【PUBGモバイル】PMJLを継ぐもの達へ-序-

やあ、PyoNやで。
元々プロゲーマーのコーチをしていました。

詳細は以下から。

#プロローグ

PMJL Season4 開催決定。


しかし、多くのPMJLチームは解散、選手放出。
引退をXで発表する選手も増えてきた。


僕は特にリーグチームから声がかからなかった
(正確には白紙になったというか…なんというか…)
ので傍観していたが、恐らく今年が境目だと思う。


まだ手を打てるうちに残せるものは残しておこう。
それがeスポーツに熱中している俺の大義名分だ。

「スマホ一台で世界に立つ可能性が君にもある。」

追記:24/01/18

ホンマに境目やったやん。。。

#エイム至上主義

エイム至上主義的な考え方は一旦捨てて欲しい。


勿論、エイムは大事だし、シンクロ率的な概念は
PCゲー界隈で有名になる前に執筆しているし、
エイム悪くて寝込むくらいには熱心に研究した。


さて話を戻して、PUBGモバイルのエイムは
ジャイロによる微調整が可能なので
練習すればそれ程難しくない。


それよりもチーム連携やムーブなど
撃ち合いをする前に「有利な盤面」を作ることが
バトロワというゲームにおいては重要なのだ。

#バトルロワイヤルとは

君はまだ「PUBGモバイル」を知らない。
分かりやすく言うと「ゲーム理解度」が低い。
勝つためには「条件」を知らなければならない。


PUBGモバイルはTPPのバトロワ。
16チームの中で最後まで、
「生き残ること」を目指す形式のゲームである。


重要なのは、試合数が「1回」では無いこと。
つまり、一、二戦くらいビリでも
その後に上位へ食い込めば優勝が有り得る。


また、総合優勝に必要なポイントを稼ぐ方法は
順位を上げて獲得出来る「順位pt.」
敵を倒すことで獲得出来る「キルpt.」
二つで平均8-9(昔は12)pt.取れば優勝できる。

ちなみに直近のPMGCではモンゴル代表、
2020年のPMGCで初参加にして世界3位になった
旧ZEUS ESPORTS▶︎現IHC ESPORTSが優勝。


そのキル数は「110pt.」
アベレージで言うと、毎試合6killはしている。
ほぼキルpt.だけで条件を満たしているのだ。


結果を見ればわかるが、
どこが優勝してもおかしくは無かったし、
IHCの道のりも消して順調ではなく、
今回は敗者復活戦を通って決勝に来た。


最後まで何が起こるかわからない。
それがバトルロワイヤルなのだ。

#勝敗条件とテンプレ

ゲームには敗北と勝利のテンプレが存在する。
PUBGモバイルにおける条件を幾つか列挙しよう。


敗北条件

・初動ファイトで全滅or試合の1/3時間を浪費。
・移動手段の不足、または損失。
・物資や装備の不足によるファイトの不利。
・獲得エリアが狭く、囲まれて複数射線で全滅。
・ファイトの連携ミスで1人ずつ削られて全滅。  

勝利条件

・ファイトや個の動きで獲得エリアを拡大。
・ポジションの有利を活かして一方的な射撃。
・投擲物による先制攻撃からの撃ち合いで殲滅。
・敵チーム同士で戦い、疲弊したところを漁夫。

などなど。スクリムや競技歴の長い人々なら
もっと多く「テンプレ」を思いつくだろう。


簡潔に言おう。
「勝利の再現性」そして「対応力」
この二つがPUBGモバイルは重要なのだ。


ルービックキューブは皆、知っているだろう。
あれは規則性に基づいて面を回転させれば、
必ず色が揃うようになっている。
「規則性(回転させ方)の暗記」が重要なのだ。


