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20040906 銭亀の由来

 捕まえてきた幼体のイシガメ$${^{*1}}$$を見ていて思った。これの別称が「銭亀」というのは一文銭$${^{*2}}$$に似ているからではない、ということである。

 ある本にはイシガメ$${^{*3}}$$の幼体はクサガメの幼体に比べ、甲羅が丸いのでその様子が一文銭に似ていることから、江戸時代からイシガメの子供は「ゼニガメ」と称されてきた、とあった。更に本来、丸いからゼニガメなので丸くないクサガメの子供はゼニガメとは言わなかった、説明している。

 確かにクサガメ$${^{*4}}$$の子供の甲羅は四角に近い楕円である。しかしイシガメの子供の甲羅は丸ではなく楕円形$${^{*5}}$$である。どう見ても一文銭に見えない。

 一文銭ではなく「天保銭$${^{*6}}$$」ではないだろうか。一文ではなく百文の方$${^{*7}}$$である。このスッポン$${^{*8}}$$みたいに丸ければ一文銭と言えるが、イシガメはこれ程丸くない。

 江戸時代でも現代でも庶民にとって博物学$${^{*9}}$$などはあまり関心はなかったろうから、イシガメもクサガメもどちらも天保銭の形に似ているので銭亀と言っていたのではないだろうか。水槽で遊ぶイシガメを見ていて何となくそんな気がしてきた。

*1 20040905 イシガメの幼亀(2)
*2 【楽天市場】【寛永通宝】新寛永銭 島屋文(無背)寛文8年(1668):紅林コイン
*3 ホームページの見方 イシガメ
*4 ホームページの見方 クサガメ
*5 淡水生物園コラム(動物繁殖学研究室)
*6 【楽天市場】天保通寶 本座・長郭 美品:アイコインズ・楽天支店
*7 日本貨幣史16
*8 Lissemys punctata andersoni
*9 Multi-Media Exhibition natural history zoology

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