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wedding ring story

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新郎新婦と指環のストーリー。
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2023年9月の記事一覧

20th wedding anniversary ring "moonbow"

今年、ご結婚20周年を迎えたご夫婦。その節目の記念となる指環を作りたい、とご依頼いただきました。おふたりとも手を使い、感触を大切にするお仕事柄、普段はほとんど身につけないので、これからは気持ちを切り替えるときにしようかなと。そして、20年の時間をあらためて思い、感謝のしるしのような指環となるように。 指への違和感のないように、極力細く、薄く、すっきりと見えるように。強度も最低限、安心できるところを探りながら。使うほどに味わい深く育って、黒く変色したほうが好み、ということから

meeting of the wedding ring

吹き抜けていく風に空が気持ちよく澄みわたり、暑さにずっと身構えていた心と体に、やさしく声をかけてくれるよう。それでも、夏がまだそこにいるような愛しい日差しが部屋いっぱいに伸び、存在感をくっきりと残します。そのまぶしさが初々しさを際立たせるように、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。 「こっちの方向性にしよう」 いろいろと悩む材料があるなか、ひとあし先に大まかなイメージが定まった新郎のひとこと。それに引っ張られることなく、自分の感じた第一印象を大切にデザインを

wedding ring "combo"

一段と高さを増した空に風も喜び、可憐に咲く秋の草花も気持ちよさそうに揺れています。ちょうど重陽の節句の日にご結婚指環のお渡しとなった新郎新婦。爽やかに渡る風がまさに邪気を払ってくれるよう。待ちわび膨らんだ想いを風に乗せ、新郎新婦の足取りも軽やかです。 そんなおふたりの指環は、18金のホワイトゴールドとシャンパンゴールドを半分ずつ組み合わせ、色味の変化を楽しめるように。さらに、平打ちをゆるやかにした形に鎚目を施し、光の表情も豊かに映ります。つけているとわからないくらいの色の変

meeting of the wedding ring

「ワンチャンいいですか」 どんな結婚指環にしようかと、先日の打ち合わせで、素材やデザインなどをひと通り決めていったところの終盤、もう一度、素材の色を吟味したいと新郎新婦。肌との相性でどの色味が似合うか、普段はゴールド系をよくつけるので結婚指環は特別感、らしさを出したい、など迷いだしたらけっこう悩んでしまうところ。もう一回、と言わずに何度もじっくりゆっくりと考えてもらってもOKです。おふたりのための時間ですから。 そうやって、あーだこーだともんもんとする時間も、新郎新婦の楽

the bride and groom ring holder

ご結婚指環と一緒にご依頼いただいた木彫りのお人形のリングホルダー。お気に入りのプロ野球チームを応援したり、球場で観戦するのが趣味だということから、ユニフォームを着ているお人形に。指環は頭にかぶせた野球帽にのせるようにしました。 ユニフォームのデザインは毎年、何かしら新しくなっていくようで、お人形にはおふたりが付き合い始めた年のデザインをモチーフに。新郎は青色のビジター用、新婦は白色のホーム用のイメージで。背番号には、おふたりのご入籍日を番号に選びました。 大好きな球団を一

wedding ring "cheer"

明るく元気いっぱいの新郎新婦と実際にお会いするのは、指環のお渡しとなったこの日がはじめて。打ち合わせはオンラインとメールのやり取りで進め、お人形製作の資料にいただいた写真をずっと見ながら作業をしていたので、はじめてという感じはしないけれども、憧れのスターに念願叶って会うような不思議な気分。 そんな勝手に抱いた親近感と緊張感を吹き飛ばすくらいにまぶしく陽気なおふたり。私たちも喜びのおすそわけをもらったような晴れやかな気持ちとなりました。 新郎新婦ともに、潔くすっきりとフラッ

meeting of the wedding ring

まだ熱のこもる風にも、時折ほがらかな軽さをまとうようになってきました。夏の余韻と秋の気配。静かな行間を眺めるように移りゆく季節をしみじみと味わいながら、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。山登りが趣味のおふたりは、山の爽やかな澄んだ空気をまとうように、曇りのない晴れやかな表情です。 「手がビックリして」と指のサイズを測っていると、だんだんはれぼったいような感じになり、ベストなサイズを探るのも難しいところ。選ばれる指環の幅によっても印象が異なるので、時間をおいた