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0歳から楽しむ読み聞かせ、おすすめ人気絵本作家は3人の「太郎」

「まだ言葉がわからない赤ちゃんへの絵本選び、どうすればいい?」

「0歳から楽しめるおすすめの絵本は?」

たくさんある絵本の中からお子さんへ絵本を選ぶときに、悩まれる方も少なくないかと思います。


そんなときは、人気絵本作家の作品から選んでみるのはいかがでしょうか。9カ月の子どもを育てる現役ママの筆者がおすすめしたい絵本作家が、

五味太郎、谷川俊太郎、三浦太郎 

3人の「太郎」と名がつく絵本作家、いわば三太郎が手がけた絵本です。


ここでは、0歳からの読み聞かせ絵本選びのポイントと、3人の人気作家のおすすめ作品をご紹介します!


0歳の絵本選びのポイントは、かたち、色、音の響き

絵本デビューする0歳にとって、絵本は読み手とのコミュニケーションツールとして大きな役割を果たします。

色や形、音の響きを認識し始める時期でもありますので、物語の面白さよりもはっきりした色使いや形のわかりやすさなど視覚効果の高いものが好まれます。また、単純な言葉でテンポよく読める本がおすすめです。

先ほどご紹介した3人の作家は、シンプルなイラスト、明るい色使い、厳選されたことば の三拍子が揃った本を多数出版しています。

彼らが描く人や動物は、丸三角四角などの形を組み合わせてシンプルに描かれ、線で絵を囲まないことでやさしく親しみやすい印象があります。

黒色が少なく、はっきりした色を多用する色使いなので、赤ちゃんも認識しやすく反応がいいです。

0歳から楽しめるオノマトペのみを使ったロングセラー絵本には、文章が無くても大人にも子供にも伝わる言葉のマジックがちりばめられています。音の響きが楽しいのか、何度も読んでとせがまれることも多いです。


ここからは、五味太郎、谷川俊太郎、三浦太郎の「三太郎」人気絵本作家のおすすめ作品を紹介します。


450冊超の絵本を出版した人気絵本作家、五味太郎

はじめに、簡単に五味太郎さんのプロフィールを紹介します。

1945年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。絵本作家。 子どもから大人まで幅広いファンを持ち、その著作は450冊を超える。世界中で翻訳出版されている絵本も数多い。 「かくしたのだあれ」「たべたのだあれ」(以上文化出版局刊)でサンケイ児童出版文化賞受賞のほか、ボローニャ国際絵本原画展等、受賞多数。「みんなうんち」(福音館書店刊)、「きいろいのはちょうちょ」(偕成社刊)、「さる・るるる」(絵本館刊)などの作品がある。(絵本ナビより抜粋)

五味太郎さんは日本を代表する絵本作家のひとりです。絵本を通して動物探しや数遊びを楽しめる「たべたのだあれ」や、ユーモアを交えてことわざを覚えられる「ことわざ絵本」などの人気絵本を世に送り出してきました。

たくさんある作品の中から、0歳から楽しめる3作品を紹介します。

「きんぎょがにげた」(出版:福音館書店)

一匹の金魚が金魚鉢から逃げだし、部屋のカーテンや植木鉢の花など次から次へと隠れては逃げていく話です。対象年齢は2歳からですが、9カ月のうちの子どもでも十分に楽しめています。

無表情なのにどこかかわいらしい金魚とカラフルな部屋のイラストは、子どもが喜ぶ普遍的な美しさを持っています。

「どこに逃げた?」と聞いてページをめくると、赤ちゃんでも金魚を探すそぶりを見せてくれます。年齢が上がれば、金魚だけでなくほかのおもちゃを探すなどいろいろな読み方ができそうな絵本です。


「るるるるる」(出版:偕成社)


空飛ぶ飛行機の旅をたくさんの「る」と少しの「れ」で表現した絵本です。

大人世代の方は「るるる」と聞くと北の国からを思い出されるかもしれませんが、本作では飛行機のエンジン音を「るるるるる」で表しています。

全然文章になっていないのですが、なぜか情景がイメージできてしまうのが五味さんの言葉選びとイラストだからこそなせる業だと思います。

読み聞かせの際には、声のトーンや大きさ、テンポを変えて楽しんでみてください。


「ぽぽぽぽぽ」(出版:偕成社)

煙を吐いて走る蒸気機関車のお話を音で表現した絵本です。まだ言葉を発しないうちの子も、音の変化が面白いのかこの本を読むとよく笑います。

こちらは、「るるるるる」よりも音のバリエーションが多く、「ぽ」「こ」「ぞ」などいくつかの音が出てきます。

機関車が走る中で変わる音をどう表現するか、読み聞かせる大人側にも刺激になる絵本でした。



「スイミー」ら人気の英語絵本の他にも!谷川俊太郎の絵本

1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。

詩人として知られる谷川俊太郎さんは、海外の人気絵本の和訳を多数手がけています。レオ・レオ二さんの「スイミー」も谷川さんの翻訳です。

自身でも絵本も多数出版しており、シンプルな言葉づかいで日本語のリズムや美しさを楽しめる作品が揃っています。


もこもこもこ(出版:文研作品)

