美しい距離

美しい距離。

この主人公のように、私は色々頭で考えてしまう人間だ。でも少し違う。
私は頭の中で、相手が望む(と思われる)答えを出していく。
それを相手が本当に望んでいるかは分からないのに、自分は何かをしてあげたと悦になる。

そして直接相手に聞くことも苦手だ。
私が言った言葉に、傷つく反応を示されるのが怖いからだ。
そして、勝手に頭の中で妄想し、自分自身を疲労させる。

それにも関わらず、自分は相手には思っていることを言ってほしいと願っている。
言わなければ伝わらないこともあると思っている。

近い距離と遠い距離。
なんでも言い合い、何でもしてあげたいと願う、
そんな関係は近い距離で、
本心を言い合わない上辺の関係を遠い距離というのか。

どんなに親しい関係でも、言えないことだってある。それは相手のためを思ってのことでもある。
また、親しかった人と少し距離感が離れてしまうこともある。でもそれは遠い距離になったからといって、関係が希薄になったわけではない。

相手が困っていることに対し、なんでも言ってほしいと願い、
何でもしてあげたいとおもいながら、
常に相手の気持ちを考えているつもりになって、
望んでもいないことに精神をすり減らしている。
そんな行為は、ただの自己満足であり、自分本意な考えである。

距離感は、近すぎず、遠すぎ、美しい距離を保つ必要がある。

いつの日か本当に後悔する前に、今これを読んでそれに少し気が付いてよかった。

『離れよう、離れようとする動きが、明るい線を描いていく。』

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