Vol.37 レースゲームでのFドリの思い出話 その1

Fドリの名手に魅せられて 

今回は特定のゲーム紹介から離れたお話です。今から10年程前に私はレースゲームでFドリを始めました。FドリとはFF車(前輪駆動車)でドリフトを行うテクニックです。Fドリの神様と呼ばれた畠山圭介さんのFドリ、そしてラリードライバーのジャン・ラニョッティのFドリの映像に衝撃を受け、自分もゲーム内でFドリをしたいと思うようになりました。
 ドリフトというと一般的には後輪駆動車で行い、スライド中はアクセルをオンにして後輪を空転させる事で滑りを持続させます。しかしFF車の場合はアクセルをオンにしてもリアは滑ってくれず、むしろスライドを抑えて真っすぐ走ろうとする働きが強くなります。つまりアクセル操作によるスライド量の増加やスライドの持続を行う事が出来ない訳です。その為、進入で勢い良く飛び込んでリアを流し、その惰性でコーナーをクリアする必要が有ります。進入時にミスをしてしまうと誤魔化しがきかない為、後輪駆動車のドリフトよりも難易度が高くなります。

Fドリのイロハを学んだ丸目のインテグラ

 私がFドリを始めたのは『グランツーリスモ5』からでした。GT5ではGTウイングを装着した艶消しブラックのアキュラ・インテグラ タイプR(DC2)を使ってトライアルマウンテンを走っていました。因みにホンダのインテグラでは無くアキュラを選んだ理由は丸目4灯のフェイスだった為です(USDM、スポコンを意識してました)。たまにEG6やEK9を使う時も有りました。GT5でFドリのセッティングや操り方で幾度となく試行錯誤を行い、その時のノウハウは他の作品でのFドリにも生かされました。セッティングの方針としてはフロントタイヤにハイグリップなタイヤ、リアにグリップの高くないタイヤを履き、サスは硬めに、LSDを効かせた仕様でした。フロントタイヤのグリップが効きすぎるとフロントが流れず、真っすぐ走ろうとする力が強くなり過ぎてしまい、滑った直後にドリフトが戻ってギクシャクした動きに。この事からFドリはリアが大きく流れるのは大前提として、フロントもある程度流れる必要があるという事を学びました。操作の面ではサイドブレーキは使わずブレーキングドリフトで曲げていました。単純にサイドブレーキを上手く使いこなせなかったのはここだけのお話です(^_^;)。スライド中はアクセルを6割位の開度にして、ドリフトを戻そうとする力が出ない程度に駆動力を掛けて滑らせる技法でコントロールしていました。慣れるまでに時間は要しましたが、自在にコントロール出来た時の喜びはひとしおでした。

Vol.38に続く


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