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【展示準備】くま、くりかえしてます。【スタッフレポート】


"March comes like a lion."


3月、ライオンみたいにやってくる月になりました。春の初めは気まぐれで予測できない、荒れた気候になりやすいことからくる英語のことわざらしいのですが、リバーサイドカフェでは現在、くまがくりかえしています。

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今回記事を書かせてもらっているのは、『くま、くりかえす。しまうまのおしり。」〜魚嶋ユウスケ展Ⅱ〜の展示構成、作品選定の担当をしました、イイズナナです。普段は研究室でひとりヒソヒソと美術史の研究し、おうちで英米文学と戯れています。

うおぷろには、発起人の持木さんにそよ風くらい軽いノリで「(一緒に)やる?」と誘われて参加したのがきっかけですが、これ、私にとっては台風クラスの衝撃でした。

なぜって、イイズナナはすごい"loner"だから。

一匹狼と言ったらなんかいい感じなのですが、要するに「ひとりでいるのがたまらなく好き」、「あんまり人と関わりたくない」と言う困り者なんですね。加えて、わたしが普段にらめっこしている作品はみんな遠い昔の人のもの、多分今頃はチリになって世界を漂っていることでしょう... 。

それが、魚嶋ユウスケさんという今わたしたちと同じ地球で生きている人の作品を真ん中に、彼の作品が大好きな、それぞれ元気でよく動く、素敵な目と口と手を持つ人たちが集まって一緒に一つの展示会を作り上げていく。とてもまぶしい体験でした。


「どうやって魚嶋さんの世界を見てもらおう?」「この絵の一番の魅力は何だろう?」「どうしてわたしはこれが好きなんだろう?」「どうしたら、この絵の魅力を最大限に引き出せるだろう?」

こんな具合にアイディアを出し合って、試行錯誤の日々...。

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こんな、わくわく、ふふふ、時々うーんの結晶が『くま、くりかえす。しまうまのおしり。』なんだなぁと思います。


個人的に好きなのは、まず入り口入ってすぐのところにある「視点」コーナー。うおぷろメンバー・ミズカミ氏のとった写真をもとに魚嶋さんをはじめとするテンダーハウスの方々に絵にしていただいたもの。

この間お散歩をしていて気がついたのですが、最近は本当に老若男女を問わず、耳にイヤホンをしている人をよく見かけます。どんな音楽を聴いているんだろう、競馬中継とか聴いてるんだろうか、とか想像してわくわくするのですが、これって同時に、おんなじ道を歩いているのにそれぞれ全然違う空間に生きてるってことなんじゃないか、とも思いました。聴いている音楽によって見えている景色の色は違ってくるでしょう。でも隣の誰かが何を聴いて、何を見ているのか、わたしたちは本当に何も知らないし、もし無理に知ろうとしたらすごく無礼なことになってしまうかもしれない(いきなり耳からイヤホンをもぎ取るのも、ハードル高いですしね...)。

同じものを見ていても、同じふうに見ているわけじゃない。そんな世界の重なり合いと揺らぎを知れる、楽しいコーナーになっています(ミズカミ氏からの紹介はこちらに↓)。


それから、カフェ一番奥の壁に並ぶ4点の作品たち。普段は一枚一枚独立した作品になっている魚嶋さんの作品を、二枚ずつ選んで額装した子たちです。

もう好きで好きで、どこが好きって言えないのですが...強いて言うなら「乱反射 in うおしまさん」というところでしょうか。魚嶋さんの作品には、不思議なリズムがあります。それはモチーフの形態・反復だったり、色遣いだったりと、色々な形で姿を現し、私たちの目をくすぐってきます。

そんなふうに一枚だけでも充分個性的な作品なのですが、集まるとこれまた違った顔を見せてくるのです。何か物語があるような、象徴的な何かがあるような。本当に不思議な子たちです。今回の4点も、何か新しい独自の世界が拓けているような、いないような、わかりそうな、わからなさそうな、もふもふ想像できる一角になりました。

うおぷろでは準備期間中、魚嶋さんやうおぷろメンバーなど、作り上げ、届ける人たちの間のいろんな融合、反射、反響が起きていました。でもこれからはそこに来てくださった方々の目が加わります。同じものを見ていても、同じふうに見ているわけじゃない。あなたの目にはどんなふうに映るんでしょう。視界の端に、斜めに、真ん中に。いろんな角度から眺めていただけたらいいな。わくわく。

『くま、くりかえす。しまうまのおしり。』〜魚嶋ユウスケ展Ⅱ〜は、3/1〜4/15、リバーサイドカフェにて開催中です。だんだん暖かくなってくる季節、ライオンに気をつけてぜひお越しくださいませ。(がおーっ)

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