2024/03/17 「人探し」が目的で始まったアカペラ生活(2005)

これまでの音楽歴を振り返る

こんにちは、zakifarmsです。
2月に体調を崩してずっと喉の調子が悪く、そのまま花粉症の季節に突入してしまい日々落ち込んでいる中、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

おかげで、新年の誓いとして始めたnoteの更新は、早くも滞ってしまいました(言い訳)

私は2005年からアカペラを始めて今年で20年目。アカペラシンガーとしてお仕事させていただくようになってから、もうすぐ15年になろうとしています。

そこで、自分の中での振り返りも兼ねて、簡単にこれまでのキャリアの棚卸しを記事にしています。
今回も、私のキャリアの始まりである2005年の時期について綴っていきます。

音楽と、無茶ぶりと、少しの下心

さて、前回片想いの女性とのつながりでRealBlendのライブを鑑賞した私でしたが、そこから1ヶ月後。。。
彼女との距離は縮まるどころか、その後些細なことで彼女を怒らせてしまい、むしろ決定的に心が離れてしまっていました。

しかし、しばらく経ったある日、急にその彼女からメールが届いたのです。内容はこんな感じ。

 ・自分のアカペラグループに欠員が出そう
 ・メンバー募集をしたいので、手伝ってほしい
 ・アカペラ経験不問
 ・上手に歌えてプロ志向の人
 ・期間は1年以内

なぜ、仲違いしてるオレに⁉️と思ったものの「関係修復ができるかもしれない」という下心から、当然断ることはできず、引き受けてしまいました。

ただ「歌えるプロ志向の人」といきなり言われても、音楽をやってない私にそんな人脈があるはずもありません。

もし歌える人を探せたとしたって、なんの面識もないその人にいきなり「すみませんアカペラやってみませんか?」などといきなり声をかけようものなら、それこそ怪しさ満載です。

どうしたら無理なく人探しができるんだろう、と悩んだ挙句、こう考えました。

★音楽を趣味とする人の集まりに自然に入り込んで「知り合いのグループで歌ってみませんか」と誘えばハードルが下がるんじゃないか?
★自分は楽器ができないのでバンド系は厳しいけど、例えば、アカペラサークルみたいなところに自分がうまく入りこんで、歌の上手な人に取り入れば何とかなりそうじゃないか?
★「アカペラ経験不問」となってたけど、当然経験者のほうがよいはずだろう(社会人的先入観)
★とにかく、アカペラサークルに入りさえできれば人脈の薄さはカバーできそうだ。。。

そう思った私は、社会人アカペラサークルへの参加を目指し、動きはじめました。

狭き門戸の謎

さて、2005年当時のインターネット上には、共通の趣味を持つ仲間たちが気軽に交流できるようなコミュニティがあまりありませんでした。

そんな中、ホームページを持っている主要な社会人アカペラサークルへのアクセスを開始した私でしたが、どのサークルの募集要項を見ても「経験の壁」が立ちはだかり、加入どころか見学することすらままならない状態でした。

音楽にしろスポーツにしろ、プレイヤー人口の少ないカテゴリーは、最初の関門にたどり着くところからまず難しいものです。
日本のアカペラシーンの場合、大学に設置されているサークル団体の所属員が主要人口を担っていて、おそらく20年経った今もその構図はあまり変わっていないと思います。
逆に言うと、大学以外の入り口が極端に少ないことが当時も今も、アカペラシーンの課題なのかなー、と私は感じているのですが。

例えば音楽スクールでもアカペラを教えられるところは少数で、よく探さないと見つからないですし、社会人サークルも基本的には大学サークルのOBや経験者を対象としたものが多く、初心者が気軽にアカペラを体験できる環境が少ないように思います。

結局、私は「ぱど」(2005年当時よく発行されていたタウン誌)で見つけた、地元の「無料アカペラ体験会」にまず参加することにしました。

体験会を主宰していた女性、サチコさん(仮称)に「社会人がゼロからアカペラを始めようと思ったときに、最初に経験できる場がない」とこぼしたところ、まさにその課題をサチコさんも感じていたらしく、アカペラ普及に貢献したいと、有志を募って定期的に体験会を開催していたのだ、と話してくれました。

そして意気投合したサチコさんから、2ヶ月後に立ち上げる社会人アカペラサークルにぜひ参加してほしい、とお誘いを頂くことができ、2ヶ月後、社会人アカペラサークルのメンバーとして、ようやく活動が始めることができたのでした。

秘するが花

後日聞いた話しだと、社会人サークルが初心者への門戸をあえて狭くしているのは、男女関係などの風紀的トラブルの回避、いわゆる「出会い系」の排除が目的なのではないか、との事でした。

正直、私も人探しが目的でアカペラサークルに入ろうと思っていたので、いわゆる「出会い系」の一味であり、「まぁなるほどな」という感想でした。
サチコさん的には、自分が「歌いたい人」に見えて「出会い系」には見えてないようでしたので、自分の信用を高める上でも、この「人探し」ことは今後黙っておくことにしました。
そして、狭き門に加入させてもらうからには、人探しだけでなくアカペラもちゃんとやろうと、改めて心に誓ったのでした。
それが、オファーを出してくれた方への礼儀というものです。

次回は、このアカペラサークルでの活動と体験について、振り返ってみたいと思います。

余談

実はこの人探し、結果的に2年というかなりの長期にわたって続くことになります。
2年後、彼女は自分のアカペラグループを脱退し、ピアニストの女性とユニットを結成した後音楽事務所と契約し、念願のプロデビューを果たすことになります。
それまでの間、私はアマチュアとしてアカペラを続けながら彼女の人探しに尽力しましたが、目ぼしい人はいたものの結局誰ひとりも紹介できませんでした。
そして残念ながら、「人探し」の対象となったアカペラグループの方は解散となったようです。

彼女との関係は、自分のアカペラでのキャリアとも重なり正味10年近く続き、今も友人として続いていますが、この「人探し」がなければ自分にとってアカペラを始めることや続けることのハードルはもっと高かったはずで、「最大の動機」だったことは間違いないと思います。

そして、自分もプロとしてアカペラをすることになるとは、この頃は1ミリも想像していませんでした。

今振り返ってると、つくづく彼女とは不思議な出会いだったと、感じてしまいます。

今回はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?