは好きだけど、そんなに上手くないし、まして漫画なんて書けない。

そう言うと、キャラのイラストを書いた便箋やラミネートカードを作ってペーパー(昔主流だった自分のサークルの宣伝新聞みたいなもの)配れば、それはもう立派な同人活動だと言われ、

それなら私にも出来そう!


と張り切って完全オフラインでの同人活動を始めました。

雑誌に掲載され、文通相手は100人以上に

当時の某人気雑誌に自分の投稿が頻繁に掲載され、その中の文通募集では来る人拒まずで文通をお受けしたところ、なんと100人を超えることに。

人数が多くて大変と言う思いはなく、毎日暇さえあれば見えない相手に手紙を書くことに夢中になってました。

年賀状も10月から取り掛かってましたし、当時主流だったプリントごっこがフル稼働でした。笑

今まで閉鎖的だった世界が一気に広がり

こんなに全国の人と仲良くできるなんて凄い!

もっともっと交流を深めたい!

と思い、同人小説の執筆も始めます。

自分の携帯サイトを5つ運営

好きな漫画での小説を書くのは、私にとても合っていたようで、勉強もしないで大学ノートにビッシリ小説ばかり書いていました。

メルマガを3つと携帯小説サイトは5つになり、学校の勉強はせずとにかく文字を書きまくりました。そもそも高校へは専門学校の為に卒業資格が欲しかっただけなので、部活くらいしか真面目にやってなかったです。


強化月間とし、1ヶ月に50作品書き上げた時期もありました。

もちろん、小説を書く基礎などはなく、自分の書きたい文章を書きたいだけ書く!といった感じなので、かなり拙い作品だったかもしれません。

でも徐々に感想も頂き、ファンだと言う方も現れ、その界隈では有名になっていました。その頃の私は万能感に溢れていたのです。

実は私才能あるのでは?など思い上がっていたくらいです。


なりきりチャットでの出会い

同人サイトやファンサイトによく存在した、【なりきりチャット】と言う、漫画のキャラになりきってチャットを楽しむ、通称なり茶というものがありました。

BLでのなり茶は、疑似恋愛も楽しめるので、

・自分のやりたいキャラ
・受け、攻め、リバ可か(抱く方か抱かれる方か。そのどちらを交互に担当するのは可能か)
・カップル成立後裏部屋可か(チャット内で疑似恋愛、擬似セックスができるかどうか)

この活動あるあるですが、当時の風潮って顔から火が出るくらい恥ずかしいもので、今もこうやって書いてて冷や汗がでます。笑

担当キャラは早いもの順なのですが、人気キャラはどこのサイトもすぐ埋まってしまうので、どうしても人気キャラを担当したい場合は自分でチャットを作らねばなりません。

私は沢山サイトを運営していたので、希望キャラをやらせていただきました。(ちなみに管理人が人気キャラを取るのはタブーでは無いにしろ、結構嫌われる行為でした)

私は高校生なので、金曜の夜21時に集合をかけ、高校生〜40代の幅のある女性同士、皆で楽しく夜中までわいわい文字でお話ししていました。

当時の携帯はパケット通信料は定額では無いので、毎月パケ死(くっそ死語)は当たり前でした。

そんな楽しい生活が続いたある日、とあるキャラ希望者が新しく現れました。

私より13才年上の女性の方だったのですが、知り合ってしばらくして、個別メールで自分の身の上を話始めました。

32才で子供がいること。

住んでる場所のこと。

離婚してバツイチなこと。

仕事の悩み。

人生相談。


高校生の(それもそんなに世の中をよく知らない)私にこんなに自分を曝け出してくれるんだ。

なんか嬉しいな。

と、私は必死にわかりもしない仕事の愚痴なんかも丁寧にネットで調べながら返信しました。

こんな私でも頼りにしてくれたんだから、それに答えなきゃ!という思いでいっぱいでした。


そんなある日、電話で話しがしたいと言われ、私も喜んで応じました。

そして初めましての挨拶もそこそこに、その女性は私に言いました。


『結婚を前提に、付き合ってほしい。』


→続きます




自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。