テトリスやぷよぷよも
「条件を満たす速度」と「カウンター」が重要で
積み上げ方は一度知ればそう難しくは無いはずだ。


ゲームには重要なポイントが必ずある。
ルールが明確に決まっているから。


ーーー

さて、話を戻そう。


バトロワはサイコロ。
ルールはあるが自由度が高く、ランダム性が高い。
つまり、「あらゆることが起きてしまう」


可能性が沢山ある中で、ミスの目を引かず
勝つ可能のある目が出た瞬間を見逃さない。


敗北のテンプレを除外し、
勝利のテンプレまでゲームメイクする。


良質な経験値による柔軟な対応、もしくは
博打の才能を持つ者が立てる世界だ。

#「個」と「群れ」、「チーム」

PUBGモバイルには「ロール(役職)」が無い。
正確にはIGL(オーダー、ショットコーラー)という
チームを指揮する役割はあるのだが


APEX、OW、Valorantのような
固有のスキル持ちがPUBGモバイルには無い。


つまり「この役割は世界レベル」という概念は無く
四人全員の個人技が万能であること、
少数精鋭的な考え方が当てはまるゲームだ。



自己PRでよくあるパターンだが
「IGLは出来ませんが撃ち合いは自信あります」
はっきり言うと、もう言い訳にしか聞こえない。


IGLが出来ない
=ゲーム理解度やコールの質、ポジション理解
その他諸々が低いレベルと思われても仕方がない。


REJECTの四人は全員IGL経験があり、その中で
一番パフォーマンスが高いReiji選手が選ばれた。


一時期はIGLを交代してた時もあったようだが
それもIGLができるゲーム理解度の高い人間が
チームにいたから出た選択肢なのだ。

#IGL = 判断

IGLの判断力に勝敗は委ねられる。
IGLゲー。巷ではこう言われている。
これについてもう少し深掘りしよう。


16チームもあればムーブの噛み合いは発生する。
例えば、15チームが際ムーブで、1チームだけが
安置内で強いポジションをホールドしたとする。


安置際で勝手にファイトが起きて、
この1チームは勝手に順位が上がっていく。


パッと見、競争相手の少ない安置内チームが
優勝しそうに見えるが、実はそうでは無い。


際での戦い方が上手いチームが
際で争うチームを養分として漁夫、
2-3チーム分のエリアとキルを丸々獲得するのだ。


直近のPMOTで優勝したIAMやRUF(現VEN)は
この動きでキルを大量に獲得していた。


ーーー



ちなみに以前までのPMOTは準決勝、決勝辺りから
多くのチームが安置内で動かなかった。
これには岸辺露伴もびっくりだ。


半分以上のチームが安置内で動かないと
ドン勝を取る確率が高くなるのは、
「安置が最後に寄ったチーム」という
神のみぞ知るゲーミングになる。


安置外になったチームは強固な守りを
ファイトで突破するしか無いのだが、
その強固な守りの内側にまた別チームがいる。
これを「安置外マトリョシカ」と僕は呼んでいる。


ーーー


さて、また話を戻そう。


IGLとはファイトやムーブを
「素早く」「正確に」「判断」して
チームを「指揮」する役職のことである。


IGL経験者がチームに多いメリットとして
IGLの判断に必要な「情報」を率先かつ
的確に取得する個の動きとコールができる。

#結局はファイト力なんすよ

IGLがどれだけ良いムーブを提案しても
最後にはファイトが待っている。
ファイト力がなければ5位以下に毎回落ち着く。


直近の世界大会を見る限りは
最善のムーブを行って、その上で
ファイトによって道を切り開くのが主流。


ファイト力は個人技の上で、連携プレイ。
つまり、チームの熟練度が結果に直結する。


ここら辺はAPEXやOW、Valorantなどの
スキル系FPS経験者なら理解しやすいだろう。


「セットアップ」だ。


例えば、家屋にいる敵を殲滅する時、
下手なチームは家屋に四人で突撃。


バラバラに1階へ入り、階段を登る。
テキトーに角をクリアリングするが、
角に待っているDBSにシバかれて終わり。

ーーー

上手いチームであれば、「投擲物」から始まる。
芋ってそうなポジションをグレでクリアリング。
二階から降りてきそうな敵はタレット、
つまり後方支援の狙撃手が射線を通している。


1階を抑えれば、次は誰かが1人階段を抑える。
その後、投擲物で二階をクリアリング。
ダウンは取れずともダメージは入るはずだから、
このタイミングで撃ち合いに持ち込んでいくのだ。


少なくともDBSの撃ち合いよりかは
誰も欠けず、勝率が高そうに思えるだろう?

👆🏻参考までに

これは「一年以上前の中国国内のファイト」
あまりにも美しい準備と連携に感動する。


陣形、投擲物を投げる場所、1pickからの詰め。
全てに意味があり、完璧だったと思う。


1度見て理解出来なければ
理解できるまで何度も見ることを推奨する。

春夏秋冬のYouTubeのURLも貼っているので
SBIのファイトの連携も見てほしい。
粗はあれど統率が取れた「チーム」だった筈。


将棋のように一手ずつ、順を追って詰ませる。
これが出来なければ、君たちは烏合の衆、
つまり、個人がたまたま四人集まっただけになる。
それは果たして「チームを組む」必要があるか?

