買ってよかったもの
まぁ、私がこれを書くのって大体オチが読めると思うのですが、あえて書きましょう。
今自宅に帰るため電車に揺られているのですが、今日は稽古の帰りなんです。
買ってよかったもの、それは三味線。
私は今まで自発的に何かを習ったことないんですね。
子どもの頃にクモン式を習ってましたが続かず、水泳も行っていたけど、それは親の勧め。
部活も入ることなく、役者の稽古といっても別に毎日続けることもなく(だから辞めることになるんだが)とにかく、何をしても続かない生き方をしていました。
そんなやつが30過ぎて出会ったのが、1人の狐さん。
その方は宴会イベントで身分を隠して三味線を演奏している方でした。
しかし、そのイベントでは出演者とお客様。
言葉を交わしても覚えてもらってるわけはありません。
その少し後の夏祭り。そのイベントで知り合った人に誘われて縁日に行くと、その場に狐さんの姿が。
たまたまですが、お話させていただいた時に、その人の生き様に惚れちゃいまして。
三味線が高いことは知っていた。
そして、その時には私に購入する余裕がなかった。
お金がなくて、習いに行くことを1年耐えたのです。
もちろん最初は無料で貸し出してくれました。そのことも知っていた。
しかし、お借りできるのは3ヶ月とも知っていたのです。
当時の私は三味線がいくらかも知らなかった。
でも、スクーターが買えるくらいという話は聞いていたので、余裕ができるまで待ち続けたのです。
そして、1年耐えた先に買った三味線。
狐さんからのご指導もあり、きちんとした演奏で使えるプロ仕様の物をチョイス。
注文から届くまで1ヶ月かかりました。
そして、自分の三味線が届いたその日、初めて弾いて見ると、音が全く違う。
初めて2ヶ月程度の素人の腕でもわかるほどの音の差。
狐さんからも、「いい音の鳴る三味線ですね」と言っていただけた、私の三味線。
この子は、ただの楽器ではなく私が自分で頑張ってきた証でもある。
自分が頑張った分だけ上手くなり、練習を重ねた三味線の竿に指の跡がある。
糸を押さえる場所だけ色の変わった汚れは、自分の誇りです。
私にとって、三味線は、初めて頑張り続けた証なのです。
いつもご指導頂いている師匠に感謝を込めて。
ざくろ
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長峰永地の哲学note
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