静かな水平線になにかがもこもこと盛り上がってくる「もこもこもこ」。

抽象画×擬音語の作品で大人からみると「これ面白いのかな…」と一瞬不安になりましたが、ことばの響きや鮮やかな色の変化が面白いのか子どもの目をくぎ付けにしてくれる作品です。


あるくくま(出版:クレヨンハウス)

ピンクのクマがどこかを目指して歩き、ちょうちょや恐竜などいろいろなものに出会う話です。

谷川さんのシンプルながら響くことばとともにどこかを目指して歩き続けるクマの姿に、読み手の大人もしみじみ考えさせられる作品でした。



新米パパの経験からヒット絵本を連発する三浦太郎

1968年、愛知県生まれ。絵本作家、イラストレーター。大阪芸術大学美術学科在学中に、日本イラストレーション展入選、日本グラフィック展入賞。卒業後はイラストレーターとして、広告の仕事のほか、本や雑誌、教科書の表紙画などで活躍。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に6度入選。海外で出版された『JE SUIS...』『TON』で絵本作家デビュー。日本での作品に『くっついた』『なーらんだ』『わたしの』(こぐま社)、『まかせとけ』(偕成社)、『バスがきました』(童心社)、『おしり』『よしよし』(講談社)などがある。 https://www.taromiura.com/

自身のお子さんの誕生をきっかけに絵本作りに取り組んだ三浦太郎さんは、海外の絵本原画展でたくさんの賞を受賞しています。

お子さんとの体験にヒントを得た「くっついた」や「なーらんだ」など、子育てする日常を切り取ったロングセラー作品を多数輩出する人気作家です。


くっついた(出版:こぐま社)

シンプルでかわいらしい絵で描かれたあひるや象などの動物がくっついてしまうお話です。

お父さんとお母さんと子どもが頬を寄せるページで「くっついた!」と子供を抱きしめると、嬉しそうな顔をしてくれます。


あ・あ(出版:童心社)

「あ・あ」や「く・く」(靴)、「て・て」(手)など、赤ちゃんが正確に言葉を発する前に最初に話す言葉が詰まった本です。シンプルなイラストと2語だけの単純な内容なので、絵本デビューにもぴったりです。

「ぱ・ぱ」「ま・ま」のページは、子供に覚えてほしくてつい力を入れて読んでしまいます。


バスがきました(出版:童心社)

しっぽのあるバス停、ながい耳のバス停など、動物の形をしたバス停に動物のバスがやってきます。

「次はなんのバスが来るかな?」と語りかけながらページをめくり、最後はほっこりした気持ちになる絵本です。

この本を読んだあとに外出した際は、道を通るバスを指さして「バスがきました」と本物を教えてあげています。

三浦さんの作品は、愛らしいイラストと洗練された色使いがどの作品も素晴らしいです。



auのCMでおなじみの「三太郎」も絵本になっていた!

「三太郎」と聞いて、auのCMでおなじみの桃ちゃん(桃太郎)、浦ちゃん(浦島太郎)、金ちゃん(金太郎)を思い出した方も多いのではないでしょうか。

実は、三太郎とをはじめ乙姫や鬼などの登場人物が可愛いイラストになった絵本「プチ三太郎とあるく せかいちず」が三修社から昨秋発売されています。

CMでおなじみの三太郎たちが「プチ三太郎」となって世界を旅しながら、いろんな文化や自然に出会うよ。食べ物や楽器、乗り物や動物と、わくわく楽しい絵がいっぱい! 各地のことばで「こんにちは」「ありがとう」が言えれば、友達ができるね。さあ、プチ三太郎と一緒に世界の旅に出かけよう! 共生社会を目指す、これからのグローバル時代を生きる子どもたちに、世界を拡げるキッカケを与える1冊です。(絵本ナビより)

ひらがなカタカナがメインで絵も大きく、小学校前後の小さいお子さんにも楽しめる絵本となっています。



ママもパパも人気絵本で読み聞かせを楽しもう!

赤ちゃんが小さい頃の絵本読み聞かせは、まだ反応があったりなかったりで喜んで聞いてくれているのか不安になることもあるかと思います。

反応は薄くとも、絵やことばから五感で届いた情報は確実に赤ちゃんに届いています。何より、読み聞かせをしながら一緒に過ごした時間は赤ちゃんに安心を与えているのではないでしょうか。

たくさんの絵本を読み聞かせて、赤ちゃんとの時間を楽しみましょう!


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