#エリア、ポジションの概念

Valorant知らないって人は個人で調べて欲しい。
この手のFPSは初期からあるものなので、
基礎基本がシンプルで良い学びになると思う。


Valorantは爆破ゲームなので爆弾の設置位置
つまりサイト中が決戦、ファイトのエリアになる。


PUBGモバイルの場合は「安置の中」が
エリアだと考えると分かりやすいと思う。

ーーー

まずは「索敵」、そしてサイト中へ
進行するためのエリアとルートを確保する。
詰将棋のように一手ずつ。


PUBGモバイルはスキルなど無くても
TPP視点の活用や車両による索敵が可能なので楽。
そして、互いに射線を組んで進行する。


その後、相手からリテイクを仕掛けられる。
PUBGモバイルの場合は安置の際で
エリアの押し合いをする感覚に似ていると思う。


DRXセットアップで言うヘブン下に
もし5人固まっていたらもっとお手軽に
殲滅されるのは容易に理解出来るであろう。


PUBGモバイルに置いても同じで
いつまでも安置内の家屋に四人いても
情報もルートも何も無く、安置に祈るだけになり
外れれば強引な凸か死を待つだけになるだろう。


人数を活かした陣形、射線の組み方が大事。
相手を倒すために「味方を使い合う」のだ。

#エリアの優先順位

特に日本のチームはこの
「保持しているエリア」と「その将来的な価値」
についての認識がかなり遅れている。

現在自分たちは右下の赤点にいるとする。
そして現在は外枠の円が安置で、
中の四つの円は「次の円の予測」だ。


この中でポジションの強弱を各円で4つずつ
上記のように頭の中で割り振る。


そうすると青斜線の位置は将来的に
どの安置が来ても雑魚のポジションで
ここを使って直接強ポジに殴り込むのは不可能だ。


このままここに居ても安置が寄らない限り
ドン勝は絶望的であろう。


まず、緑の1、2は強いポジションなので
ここの有利を使って南の桃3、4を通る。


直接強ポジに殴り込めなくても、
広げたエリアを最大に使って
複数の射線を通すのがファイトにおいて重要。


そして反対側の青の1を取れれば
その青の2、3もポジション有利を
活かして戦える可能性がある。


このように先を考え、先手を打つのが重要なのだ。


本来はここまで大移動は難しいが
先手を打つムーブのイメージはつくであろう。


実際、僕はこの思考でNEWSTATEでは
メンバーが集まらなくてソロ、デュオスクの時も
あったがアジアトップ100のランカーだった。


ファイトは狙ったエリアを獲る時だけ
すればいいし、大移動が不可の時は数字の弱い
ポジションにいる敵を潰してエリアを広げればいい

↓具体的に言うと

ドン勝を狙うのであれば
▶︎エリアの価値が高い場所。

キルを狙うのであれば
▶︎エリアの価値が低い場所にいる敵を狙う。

PMWI優勝のVPEは、最後のファイトこそ連携に
乱れがあってドン勝しきれない場面が多く、
ラウンド二位が多かったのだが、際から
弱い数字にいる敵を潰すことに専念していた。


それ行くの!?っていう有利ポジにいる敵に
ファイトを仕掛けるプロチームは、強い数字の
エリア確保ができればドン勝できると
「見えて」それに全賭けしているのだ。

REJECTは国内でもエリアを個人でキープする力が
高い四人が集まっていることが伺える。


しかし、世界は敵が1人や2人で守るのなら
四人で一点突破してファイトを仕掛けるスタンス。


強いチームは最初は安置中央にいても、終盤は
端の方でファイトのタイミングを伺っている。


特に直近のPMGCで猛威を奮った
モンゴルチームたちは強引なファイトスタイルで
安置際からのムーブが多かった。


これは~破~の方で説明しよう。

が、しかし。やはり世界大会では
NOVA e-Sportsのムーブが
一番綺麗だったようにも思う。
今となっては過去の栄光かもしれないが。

あらかた「ゲームとは?」ということについては
書ききったと思うが、迷ったらXのDMで聞いて。

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