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傷付いたとき〜名田庄村

今日は自分語りを1つ。新卒2年目だったろうか。仕事がハードで、上司からもよく叱責されていた当時。恋もうまく行かずでもう何か全てが嫌になったことがあった。転職サイトなどをあさりはじめた時期。ふとした時に、「田舎暮らし体験してみませんか?」という広告が目に止まった。福井県の過疎地域。名田庄地区が就農で若者を居住させる目的で土日2日で泊まり込みのイベントをするのだという。「都会の喧騒にはつかれたし、田舎で暮らすのもありなのかも。」心が疲れ切っていた私は応募して、一人で参加することになった。

名田庄地区は林業、農業などで成り立っている地区でいわゆるど田舎。そこに応募した数十人がバスツアーで参加した。木を伐採する体験。農業体験。史跡巡りなどをした。名田庄の人たちはあたたかく我々をもてなしてくれた。

夜は茅葺きの家で参加者同士+名田庄の皆様が一同に介した交流会が開かれた。囲炉裏を囲んだ交流の場だったが、その時のことは忘れられない。自己紹介で「何を隠そう妻に逃げられて」とか「リストラにあって」とか。いろんな傷をとつとつと語られているツアー参加者の中年の方が何名かいた。当時リーマン・ショックのころだった。いわゆる派遣切りなとが社会問題になっていた頃。20代前半の私が、白髪混じりの中年の方の話を聞く。

囲炉裏の火を見つめながら聞いていたが、この時の気持ちは未だに上手く言い表せない。豊かな自然。囲炉裏の火が自己開示を促進させた部分もあるのだろう。共感、悔しさ、はらただしさ、虚しさ、哀愁。いろんな気持ちが交錯し、言葉を紡げなくなったことを覚えている。何より私も翼が傷付いた鳥のような状態だったのだ。ただただ感じたのは「人生はやり直しがきかない」ということ。そして自分の人生の代わりを生きてもらうことは絶対に無理だということ。

見知らぬ人がただ聞いてくれるだけで、心がほんの少し晴れることもある。傷付いた時に自然から癒やされることがある。

ある歌の歌詞が思い浮かんだ。

"No pain No gain 積み木のようなこの街も動いている

rising and falling 痛めた胸に 手を当てたままじゃ虚しい"

No pain No gain 苦は楽の種という意味。あの時の方々はどうしているのだろう。都会で生きていると時に傷つく事もある。元気にしているだろうか?

あの語らった囲炉裏はまだあるだろうか。ふと想いを馳せる。

#名田庄 #心の傷 #就農 #NO PAIN NO GAIN


←元歌。5分間の熱唱 打ちのめされた時に何度も聞いた名曲です。


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