見出し画像

ViVA

ふと、無性に海外に行きたくなる時がある。

「なんで海外に行きたいの?」

という問いに対する答えとして、

「刺激が欲しいから」

は、随分使い古されてきたものだろう。
私も愛用者の一人である。

では、「刺激」とは何か。

なんでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先日私の好きな写真家、
竹沢うるまさんの写真展を見に行ってきた。


とってもいいパン屋さんでの写真展

高校の時、友人から借りた『Walk about』

当時、沢木耕太郎著『深夜特急』を読んで、自分が妄想していた世界を、歩んできた人がいた。

インターネットでどれだけ画像検索しても見つからなかった、自分のいつか行ってみたい世界。

その写真家が竹沢うるまさんだった。



彼の写真を見て得るのは、
「綺麗」とか「格好いい」とか、そんな感想ではなく、

「心を刺される」
「胸に迫ってくる」

一方で、

世界に対する「愛おしさ」

自分の中の理性では気づいていない「欲」

である。

すごくリアルを感じる。
そしてこれが私たちのいる世界の一部なのだと気づいた時、この世界が少し好きになっている。もっと好きになりたいと思ってしまう。






そんなことを思い出しながら、写真展のある湘南への電車にゆられ、
一杯のコーヒーで2時間ほど潰して、席を立った。

感想は

「昔と同じ」

ただ、昔と同じ感想を持ったというよりも、

「昔と同じだな〜」

と思った、というのが正しいかもしれない。
昔と違って、海外にもいくつか行ってきた。

目を離しても脳裏に残る色が、
鼻をくすぐる独特な香りが、
理解できない音が混在して生まれる歌が、
別れ際感じる熱が、

そしてそのどれもに感動している自分が
この世界に在ることを知ったはずだった。

でもまだ求めている。
満足していない自分がいる。

「まだかい!」と少し笑ってしまう。

そして、
今の自分ではまだ感じられていない何かで、
この世界は溢れているのかもしれないと期待してしまう。


感じられる人間になりたい。

そんな風に思いながら町をフラついて写真撮って帰った。



刺激的で愛おしいこの世界にViva。

そしてそれを感じられるように
人間を作ってくれた神様にもViva。




今年中南米絶対いこ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?