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へっぽこぴーりーまん書紀〜2社目編 新潟編vol.7

海外工場訪問

品管の業務の1つとして、海外工場とのやりとり及び査察、是正という業務があった。
2社目は中国、フィリピン、マレーシアに生産拠点を持っていた。
品管に赴任してから半年くらい
ボクは現状視察の目的もあり、フィリピンの水筒生産工場に課長に随行することになった。

・技術的な用語・会話などは未だに理解が難しい。
・更にはあまり治安としては良くないとされるフィリピンの出張
・何となく馬の合わない気がする課長の工藤との出張

これらのことから非常に気が重たい出張だった。

フィリピンにて

フィリピンの工場は、首都マニラからクルマで2時間ほど離れた郊外にあった。
航空機で夜のマニラに降り立つ。
現地の駐在スタッフがクルマで出迎えてくれた。
現地の駐在スタッフは運転手付き・クルマで送迎あり生活をしており、ちょっとした社長のようだった。
フィリピンに限らず、駐在員はそのような生活をしている。
治安や安全などを考えての措置だが、発展途上国と日本との貨幣価値の差が為せる業だろう。

日本では一般社員の待遇の者が、フィリピン人の運転手にどこか使用人のように指示をする。
舐められないようにする意味合いもあるのだろうが、見ていて気持ちの良いものではなかった。

現地駐在員は、単身赴任のケースも多くナイトクラブなどで豪遊したりするケースもある。
(日本との貨幣価値差で、豪遊が比較的カンタンにできてしまう。)
ボクはバブルは体験していない世代だが、バブルの時ってこんな感じだったのかなと思った。

…運転手付きの生活で、カネでオンナを買って、オニーサンと煽てられて。
勘違いするんやろうな。と思った。

バラック小屋

工場に行くとき
クルマから高速道路沿いにバラック小屋が見える。道路にはバイクが溢れている。
若者が多く活気はあるが、まだまだ衛生面、インフラなどの課題がある国だなと思った。

鉄粉にまみれて

そんなモヤッとした気持ちを持って、工場視察に向かう。
工場に入ると鉄粉や塗料の匂いがしてくる。
無機質に加工機が並び、轟音とともに水筒が作られていく。
現地の工員が淡々と作業をする。

ラインは空調もなく、暑い。立っているだけで汗が吹き出る。

間違いなく3K現場である。
現地で安い賃金で工員を雇い、高利益を
勘定する。

日本にいると見えない部分。

こんなモノづくりに発生する汚くてキツい部分を海外に移して、国内ではキレイなオフィスで働いて…

明らかに植民地的だよな。と。

日本はこれで良いのかな。自分の会社はこれで良いのかな。

綺麗事かもしれないが、こんな疑問が湧き出てきた。

技術面の話は中々理解できなかった。
しかし、一様に単純労働に多数の現地のフィリピン人の工員を雇い、動かしている工場。

「国内ならこれはどうなんだろう。成立するのか?もっと効率化・機械化するのではないか?」
一つ一つ疑問を持つ。

「あのフィリピン人工員 駄目なんすよー。」
そんなふうに話す現地駐在員に、妙に違和感を覚えた。

表と裏

「確かな技術で。」「年間〇〇個の生産体制。」会社が謳うこれらがなにか薄氷の上に立っているように思えてきた。

駐在員が、異国の地でラインを監視して安定稼働に務める。

駐在員にしても、家族や日本での生活。いろんなものを犠牲にしている。
その憂さ晴らしが現地での遊びなのかもしれない。

工場自体が、フィリピン人の方々の安い賃金での肉体労働がなければ成り立たない。

そんなふうに作られた製品が売られていく。
なにかとても複雑な気分になったフィリピンの視察だった。

(次回に続きます)







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